2011年10月16日日曜日

カトリーヌ・ドヌーヴと薔薇の香り

毎月の薔薇に関する連載 のため、資料を探していたら、2004年3月来日講演を行ったジャン-ポール・ゲラン氏(1828年フランスにて創業の香水ブランド「ゲラン」4代目調香師)の言葉を綴った手帳に再会。

メモを頼りに彼の言葉を補って再現してみます。

…"Benjamin"(1968:邦題 「めざめ」)という映画をみて、鳥籠に閉じ込められている美しい女性に眼を留めた…そのひとは女優カトリーヌ・ドヌーヴ。この女性のイメージに着想を得て私は香水"Nahèma"(ナエマ)を創作した。
…「ナエマ」(1979年)は、薔薇への賛辞。最も美しい香り。非常に高価な薔薇の香料をたくさん使用した。多く売れたわけではないが今でもナエマファンは根強く残っている。…

「ナエマ」は8年間の長きにわたり数百回の試作を経て完成されたということですが、それほどまでにこの調香師の創作への情熱に火をつけた女優の存在に改めて興味を深めました。

カトリーヌ・ドヌーヴはもちろんフランス映画界を代表する女優の1人でもありますが、ファッションデザイナー、イヴ・サンローランの顧客としても有名であり、多くの美のクリエイターたちの創作へのインスピレーションに貢献したことと想像します。そんな視点をもって彼女の出演作を鑑賞し直すのも楽しいはず。初期の代表作「シェルブールの雨傘」のあの甘美で切ない音楽は今でもよくおぼえています。

薔薇「カトリーヌ・ドヌーヴ」。フランス女優の名前をもつ薔薇。しっとりと華やかです。

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