2018年7月30日月曜日

フィグリーフのパフュームウォーター・FEUILLE DE FIGUIER / Roger & Gallet




自宅での休日。誰に会うわけでもなく自分の時間をゆっくりと。そんな時、ただ感じて楽しむために私は香りを身につけます。「自己表現の装いのため」というよりも。


Vacances d'été à la maison. Ce n'est pas que je rencontre quelqu'un, je prends lentement mon temps.  Dans un tel cas,  je porte un parfum à ressentir et à samuser, plutôt que "pour l'expression de soi".



La nouvelle Eau parfumée de Roger & Gallet,

FEUILLE DE FIGUIER .

ロジェ・ガレの新しいパフュームウォーター、

フィグリーフの香り。

http://www.roger-gallet.jp/collection/feuille-de-figuier/perfume-water/



大好きなロジェ・ガレの石鹸を買いに出かけたところ、淡い透かし模様のボトルにも目が留まります。涼し気で魅力的。フィグパフュームの石鹸で改めてイチジクが大好きなことを実感していましたから、幼少期の晩夏の美味しい記憶を彷彿とさせるこの香りも自宅で楽しみたくなったのです。



フィグパフュームのソープ




FEUILLE DE FIGUIER。イチジク芽エキスも配合。シトラス、グリーン、ちょっと非日常的エキゾティックなフルーツ感(まさに独特の余韻をもつイチジク)、柔らかな甘さ。パフュームウォーター(オーデコロン)ですから、強い拡散性や長い持続性は無いものの程よい香り立ち。ウエストに2回スプレー。このくらいの量でも最初は爽やかなイチジク感で嬉しくなります。徐々にリーフのグリーンと静かな柔らかさがほのかに残る程度。適量であればこのまま眠れそうです。


必ずしも装いとしてハッキリ他者に伝わるようには香らないとしても、大好きな香りを自分自身が感じて幸せな笑顔になればそれも大きな魅力。このフィグリーフの香りは、もぎたてのみずみずしいイチジクをいただいて木陰でまどろんでいるような至福感を与えてくれました。ラストノートの軽くスパイシーかつグリーンな余韻は ジェンダー問わず、このフルーツを愛する人たちに似合うのではないでしょうか。



東京にて、sawaroma より。

écrit par SAWAROMA à Tokyo.


2018年7月28日土曜日

イチジクの香りで秋を待つ・L'arôme de la figue.




こんなにも暑い日々が続くと、ただただ秋の到来を待ち望んでしまいます。

私に夏の終わりの雰囲気を感じさせてくれるものの一つ、それはイチジクの香り。

子供の頃、秋には祖母が庭で作ったイチジクを食べていました。


Quand de telles journées chaudes continueront, jespère seulement l'arrivée de l'automne. Une des choses qui me fait sentir l'atmosphère de la fin de l'été, cest l'arôme de la figue. Quand j'étais petite, en automne je mangeais des figues que ma grand-mère faisait dans son jardin.



7月の、とある昼下がり。イチジクのタルトで休憩。

Un après-midi de juillet, je me reposais prenant la tarte aux figues.




フィグリーフと緑のいちじく  2017,8,30  sawaroma 

http://sawaroma.blogspot.com/2017/08/blog-post_30.html





今年5月に発売されたばかりのフィグリーフ(イチジクの葉)の香り。

緑の陰影がイチジクの柔らかな甘さと調和、リラックス感に浸れます。

FEUILLE DE FIGUIER / ROGER & GALLET

http://www.roger-gallet.jp/collection/feuille-de-figuier/perfume-water/#perfume-water-100ml


ロジェ&ガレは石鹸の香りも素晴らしく、この夏はイチジクの香りのソープでバスタイムも楽しみました。確実に訪れる秋をほのかに感じさせてくれます。


本格的な秋が訪れたら

フィグの香りのクリームでボディケアも試してみたいもの。

fresh fig soufflé body crème / laura mercier 

https://www.lauramercierjapan.com/item/detail/?item_code=2151125



東京にて、sawaroma より。

écrit par SAWAROMA à Tokyo.


2018年7月25日水曜日

1927年のきらめき、今に香る・1927 EAU DE PARFUM / FLORIS




300年近くの歴史をもつイギリスの香水ブランドから

新たなフレグランスがデビュー。

それは、1920年代という一時代のきらめきが 

現代の洗練された感性で紡がれた香り。




1927 EAU DE PARFUM / FLORIS 

https://www.florislondon.com/en_usd/1927-eau-de-parfum



1927年(昭和2年)。想像することができるとしたらまずは香りから。1920年代に発売された、アルデヒドが活かされた拡散性とシトラスフローラルの輝きの奥に気品あふれる官能性をもつ生き生きとした香り。自由で活動的な装いとヘアスタイルに人生を謳歌しようとする女性たちの笑顔。さらに映画や物語から知っていた20年代は、音楽やアート、ファッションに新しいムーヴメントが生まれ、打ち上げ花火のように文化が開いたと思えば、直後に世界恐慌や世界大戦が控えていたという激動の時代。


この‘20年代ロンドンにオマージュが捧げられた新作

『FL オードパフューム 1927』は日本でも81日(水)発売。

新宿伊勢丹では本日725日(水)先行発売されます。

一昨日、そのプレス発表会にうかがいました。




60年代、’70年代、’80年代のロンドン3つの街のソウルと

ハートを表現した香りの記憶3部作

『ザ・フレグランス・ジャーナルズ』に並ぶシリーズ最新作





フローリスブランドの中心となるレディスライン





フローリス ブランド担当の大石さんと

美容ジャーナリストYUKIRINさんの

トークショー



命のきらめきとアンニュイな影が映されたようなグリーンカラーのパッケージ。

20年代を彷彿とさせるトップノートにはやはり

ベルガモット、アルデヒド、マンダリン。

肌にのせると次第に陰影深くまろやかな花のブーケが香ってきます。

2時間も経てばそこには

センシュアルで儚げなオーラが柔らかく残っていました。素晴らしい余韻。

まるで‘20年代から現代への緩やかな時間旅行を体験したかのような特別感。






創業1730年。ロンドン・ジャーミンストリート89番地本店、

英国王室御用達のフレグランスブランド『フローリス』の

日本公式サイトはこちら。

http://www.floris.jp

改めてゆっくりとこのブランドの香りを堪能したいと思います。

1920年代に活躍し、フローリスの顧客の一人でもあったイギリスの写真家、セシル・ビートン(Cecil Beaton)は次のように語ったそうです。

「大胆不敵であれ、人と違うことをしろ、常識にとらわれるな。冒険をせず、ありきたりで、平凡の奴隷になることに抵抗して、高潔な目的、想像力に富んだビジョンを押し通すためには何でもやれ。」


時のきらめきはその時代に生きた人の輝きであり、今という光そのものです。


東京にて、sawaroma より。



2018年7月24日火曜日

『文豪Aの時代錯誤な推理』(森晶麿 著)との一か月




芥川龍之介。189231日に生まれ、1927724日に死去。今日は彼の命日である。森 晶麿氏によるこの小説は、文豪というより人間としての芥川に深い愛着を感じさせる。


Ryunosuke Akutagawa. He was born on March 1, 1892 and died on July 24, 1927. Today is his anniversary of death . This novel written by Mr. Akimaro Mori makes me feel deep attachment to Akutagawa as human being rather than writer.


先月、『文豪Aの時代錯誤な推理』を一読した。その後一か月というもの、私はずっと芥川の作品を読み続けている。




https://www.kadokawa.co.jp/product/321801000246/



『杜子春』、『蜘蛛の糸』、『鼻』。小学生の私に衝撃を与えた作品だった。この人の文章は特に最初の一文が忘れられない。心を奪われた香水のトップノートさながらに。


今年5月、『薮の中』を初めて読む。これは究極のミステリーである。これは映画になるなと思ったら、やはり国内外の映画に影響を与えていた。次いで『羅生門』。これは結びの文章が忘れられなかった。


そして先月。『文豪Aの時代錯誤な推理』を読む。彼が1927724日には他界せず、タイムスリップして2018年の現代によみがえるという設定から始まるお話である。


最初に一読したときの私は、まだ『河童』も『或る阿呆の一生』も読んでいなかったので、わからない部分がむしろファンタジーに思えた。


しかし、『河童』も『或る阿呆の一生』も読んだ後となると、色濃くミステリーが漂ってくる。もはや視点は複雑である。再読せずにはいられない。


これからも芥川の作品を一つ読むたびにそうしたくなるのだろう。文豪A。彼がもしもっと長く生きていたら? 彼のような人が現代に生きていたら?


芥川は並外れて嗅覚が敏感という意識を自覚していたに違いない、と気付く。彼の文章からは様々な匂いがする。彼自身による細かな匂いの描写も多い。『河童』や『玄鶴山房』…を読めばわかる。


『文豪Aの時代錯誤な推理』。

こちらも結びの文章が『羅生門』のごとく忘れられない。

ここまで私に芥川を振り返らせてくれた作品に感謝する。

1927年の彼の鋭利な危機感を、現代人こそ再考する必要があるのではないか。



東京にて、sawaroma より。


2018年7月21日土曜日

アプリコットカラーの花びら・その薔薇の名はカルピディーム




カルピディーム

"Carpe diem" (Latin), 

it means "Seize the day".


ラテン語の意味は「その日を掴めよ」。

すなわち「その日を生きよ」、

「(かけがえのない)今日を生きよ」となるでしょうか。




あまりの暑さに空気さえ液体のように見えかけていたとき

通りかかった花屋からこの素敵な色の薔薇が目に入り

一気に涼しい風を想像。






波打つ曲面が重なる花びら。

淡いオレンジから透けるように繊細なピンクへのグラデーション。

そっと鼻を近づけると 絶妙に淡く優しい香り。

その心地良さに

吸い込まれそうな感触に浸りました。



東京にて、sawaroma より。


2018年7月20日金曜日

潮風の香りから・Un Air de Bretagne と Aqva Divina




夏の昼下がり、横浜からシーバスで約30分。山下公園まで。

軽く波しぶきを受けながら

太陽の光にきらめく潮風の匂いを感じました。





思い起こした2つのフレグランス。

一つは潮風の風景のきらめきとの一体感を楽しめる

Un Air de Bretagne》。

そして、海から生まれたヴィーナスを彷彿とさせる

Aqva Divina / Bvlgari》。






2017年発売の

『ラルチザンパフューム

アン エール ブルターニュ』。

ブルターニュ海岸から波が伝える

ウォータリーな香り。

波しぶきのヴィジュアルに魅かれて。

https://www.latelierdesparfums.jp/un-air-de-bretagne-edp-spray-100ml?gclid=CjwKCAjw7cDaBRBtEiwAsxprXVjGQvRWYHAx2KbGuNrk3FS3BMNCKejXCyBAR4OdJHdcVT64EysU8xoCH_EQAvD_BwE


Un Air de Bretagne/ Lartisan Parfumeura été lancé en 2017.

Arôme aquatique de la côte bretonne.

Le visuel des vagues est attrayant pour moi.

https://www.artisanparfumeur.fr/nos-parfums/un-air-de-bretagne-lp.html






2015年発売の『ブルガリ アクア ディヴィーナ』。

ソルティベルガモットとジンジャーのトップノート、

マグノリアとマルメロのハートノート、

ドライダウンはアンバー、蜜蝋。


Aqva Divina / Bvlgaria été lancé en 2015.

Les notes de tête sont Bergamote, Sel et Gingembre;

les notes de coeur sont Magnolia et Coing; 

les notes de fond sont Notes boisées, Ambre et Cire d'abeille.


Bulgari Aqva Divina・ウォータリー フローラルの香り

2015,2,24   sawaroma 

http://sawaroma.blogspot.com/2015/02/bulgari-aqva-divina_24.html



東京にて、sawaroma より。

écrit par SAWAROMA à Tokyo.



2018年7月17日火曜日

海風に揺れるバラの香り~ ÉCUME DE ROSE 2018




Écume de Rose(エキューム ・ド・ローズ)という名のその香りは、パルファン・ロジーヌというブランドのもの。エキュームとは、海面などの泡を意味するフランス語女性名詞。かつてこの香りを気に入って選んだとき、私がイメージしたのは海の泡のような繊細な花でした。軽やかな海風にゆられて、一瞬見えたと思ったらあっという間に消えて再び波の音と共にしなやかにすがたを現すそんな印象です。


白ブラウスとEcume de Rose

2011,1,18  sawaroma 

http://sawaroma.blogspot.com/2011/01/ecume-de-rose.html


2002年に発売され、程なく当時の私のお気に入りの一つになったこの香り。ブルーの風に揺れる涼やかなバラのイメージとして記憶に刻まれていました。いつのまにかロジーヌのラインナップから消えて寂しく思っていたのですが、今年6月にさらに透明感に磨きがかかり再デビュー。先日新宿伊勢丹にて試してみました。まさにこの、軽やかながらも奥深い優美さ。新しいヴィジュアルもブルーに包まれています。



(画像提供 株式会社フォルテ)


パルファン・ロジーヌ パリ(フォルテ)

http://www.forte-tyo.co.jp/brands/rosine/index.html


ÉCUME DE ROSE   LES PARFUMS DE ROSINE (en français )

http://www.les-parfums-de-rosine.com/index.php?id_product=18&controller=product&id_lang=1



2018年ヴァージョンの香りでさらに気分がリラックスできそうです。

爽やかな海風、さらさらとした砂の感触、流れる光、柔らかな花の息遣い。

私の記憶の中に確かな安らぎを持つこの香りは

時々、一人で知らない場所へ遠出するときにも纏いたくなるかもしれません。



6/15より発売されたÉCUME DE ROSE 2018。

現在こちらでお取扱いされているそうです。


伊勢丹新宿店1F

銀座三越B1F

阪急うめだ本店2F

岩田屋本店1F

京王百貨店新宿店1F

仙台三越1F

大阪タカシマヤ1F

あべのハルカス近鉄本店2F

forte オンラインストア

(情報提供 株式会社フォルテ)



東京にて、sawaroma より。

écrit par SAWAROMA à Tokyo.



2018年7月15日日曜日

PARIS - DEAUVILLE の非日常感/LES EAUX DE CHANEL




毎日衣服を着るように私は香りを纏う。まずは自分のために。一人で過ごすときも、外出するかしないかにも関わらず。一日を心地よく、新たな発見に出逢うために。香りが強すぎて支障になることはない。そんな纏い方はできない。香り方は纏う人間次第なのだから。


さほど広くもなく天井も高くない自宅で過ごすときは特に、鼻から遠く、衣服に覆われ、かつ体温の高いウエスト周辺と足首の皮膚にオードトワレを一拭きずつ。じっとしていれば香りをつけたことなど忘れるほど微かなBGMである。ふと立ち上がったり歩いたりした瞬間にふわり漂う。このような纏い方で日々様々なフレグランスと自分の皮膚とが醸し出す香り方を試し、外出時の装いに活かす。


香りを纏うこと自体は私にとって日常であり、特別なことではない。いくつかお気に入りのフレグランスもあるが、同じような香りばかりでは自分にとっての非日常感が薄れて馴染みすぎてしまう。日々自分は違うというのに。そういう気分になるとあえて何も纏わずに数時間過ごしてみる。すると生々しく自分の生き物としての代謝によるにおいを目の当たりにする。やはり何か装いたくなる。



Image de 3 types de parfum imprimé sur du papier de texture souple. 

柔らかな肌理の紙に印刷された3つの香りのイメージ。


この6月に発売された「シャネルの水」こと「レ ゾー ドゥ シャネル」は3種類。気に入ったものがあれば一つサンプルを頂けるというので少し考えた。どれも夏という季節に気分をポジティブにしてくれるものばかり。水のごとく軽やかでありながらも洗練された香り方を期待。

香りの第一印象では

PARIS - DEAUVILLEには、非日常的な空気感。

PARIS - VENISEには、幻想的な柔らかさ。

PARIS - BIARRITZには、鮮烈な透明感。

いずれも魅力的ではあったものの、今回はPARIS - DEAUVILLE を選んでみる。




香りだけが理由ではない。ドーヴィルは私の記憶の中では、ある映画の舞台であり海辺の風景だったが、香りにはそのイメージが見事に裏切られた。他の2箇所はその地のイメージに近い香りだったというのに。そんな意外性を秘めたドーヴィルの香り。バジルの緑っぽさが少なからずマスキュリンな印象を感じさせるのかもしれないが。いや、そんなに単純な香りではない。私はここ数日、先に説明したような纏い方でこの香りを楽しんでいるが、自分から少しひんやりと清々しい風が吹き抜けていくようだ。その清々しさにジェンダーの区別など無い。これはいわゆる従来のフレグランス、というものの概念を超えた香り方。




ゾー ドゥ シャネル

https://www.chanel.com/ja_JP/fragrance-beauty/fragrance/c/les-eaux-de-chanel.html#/home


Les Eaux de Chanel

https://www.chanel.com/fr_FR/parfums-beaute/parfums/c/les-eaux-de-chanel.html#/home



東京にて、sawaroma より。

écrit par SAWAROMA à Tokyo.


2018年7月14日土曜日

6枚の花びら、深緑の瞳・Ornithogalum




「オーニソガラム」

Ornithogalum


新たな植物の存在を知りました。

7月の私の目に涼を感じさせてくれた花。




フレッシュなライトグリーンの蕾から……星のように6枚の白い花びらが拡がり、中央には瞳のような深い緑の雌蕊、そしてこれを囲む6点の雄蕊。小さな花なのですが、花びらは蕾のグリーンから白への絶妙な色を映し、雄蕊からこぼれた金色の微粉がキラキラと輝いています。蕾から弾けて四方へと咲き拡がるその姿に眼を奪われたのでした。


花びらにそっと鼻を近づけてみました。

やさしいグリーンフローラルを感じます。

こちらから嗅ぎに行って初めて感じられる控えめな香り方。


花の形から調べてみると、

Ornithogalum arabicum

にも似ていますが

Ornithogalum saundersiae 

の花びらの形や雄蕊の色の方が近いかもしれません。


花屋では「オーニソガラム」という名前を教えていただきました。


小さな星のような白い花が集まったかたち。

眺めるだけでも涼し気な気品が伝わってきます。


こちらは英語による記事。この植物の素晴らしい写真が満載です。

Ornithogalum: the must-have garden plant you didnt know about

Mar 07, 2017    FARMER GRACY

https://www.farmergracy.co.uk/blogs/farmer-gracys-blog/ornithogalum-the-must-have-garden-plant-you-didn-t-know-about



東京にて、sawaroma より。