2011年10月31日月曜日

黄金の時をイメージ・イッセイ ミヤケ クリスマス限定香水 " L'OR ABSOLU "

明日から11月。
晩秋から冬への季節、私が特に美しいと感じるのは黄昏時。

今日も…夕闇に浮かび上がる三日月の背景にかすんでいく光のなまめかしさに何度も足を止めてしまいました。

そんな中帰宅すると、イッセイ ミヤケから華やかなウインターコレクションのDM。眺めているうちに思い起こしたのが昨年のクリスマス限定フレグランス、漆黒の"Noir Absolu"

当時、フランスの美容雑誌 "VOTRE BEAUTÉ"(2010,11)の中でも、神秘的に漂う黒の香りとして紹介されていました。

今年もやはり。ありました。

「昇る月と沈む太陽が出会う、
美しい黄昏時が表現された香りのシンフォニー…」
今年のクリスマスの香りの衣装は黄金のボトル。
イッセイ ミヤケ クリスマスシーズン限定香水 " L'OR ABSOLU "(OPENERS 2011,10,28)

昨年の黒の香りの響きが生かされて、トップ(第一印象)にはやはり金木犀とロータス、ミドルにジャスミンと百合…。秋から冬への空気の移ろいの余韻をトップノートに感じさせるあたり、季節感という特別感が素直に伝わりそうです。昨秋も黒の香りを体感して一瞬夜の星空に包まれたようなゴージャスな気分になりましたが、今年もシャンパンゴールドな黄昏時の雰囲気を感じられたら…と、頭の中では一足お先にクリスマス。

漆黒から黄金へ。
昨年末と今年末の使命は違います。
年の節目にこそイマジナティブに、エキサイティングに。


2011年10月29日土曜日

10年の変化を実感した10月

新発売の最新フレグランス。特に魅かれたものを試していたら、それは昔から私が大好きな香調のものであり、香水の本質を追求したものだった。

夏から秋への季節。いつもならばフレッシュな気分で新しい服の一枚位買うところが今季は特に欲しいものはなく、かわりに時計を購入。時間を見る機能というよりもアクセサリーとして。

打ち合わせなどで直接会う頻度がぐっと少なくなっても、メールやFacebookの交流のおかげでいつも会っているかのような親近感をもてる人が増えた。

20年以上仕事のお付き合いのある方が10年以上オフィスとして利用された都心の場から、郊外のご自宅へオフィス機能を移転。ほとんどデジタルでデータのやりとりが出来てしまう以上、必ずしも都心にいる必要はないとのこと。

一部の愛好者、専門家の領域だったジャンルが一般の人のライフスタイルに溶け込み、ジャンルの中でも細かな特徴・魅力が示せなければ本質を理解されないまま、陳腐化する一方である危険性をはらんできた。

変わらないものと、明らかに変わっていくもの。

本質を見直さざるを得ず、本質だけが生き残れるかもしれない…デジタルの発展とともに。そんな実感とともに今月も終盤。


2011年10月28日金曜日

秋の文化祭・香りのビジュアル作品も展示

今春こちら でご紹介していました、文化学園大学・小平キャンパスでのけやき祭・教科展示の中で展示された香りのビジュアル表現作品。これらが、来週(11/2~4)新都心キャンパス(新宿駅南口より甲州街道沿に徒歩5分)で行われる文化祭 においても展示されます。

展示場所は新都心キャンパスC館5階のC-051教室。
他の教科の展示とともに、私の担当講義「ファッションとアロマ」の2010年課題作品18点(9種類の天然香料の香りを平面にビジュアル表現した作品)を、香りとともに鑑賞することができます。

文化祭期間中は、大学の国際ファッション文化学科によるファッションショーはもちろん、お隣の文化服装学院によるファッションショーも毎日開催されます。

今週末から来週にかけて、東京ではデザインイベントやアロマウィークなど、様々なイベントが盛りだくさん。秋の深まりとともに、人の五感も研ぎ済まれていきますように。



2011年10月27日木曜日

3都市の特色を反映したイベントでデビュー・ボッテガ・ヴェネタの香り

以前、こちら にてご紹介のフレグランス。実際にこの香りを試させていただく機会を得たので、感じたことを記録しておこうと思います。

なめらかで穏やかに香りながら深い余韻を漂わせていく…その香りの静かな流れ方には、控えめながら洗練された美を体感。似たような感覚の記憶をたどると…フィレンツェの街を散策した秋の日があり、グレン・グールドのピアノに聴き入った冬の夜があり、生まれて初めてフレグランスを肌にまとい「これは私だけの秘密の時間」と感じた春の夕暮れが浮かび上がりました。

これはおそらく、身にまとう女性の肌によって様々な香り方を描くフレグランス。主役は人であることをわきまえた奥ゆかしいフレグランスとも言えます。日本では本日10月26日から発売ということですが、反響が楽しみです。

ボッテガ・ヴェネタでは、ブランド初のフレグランスを世界展開するにあたり、3か国の3都市、ミラノ、ニューヨーク、東京において発表イベントを開催しました。それぞれの開催都市の個性を反映した伝え方は、ブランドが誇る美のかたちをそれぞれの地域の人びとの記憶に残るような形式を試みた好例と言えるでしょう。

ボッテガ・ヴェネタ/ フレグランス 発表イベント
をご覧いただくと、3都市でどのようなイベントが開催されたかを、それぞれ選ばれた場所の画像とともに知ることができます。選ばれた場所、招かれた人びと、背景に流れる音楽…それぞれとあいまって体感できる特別な香りは、人の潜在意識の中にしなやかに入り込んでいったに違いありません。


2011年10月26日水曜日

ニットの魅力は糸の魅力から・来春デビューの "Quatre quarts"

ニットデザイナーのキタイ・ミホさんのブランドが来春のデビューに先駆け、外苑西通りにあるSUSギャラリーにてお披露目の展覧会を開催。
カトルカール2012 S/S展示会 10/25~29@SUSgallery

新しいニットブランドの名前は"Quatre quarts"(カトルカール)。フランス語で4分の4という意味。卵、小麦粉、砂糖、バターの4種の素材が全て同配合で作られるパウンドケーキのことで、フランスの家庭では子供が母親に最初に教わるお菓子だそうです。

いつもは金属という素材の面白さ、美しさを様々な角度からプレゼンテーションしてくれるSUSギャラリーが、今回の展示では、ニットという、様々な糸から編まれて生まれた質感を見せてくれました。オープニングパーティーで振る舞われたマカロンやプチケーキの色・味・香りも、シルク、麻、コットン、カシミア、ウールなど様々な糸の風合いや発色の違いをひときわ感じさせてくれたと思います。

私が真っ先に眼を奪われたのはこちら。


個人的に好きなブルー。シルクの滑らかな光沢。インナーにシンプルな白のシャツをカフスを折り返して着たくなる基本形。ジュエリーのごとく存在感を放つ多面体の一つボタン。これら4つの要素が等分に1着の魅力を放っていました。

麻の入ったセーターにはざっくりとした質感と上品な透け感。カシミアの入ったセーターには柔らかさ。糸によって異なる発色と存在感も改めて面白いと思いました。全てが曲線でできた人の身体を覆う柔軟性をもつニットは年齢問わず、子供から大人まで着こなしによって幅広く楽しめます。

今日は糸という素材の力を実感…と思っていたら、フランス生活の長いキタイさんからバスク地方のお土産ということでカカオ豆をローストしただけ、という珍しい一品を試食させていただきました。カカオの香りと渋みが香ばしく口の中に拡がります。砂糖もなにも一切加えていないカカオ豆…という素材の力をまたまた感じてしまったのでした。


2011年10月24日月曜日

ブログ1周年・人気記事アーカイブ

sawaromaブログを始めて1年経ちました。
スタート以来、365日目のこのブログが252本目です。

昨年11月からは、「にほんブログ村/ファッションブログ/香水・フレグランス」のカテゴリーにこのブログを登録したところ、11月半ばから今年2月半ばまでの3か月間ランキング1位。以降も上位を維持しています。多くの方にお読みいただき有難うございます。(にほんブログ村/ファッションブログ/香水・フレグランスのページに入るには、私のブログページ右下の「香水・フレグランス」をクリックします。)

ここで1周年の記念に、これまで「にほんブログ村/ファッションブログ/香水・フレグランス」の人気記事第1位にランクインしたことのある記事を、アーカイブとしてご紹介いたします。


WORLD BEAUTY・2 /2010,12,17

W.B.5・アジア系女性の事例 /2010,12,24

花の知恵(モーリス・メーテルリンク著) /2011,3,19

レモンの香り(親・清・明) /2011,3,30

薔薇の切手を眺めて…心はバラ園へ /2011,5,19

「香りをイメージする香水瓶展」からボトルの記憶をたどる /2011,7,18

映画「イヴ・サンローラン」の余韻 /2011,7,23

ローズウォーターで鎮められた夏肌 /2011,8,10

ナッツ色々・異文化出身 /2011,8,11

柔らかな白いレースのように・ジェシカ シンプソン ファンシーラブ /2011,8,17

THANN ジャスミンシャワークリームRC &ボディミルクRC 2011,8,29

「可愛い」が「こわい」/2011,9,1

「香りの専門誌パルファム」サイトリニューアル /2011,9,21

そしてもう一つ、1位になったかどうかは定かではありませんが、複数の方から共感いただいたことを直接伝えていただき、印象に残っているものも挙げておきたいと思います。
冬ケア・3 (心地良い動きで保つボディ) /2011,2,16

日々感じ、考えたことを文章で綴り発信していくことによって新しい出会いもありました。備忘録のようなその発信が252本のストックとなり、これからも続けていきたいと思っています。





2011年10月23日日曜日

"15.0%"から見直してみたアイスクリームの歴史

「待っていました!」と思うモノの登場から、改めてそのモノの意味やそのモノにまつわる歴史や背景などの情報価値を見直す機会を得ることがあります。そして。そうした機会を提供してくれる人こそデザイナー、と常々思っています。

知人の寺田尚樹さんは、建築家でありプロダクトデザイナー。料理をすることが好きであり、食へのこだわりも味へのこだわりもひときわ高い彼によって今夏発表されたアイスクリームスプーン、「15.0% 」には大いに感動。


乳固形分15.0%以上というのがアイスクリームという呼称の条件。こうしたアイスクリームを美味しく食べたいとき、私にはこんな悩み事がありました。

1,固さによっては力をかけないと理想の状態で口に運ぶことができない。
2,1のためにティースプーンではグリップが薄すぎ長すぎ、手が痛くなる。
3,そうこうしているうちに変な具合に溶けはじめてしまう。

アイスクリーム専用のスプーンというものが無いならば、とお店でもらう木サジやプラスティックのスプーンを使ってみるとますます上手くすくえないだけでなく、木サジなどに至っては木の匂いがアイスクリームフレーバーの繊細な芳香を邪魔してしまい残念。

寺田さん発案の"15.0%" は、そんな悩み事を解決してくれました。
01vanila のスプーンは先端がタマゴ型のスタンダードタイプ。



アルミの光沢もアイスクリームの高級感にピッタリ。寺田さんのデザインを形にできた背景には富山県高岡市のアルミ鋳物&研磨技術がありました。

そもそもこんな美味しいものは、「いつ、どこで誰が思いついたのだろう」と調べてみたら面白いのです。嗜好品としての発祥は紀元前、ローマのジュリアス・シーザーに遡るのでした。シーザーに続きネロ皇帝…そしてアイスクリームの美味しさをフランスに伝えたのはやはりカトリーヌ・ド・メディチ。イタリアだけでなく、イスラム圏においても生まれていた背景がありました。
「アイスクリームの歴史と背景」/社団法人日本アイスクリーム協会 には実に興味深いアイスクリームの歴史が綴られています。




2011年10月22日土曜日

サムサラとサンダルウッド

1980年代後半。
親元を離れ、異国の言語を学び、一人で生活していた時代。
困難の中にも閃光のような自由の喜びがあり、あふれる情報の中で意識よりも圧倒的に速いスピードでかけめぐる五感を頼りに生きていた頃。

出逢った香水がサムサラ(ゲラン)。
すぐに魅かれ、以後数年間、私の大切な香りの一部となった。
特に繊細な残り香が素晴らしい。

神秘的で柔らか。困難の海の果てに辿り着けるような奥深い官能性。
心が静かに落ち着き、五感を通して肉体の状態を冷静に感受できる香りの力。

ゲランの4代目調香師、ジャン-ポール・ゲラン氏は1989年にこの「サムサラ」を発表。「サムサラ」とはサンスクリット語で「輪廻」を表す。この調香師が恋した一人のイギリス人女性のために、彼女独自の官能性を解き明かしてあげたいという思いから創作されたという。彼女が白檀(サンダルウッド)とジャスミンを好むという情報を生かしながら。

「サムサラ」のボトルは彫刻家ロベール・グラネによるデザイン。きっと一目観たら忘れないかたち。座禅のポーズを彷彿とさせる、生命のような深い赤。

後になってこのサムサラに、天然香料サンダルウッドが多く使用されていることを知った。そしてその後アロマテラピーでサンダルウッドの精油で出会う。面影は確かにある。心を穏やかにさせる静かなイメージが時間経過とともに本能を刺激する官能性へとゆっくり変化するあたり。しかし、サムサラはそうしたイメージのみを見事に生かし、素のサンダルウッドそのままの表層を露わにはしていない。香料から感受された美のエッセンスで「サムサラ」という女性のためのドレスを描いた。

'80年代から'90年代へと移る時の中でこそ私が必要とした香りの一つは、いまも深く記憶に刻まれている。


参考文献:
「ゲラン 香りの世界への旅」
ジャン-ポール・ゲラン 著
田中樹里 訳
フレグランスジャーナル社




2011年10月21日金曜日

ジューシーで微芳香・新高(にいたか)梨

大きなおおきな梨をいただいた。
なまえは新高(にいたか)。



ゆうべから冷やして、今朝、家族3人で1個をいただいた。
まずはジューシーで嬉しい。
そしてほのかに私の好きな二十世紀の青い香りと歯応えが。
追いかけるように上品に拡がる甘味。

身体に朝がやって来た。
有難う。「にいたか」さん。

高知出身の方によると、この品種は高知生まれとのこと。色々調べてみると、新潟産の品種と高知産品種の交配だとか。その新潟産品種も元々は高知出身だという説もあり、なんだか高知の香りを体感するような気分。(訪れたこともないのに)

梨はとにかく水分が多く、カリウムなどのミネラル、食物繊維、ほのかな芳香と甘味、という点で、朝起きたばかりのフラフラな私には神様みたいなくだもの。起きたばかりでただミネラルウォーター飲むのはつらいけれどこれならば負担なく水分、ミネラル、糖分を摂取できるから。

昨年発売されたサルヴァトーレ・フェラガモの香水、「アッティモ」にはトップノートに日本の梨の香りが使われたということを思い起こし、どの品種なのかなあと想像してみたりする。



2011年10月19日水曜日

秋から冬への匂いを感じる場所・街路樹

金木犀の香りが秋を告げてから、約ひと月。
今日は、秋の空気に冬の匂いが混じり始めた日。
今季初のタートルネックセーターを着て買い物へ。

うっすらと緑の部分がほんの少しになったみかん。
紅玉が終わり、秋映が並び始めたりんご。

視覚的に晩秋を感じさせてくれるものが少しずつ増えていく。
特に街路樹を歩くとき、私は最も深く、冬に近づく秋を感じる。

日一日と色づき、舞い散る葉。
冬支度に備えた静謐な樹皮からは乾いた鎧のたたずまい。
ひんやりとした空気の中で、ゆっくりと穏やかに香る樹の呼吸。

東京に暮らすようになって四半世紀が過ぎた。
その間、私の記憶に匂いとともに深く刻まれた街路樹は三つ。

表参道、ケヤキ並木。
外苑前、絵画館前の銀杏並木。
そして国立市、大学通りの銀杏と桜の並木道。

毎年秋も深まるとこの場所が懐かしくなる。

香水プレゼント応募ご案内・「香りの専門誌パルファム」No.159

ひんやりと程よく乾いた秋の空気には、エレガントな香りが似合います。

9/20に発刊された「香りの専門誌パルファム」No.159
には、2011年10月末日締め切りの香水プレゼント応募のページがあり、こちらを、パルファムサイトをご覧の方にも公開しています。この春デビューしたばかりのスワロフスキーの香り、「オーラバイスワロフスキーオーデトワレ」をはじめとして、秋の新作、ヴェルサーチの「ヴァニタス」やメイク化粧品も含めて総計17名様にプレゼント。

プレゼントページのタイトルは
「うっとり秋、キレイな秋を目指したい。」
どんなに綺麗な服を着たとしても、当の本人が綺麗なものへのうっとりとした気持ちに満ちていないと似合いませんね。香りのオーラで心にも美をチャージしたいものです。

対象となる商品のうち「フラワータグオーデトワレ」(ケンゾー)と、「ヴェリイ イレジスティブル ジバンシィ インテンス オーデ トワレ」(ジバンシィ)については、動画により編集長からのご紹介メッセージもご覧いただけます。

ご応募はこちら、「香りの専門誌パルファム」No.159からサイトご覧のみなさまにもプレゼント! からどうぞ。




2011年10月17日月曜日

日常が筋トレ

今日着ていた服が、私におもいのほか筋トレを強いることとなった。
一見ロングスカートなのに真正面の膝やや上からスリットが入っている。この服を着てただ立っているだけであればまだ良いが、歩き始めたり腰掛けたりしようものなら、足腰の筋肉を駆使せずして綺麗な佇まいには見えない。

まず両脚は真っ直ぐをキープした上で踵から静かに着地。スリットからむやみに脚が見えてはいけない。そして電車の中。腰掛けたらもう両膝はピッタリと密着させたままで両脚をそろえ軽く斜めの角度を保つしかない。いかに脚の筋肉の収縮を必要とすることか。

高校時代に膝を捻挫でいためて松葉杖生活を送ってから、なるべく膝に負担がかからないように毎日脚の筋トレを続けてきた。といっても特別なことをしたわけでもジムに通ったわけでもない。以下はすべて日常の動き。

・なるべく背筋の姿勢をぴんと。
・なるべく階段を使って「静かに」早足で歩く。
・座るときは脚をそろえて。
・同じ姿勢、同じ運動を長時間続けない。(両腕も時々上げてみる)
・荷物はなるべく肩にかけず両腕の筋力を交互に使う。
・入浴後両脚を片脚ずつ90度以上前後左右に真っ直ぐ上げて10秒キープ。
・シャワーで全身を洗うときは立ったままで身体を曲げずに両脚を洗う。
・髪を洗うときは首を真っ直ぐ頭を上げて両手の動きをシンクロさせて。
・食事のときはよく噛むこと。
・キッチンに立つときは時々爪先立ちで。
・口角はつねに下がらないように。
・声を出すときは腹筋を意識。

身体の中で最も筋肉量の多い脚は、体重を支えてくれている。感謝しながらも鍛えておかなくてはといつも思う。顔の筋肉も油断していると落ちてくる。そして睡眠も筋肉疲労解消には大切なのだと思うので、夜更かしは自重しなければと反省。






2011年10月16日日曜日

カトリーヌ・ドヌーヴと薔薇の香り

毎月の薔薇に関する連載 のため、資料を探していたら、2004年3月来日講演を行ったジャン-ポール・ゲラン氏(1828年フランスにて創業の香水ブランド「ゲラン」4代目調香師)の言葉を綴った手帳に再会。

メモを頼りに彼の言葉を補って再現してみます。

…"Benjamin"(1968:邦題 「めざめ」)という映画をみて、鳥籠に閉じ込められている美しい女性に眼を留めた…そのひとは女優カトリーヌ・ドヌーヴ。この女性のイメージに着想を得て私は香水"Nahèma"(ナエマ)を創作した。
…「ナエマ」(1979年)は、薔薇への賛辞。最も美しい香り。非常に高価な薔薇の香料をたくさん使用した。多く売れたわけではないが今でもナエマファンは根強く残っている。…

「ナエマ」は8年間の長きにわたり数百回の試作を経て完成されたということですが、それほどまでにこの調香師の創作への情熱に火をつけた女優の存在に改めて興味を深めました。

カトリーヌ・ドヌーヴはもちろんフランス映画界を代表する女優の1人でもありますが、ファッションデザイナー、イヴ・サンローランの顧客としても有名であり、多くの美のクリエイターたちの創作へのインスピレーションに貢献したことと想像します。そんな視点をもって彼女の出演作を鑑賞し直すのも楽しいはず。初期の代表作「シェルブールの雨傘」のあの甘美で切ない音楽は今でもよくおぼえています。

薔薇「カトリーヌ・ドヌーヴ」。フランス女優の名前をもつ薔薇。しっとりと華やかです。

2011年10月15日土曜日

秋も深まると…たとえば北のワイン

久々にこんな時間に起きていたら、パリ在住の友人からメールを受信。

…もうすっかり秋ですね。フランスは9月の末からかなり長い間インディアンサマーが続いたのですが、いったん過ぎたら秋深く…

向こうでも残暑が長引いた上、一気に秋が深まりつつあるのかと共感。
そろそろ来月のボジョレーヌーヴォーのことが囁かれる時期なのですが、美味しいワインはフランスやイタリアだけとはかぎりません。

夏に訪れたこちら
で買った本をご紹介。






夏に私が試したのは小樽ワインの白でしたが清涼感あふれるフルーティーな香りがなかなか素敵でした。北の大地でのぶどう栽培、ワインへの情熱。お店の方からは地理的に絶好の条件にめぐまれたという余市のワインの話をきき興味をもちました。
地域ごとに地域のワイン。うっすらと思い浮かべたのは同じラヴェンダーの香りでも、フランス産とブルガリア産、そして日本の北海道産では違うこと。それぞれの土地と気候と関わる人の気質を反映する香りの違い。またいつか北のワインを飲んでみたいと思います。



2011年10月13日木曜日

色んな国の匂いのする歌声・クレモンティーヌの「カヴァメンティーヌ」

ついふらふらと入ったお店で見つけた懐かしのクレモンティーヌ。
タイトルをよく見もせず、イチバン好きなヴィジュアルのジャケットのものを手にとった。どうやら今年の1月に発売されたカバー曲を集めたものらしい。











曲目をご紹介。
01 Un Homme et Une Femme(男と女)-GRAND MIX-
02 Garasugoshi ni kieta natsu(ガラス越しに消えた夏)
03 Akujyo(悪女)
04 Season in the sun
05 Les Champs-Elysées(オー・シャンゼリゼ)-SWEET MIX-
06 La mer
07 Tenohira wo taiyouni(手のひらを太陽に)- Japanese ver.-
08 ふたりでPARISに行こう
09 Bésame mucho
10 Route Nationale 7(国道7号線)
11 Romance d'Autrefois(過ぎ去った恋)
12 Comme d'habitude(マイ・ウェイ)

これがなかなかいい。聞いていて心地よく、疲れない。
特に誰もが知っているであろう、映画「男と女」の"ダバダバダ…"がこんなにもスマートに軽やかに流れ、あの「オー・シャンゼリゼ」が可愛い音になっているのにはちょっと驚く。改めてフレンチ・ポップスの魅力を再発見した気分。

さっそくフランス語初級のクラスで流してみたところ、10代後半から20代の学生にもけっこう好評。貸してほしいとリクエスト。

あの「チューブ」の夏の熱唱系代表曲「シーズン イン ザ サン」もまるでシエステ明けのおやつの時間のような脱力感がただよい、「ここはどこの国?」と思ってしまうし、フレンチネイティブのゆっくりとした日本語の発音にもなごむ。

フレンチ、ラテン、アジア、アメリカン…さまざまな文化が混じり合い、ポップスのようなジャズのようなボサノヴァのような国籍不詳の音が淡々と流れるひととき。なんだか無になる境地。

このひとのCDを買ったのはもう何年前になるだろう。確か1990年代の前半。
穏やかな気持ちで聴けた歌声。聴くと自然にチカラが抜けていく感覚が独特。改めて、どんな生い立ちなんだろうと公式サイトをのぞくとこんな記述が。

「パリ生まれ。フランスで有数のジャズ・レコード・コレクターの父親の影響で自然とジャズに囲まれながら育つ。幼少時は父の転勤に伴い世界中を回っており、ラテン音楽とボサノヴァに親しんだのは4歳のころに過ごしていたメキシコでのこと。その後、アメリカ、ギリシャ、スペイン、イタリア、ポルトガル、イギリスでの生活を送りながら、様々な文化に接して育った。…」

続きはこちらより。クレモンティーヌ公式サイトよりバイオグラフィ












2011年10月12日水曜日

ローズマリー&オリーブオイルでハーブオイルを

昨日の授業で鑑賞用にと入手したローズマリー(食用ハーブ)が余ったので持ち帰ってきました。もちろんさっそく今夜はローズマリーのポークソテーを作るつもりなのですが、それでもまだ余るので、いっそのこと新しいオリーブオイルを一本買ってきてローズマリーを漬け込み、香りを移して料理用ローズマリーオイルを作ろうかと計画。

ローズマリーの育て方・使い方というサイトがあります。
ローズマリー好きな人にはおすすめの内容がぎっしり。

その中にしっかりと記載されていました。
ハーブオイル(ローズマリーオイル)のつくり方

芳香成分は油脂に良く溶けるのでこの方法は理にかなっています。良く洗ったローズマリーの水気をきちんと取ることが大切。数週間後には香り高いオイルができていつもの肉のソテーとか粉ふきいもなどの定番料理がひときわ美味しくなることを想像。パンにつけてもおいしそう。




2011年10月11日火曜日

香りはファッション・語学は音楽

私の職業のテーマには「香り」があり、「語学」がある。この二つを媒介に私は日本という母国以外のことにも広く興味をもてたと同時に見識を深めることもできた。これらのテーマを職業に結びつけられたのは、論理性を鍛えてくれる数学が好きだったこと、文章を読んだり書いたりすることが苦ではなくむしろ好きだったこと、そして、人にわかりやすく伝えたいと願う気持ちが強かったからかもしれない。

こちら にてご紹介したように、私は2005年から「ファッションとアロマ」という講義を担当している。毎年学生には、幼少期からの記憶の中で香りに関わる印象的な出来事を記述させてきた。それは、その後講義の中で彼らが鑑賞していくさまざまな香料に対する感受性の背景であり原点である場合が多いからである。

私自身も憶えているうちに記述しておこうと思う。

「香り」との出逢いは、私に服飾への興味とともに「少しでも自分を含めた周囲を素敵にしたい…」という欲求と好奇心をもたせた。最初に美的な表現としての香水の香りを感じたとき、私は自分がどんな服を着てどんな髪型でどんなたたずまいで存在していたいか、というイメージを頭の中に描いたことを今でも憶えている。それは小学生になるかならないか位のとき。以来私は、洋服を着た女の子の絵ばかり描いていたように思う。おぼろな記憶の中にその当時、「モンシェリ・CoCo」というファッションデザイナーを目指す女の子がヒロインのアニメを見ていた自分もいた。その頃の私はココ・シャネルの名前など知らない。

もう一つ、「語学」との第一の出逢いは英語。やはり5~6歳の頃ラジオから流れていた洋楽。英語の歌詞の音楽。響きもリズムもすべて素敵に感じられた。ただそういう思いがきっかけで、小学生のうちからラジオの語学番組をききはじめ、その発音の習得に夢中になった。好きな歌を覚えるように、聴いたとおりに話せるようになることが何よりもたのしかった。第二の出逢いはフランス語だが、モチベーションは最初は発音マスターではなく、フランス文化を知ろうという理屈っぽいものだった。フランス語も音楽のように楽しく素直に音を自分で発してみようと思えるようになったのは、少し後になってから。この言語を専攻した大学でバンド活動をしたり、様々なシャンソンやフレンチポップスを聴くようになってからである。

結局、「香り」は「ファッション」と、「語学」は「音楽」とそれぞれ私の中で結びついたから今でも関わっているような気がする。好きなことにつながるとモチベーションも好奇心も果てしない。「香り」の「何故?」は科学への興味、「語学」の「何故?」は文法構造と言語に込める考え方、歴史への興味へとつながる。これらは全く尽きることはない。今でもわからないことだらけ。その気持ちのままで、たとえわかったと思っていることが微々たるものでも講義で伝えようとしているし、活用しようとしている。





2011年10月10日月曜日

クリアな芳香と酸味・「紅玉」はいまが旬

林檎の美味しい季節になりました。
私の大好きなフルーツ。

甘味はそれほど欲していないけれど、爽やかな芳香と酸味と、適度に硬いシャキシャキ感を求めた結果、いつのまにか「紅玉」という林檎がイチバン好きになっていました。早速昨日店頭で見かけて購入。深い紅色。つやつやりんご。








みるからに「ぎゅっ」とした香りを想像してしまいます。
私から1メートル以上離れたところで家人が皮をむきはじめたのですが、ちゃんとあの、クリアな芳香がふわ~っと飛んできました。この優しく上品な香りも大好きなのです。皮の香りは何度でもかいでしまいそう。

むきたての青みがかった実をほおばると、小気味よい酸味が口の中に広がり、ワンテンポ遅れてほのかな甘味がついてきます。この香り豊かな触感がアップルパイなどには欠かせないのでしょう。

「ようこそ!青森県のりんごへ」 名称別品種検索表より「紅玉」によると、この種類は明治以降外国から導入されたものだとか。生まれはアメリカ。関わった方のお名前にちなんで、ジョナサンという別名もあるようです。きっと香りの素晴らしさはアメリカの人々にも好評だったのでしょう。

「あー、いつか旬の時期に箱買いしたい…」なんて思って、ついつい二つ並べて撮影してみたりします。








昨日Twitterで一言、紅玉のことをつぶやいただけなのに、どこかで見つけてくださったのでしょう、長野県で紅玉を丁寧に作っていらっしゃる生産者の方が早速フォローしてくださいました。この紅玉屋 さんも、紅玉が大好きでいらっしゃるとのこと。いつか箱買いが実現しそうです。

ちなみに紅玉の旬は10月上旬から中旬だそうです。いまが旬。



2011年10月9日日曜日

「夢見るシャンソン人形」・ウーロン茶のCMに'60年代フレンチ・ポップス

一度聴いたら忘れられなくなるメロディライン。
チラリとCMで耳にして以来、「フランス語のこの歌はなんだろう?躍動感がありながらどことなく冷めた悲哀が漂うこの曲…」とボンヤリ思い続けていたある日、ついに発見。


「夢見るシャンソン人形」(原題:Poupée de cire, poupée de son)。
原題の直訳は、「蝋で作った人形、ヌカで作った人形」。
フランス・ギャルのベストアルバムのトップがこの曲。

1965年に生まれたこの歌は、フランスでは勿論、日本でも大変なヒットを記録。後に日本語でもカヴァーされている。'65年の「ユーロヴィジョン・ソング・コンテスト」でグランプリを獲得したという。そして歌っているフランス人歌手、フランス・ギャルの誕生日は今日。10月9日だとCDの解説書には記されている。彼女は1947年生まれだからこの歌が生まれた年には18才。歌っている姿も見た。どことなくぎこちないような動きが、造られた人形 "poupée" を想像させ、意志とは裏腹に動かされてしまう悲哀が感じられてしまう。まさしく"アイドル"の一面か。

この曲を知らないはずの私がなぜ、どことなく懐かしさを感じたのか。遠い記憶の中で聴いたことがあったのかもしれないが、その後の'70年代の日本の歌謡曲が醸し出していた雰囲気にこの楽曲の影響を感じたかもしれない。そして現代にいたるまで絶え間なく「アイドル」と呼ばれる人達は登場してきた。

作詞作曲は、セルジュ・ゲンスブール。女優ブルジット・バルドー、歌手ジェーン・バーキンをはじめ多くの女性たちと音楽に愛されたアーティストである。ちょうど今春「ゲンスブールと女たち」という映画が公開されていた。彼の伝記的物語。見逃したのでどこかこれからでも観られるところは、と探したらあった。新橋文化劇場にて10/22から一週間。観に行きたい。

ミステリアスなプレミアム・ニューヨーク発"LELABO"の香り

このブログ、書く前に「フレグランス」か「ブランド」、どちらのカテゴリーに入れようかと悩んだ。そして両方に入れることにした。

香りが好きな人が魅きつけられる要素満載のミステリアスなプロデュース、そして実際にこのお店で体験するプロセスを経て得る香りのプレミアム感。

ブランドとしての「香りを本当に楽しんでほしい」という思いがひしひしと伝わってくる。テーマとなる香料と数字(確か使用香料数だったと思う)のみというストイックなネーミングと、香料品質にごまかしのきかない、直前に最終調合するという販売方法。

セレブを虜にしたスペシャルなフレグランスをLELABO(ルラボ)よりあなたにー創始者エディ・ロスキー氏がストアイベントに(FASHION PRESS 2011,10,8)の記事を読み、私は数ヶ月前に知人から試させていただいたルラボの新作、サンタル33の余韻を思い起こした。深くあたたかな香りだった。

香りをどんな印象で受け止め、どう使いたいかは使う人の自由、といわんばかりにネーミングは事実の列記のみ。

香りは調合したばかりのときと数日経ったときとでは香り方が変化していく。創り手はその過程も顧客と共有しようとしている。

11月限定販売されるという各都市の名前が連ねられた「シティエクスクルーシブ」シリーズ。このネーミングもまたまたミステリアスなプレミアム。体験してみたい。




2011年10月7日金曜日

ボッテガ・ヴェネタの初フレグランスは、余韻豊かなフローラル・シプレー

先日、このフレグランスを見せていただく機会がありました。

まずパッケージとボトルのカラー。私が、香りの映像美・ボッテガ ヴェネタ初のフレグランス を書いた時に想像していたとおりの淡いベージュにほんのりピンクが漂うような色。そしてまるみのあるかたち。

本日2011,10,7掲載のフィガロジャポンの記事に、ついにこのボトルと香調の情報がアップ。優雅で気品溢れる香りに包みこまれるボッテガ・ ヴェネタの初フレグランス

記事にも書いてある、「レザーニュアンス」。確かに上品に漂っています。トップノートからすでに柔らかで奥行きの深さを感じ、大人の女性のしっとりとしたたたずまいを想像。しばらくするといちだんと優雅に変化。フローラル・シプレの香りが、静かに、余韻豊かに漂いはじめます。包み込まれてみたいと思いました。10月26日発売。深まる秋の空気にもよく似合うでしょう。


2011年10月6日木曜日

ジバンシィ プレミアム フレグランス2010 の3種

香水は高価、とよく言われるがそれは天然香料の希少価値、ならびに天然からヒントを得て単離または合成される香料の希少価値がベースになっているということは、実はあまり知られていない。

現代生活の周囲のあらゆるものが香料によって安全性や快適性が保たれているという事実、これがどこか当たり前になっていて香料の存在を意識していない人も少なくない。一方で、その香料の特性が際立って示される香水の存在意義に抵抗感が示されるケースが、この日本では特に多いことに残念な思いをすることも多々ある。

数多くのファッションブランドが香りのイメージ訴求価値をふまえてユニークなフレグランスを創出している。とりわけシャネル、エルメス、ジバンシィなどはその筆頭に挙げられると思う。

ジバンシィは数年前から天然香料の希少価値とその香りの豊かさをクローズアップ。今年も2010年に収穫して得られたイランイラン、ローズ、ジャスミンを活かしたブランドを代表するプレミアムを提案している。

ジバンシィ プレミアム フレグランス2010をご覧いただくと、約20年前にデビューしたアマリージュをはじめ、近年のヒット作ヴェリィ イレジスティブル、アンジュ デーモンの計3種のラインナップが限定発売されていることがわかる。

この3種の香りの感想は後日改めて。











2011年10月5日水曜日

決め手は艶と持続性・資生堂発 "VOTRE BEAUTÉ"掲載アイシャドウ

フランスの美容雑誌最新号のサイト、トップページで資生堂のアイシャドウが掲載されている。椿のかたちのシックな黒のフタとともに12色。

記事は、"VOTRE BEAUTÉ" 2011,10,3掲載のもの。

とにかくなめらかで艶やかな発色が素晴らしいとのこと。しかも指先で簡単にひと塗り。塗り方の加減で濃淡を調節。以前に「W.B.3. フランスの事例」でご紹介したようにデリケートなフランス人の皮膚にとって、ひときわデリケートなまぶたにのせるアイシャドウは、皮膚に負担をかけずなおかつ発色と持続性の優れものが求められるのではないだろうか。

一度塗るとその持続性が素晴らしいという。この記事の最後に貼り付けてあった資生堂のページで説明を読んでみると、なんと16時間も持続するとのこと。こうした具体的な記述も効を奏しているようす。

確かに、フランス人でなくても、まぶたの皮膚は最も薄くデリケートな部分。睡眠不足だけでなく乾燥も大敵。刺激を与えすぎると確実に傷む。私もこの部分にブラウン系のシャドウを使うが、クリームタイプは本当に使いやすく皮膚が疲れない気がする。粉末タイプでもチップやブラシでなく自分の指咲きでそっとのせてなじませることもある。とにかくこすらないようにする。

疲れが目立ちやすい目元に輝きを添えてくれるアイカラーは年齢に関係なく女性の味方。改めて、睡眠不足にならないようにと思ってしまう。





2011年10月4日火曜日

世田谷線と猫・一期一会

もうかれこれ20年はこの線のお世話になっている。
下高井戸と三軒茶屋を結ぶ世田谷線。
のんびり進むから、猫も時々線路でくつろいでいる。



緑の中に、白黒もようの猫。きりりと綺麗な瞳で見つめてくれた。
どうやらお気に入りの場所のよう。夜中などはきっと、電車が通らないから、のびのびこの上で過ごすのかもしれない。

必死で生きていると、ときに神様は一瞬だけ素敵な出会いを授けてくださる。

2011年10月3日月曜日

くつろぎいちご・完熟フルーツ&ハーブブレンド

このところ、ますます「量より質」で満足している。
素敵と感じさせてくれるものは、一瞬であればあるほど素敵。
美味しいものも、わずかだから美味しい。
良い香りも然り。

先日青山をふらりと歩いていて入ったのがこのお店。
タイのオリエンタルな雰囲気に満ち満ちた HARNN



一瞬で非日常感。気分はオリエンタル。わかりにくい感じがまた素敵。
同行したのがタイでこのお店を訪れたことがある人物だったのできいてみると、タイの雰囲気そのままだとか。あえてそのままなのがミステリアスかも。



奥からにこやかな笑顔の女性が「フルーツハーブティーをどうぞ。」
ピンク色の液体。ますますエキゾチック。
一口含むと、しっかりとした、でも程良い甘さと酸味。一瞬で拡がるフルーティーハーブの香り。甘味料なしでこの甘さ。完熟フルーツですね。

その名は「くつろぎいちご」。



入手翌日、早速水出しでアイスティー。ちょっとふやけたフルーツはそのまま食べても、ヨーグルトに抽出された液体を少し混ぜながら入れてもグッド。

お店 HARNNの魅力はまた改めて、ということで今回はこのやわらかな甘味の感動をメモ。


2011年10月2日日曜日

「メタル」の魅力・SUSギャラリー

9月最後の日。金曜日の夕刻。
外苑前で地下鉄を降り、SUSギャラリー へ。新たな展示のオープニングパーティーがあるという。
そこで目にしたウインドウ・ディスプレイがこちら。






氷砂糖の集合体の中に浮かび上がる金属。この似ているようで一つとして同じカタチのない結晶形を生かした、デザイナー富松暖さんによるメタル・ジュエリーの提案。RECRYSTAL EXHIBITION - SUSgalley window project- 9/28~
これはブライダルのペアリングにも最適!





シルバーの輝きは、形によって、光の角度によって、磨きによって、塗装によってさまざまな色を映し出す。そういえば、昔、パコ・ラバンヌというブランドで「メタル」という名の香水があったことを回想。エッジの効いたさりげないエレガンス。

パーティーでは展示とおしゃべりを楽しんだあと、昨秋
"Tubame Circle of Cutlery"展 にて一目惚れしていたカトラリーをおみやげに購入。さりげないラッピングが嬉しい。





ラッピングの中身はこちら。ドットの光沢きらめくカットナイフ。





とっておきの美味しいものをカットしたり塗ったりするのにピッタリ。スプーンとフォークをセットにプレゼントしてもきっと素敵。


2011年10月1日土曜日

形も香りも進化系・蘭の魅力


国際香りと文化の会・9月講演会テーマは蘭でご紹介の内容を昨日拝聴。

生き物としての植物、その進化系である蘭の実態に触れ、益々魅かれる。

極めて種類が多く、花の形状も多彩な上に香りも多様。
絶滅危惧種も多く、ワシントン条約でも保護されている。
その姿かたちの不可思議さにこれまでぼんやりと魅かれていた理由がなんとなくわかったような気もしたし、その複雑ながらも清涼感と妖艶さをあわせ持つ香りの魅力に「最強」の花を感じすらした。

まず形。
まるで人間のように左右対称。萼片は3、花弁も3だが1枚は唇弁となっている。
まるでアンドロジナス(両性具有)のごとく、オシベとメシベが合着し、ずい柱となっている。生殖機能の効率優先の究極のかたち。

巧みな虫の誘導。ハチ、ハエ、チョウ、ガ、ハチドリらはそれぞれの好きな香りに集まる。虫と花が互いに影響しあって進化したタイプもあるという。

香り成分を分析すると、ジャスミンやスミレ様の複数種の花の香りが含まれ、かつムスク様の成分もある。また、温度によって、朝、昼、夜とで香りを変えるタイプもある。なんともミステリアス。

会長でもあり、蘭の香りに詳しい中村祥二氏によれば、中国春蘭の香りは格別なものであるとか。紀元前5世紀、孔子がこの中国春蘭の香りの素晴らしさに感動し、「香りのある花の中で最高」とおっしゃったのだという。振りかえってかんがえてみると、特に東洋では蘭の香りに一目置かれているようにも思えた。

いつかこの蘭の香りをかいでみたい。
中村氏によると、蘭の香りを鑑賞するのにおすすめの機会は毎年5月頃に池袋サンシャインシティで行われる蘭遊会とのこと。これは要チェック。