2013年11月30日土曜日

オレンジに映える黄金の液体・Limited Editions by Hermes


ゆるやかに波打つスクエア(24 Faubourg)。
小首を傾げた球体(Eau des Merveilles)。
アールデコを思わせる直方体(Terre d'Hermes)。

エルメスの人気3香から
今年も限定版がデビュー。

Limited Editions by Hermes
11/27/13 06:48:02
By: Sandra Raičević Petrović


香りはもちろん
ボトルデザインもリミテッド。
オレンジのエルメスカラーにひときわ映える黄金の液体。
歓喜の笑顔を誘います。

使用されている香料データから…
白や黄の花々の競演…
スミレとモスのなめらかな温もり…
ゼラニウムやベンソインの甘い優しさ…
いずれもオリジナルの魅力に加えて
新たにマジカルな光を放っています。

私もそういえば過去のリミテッドを一つ
宝物のように持っていました。
新月に・春の光香る・EAU CLAIRE DES MERVEILLES

2013年11月28日木曜日

温かなギターと柔らかなヴァイオリンのデュオ・mille baisers(ミルベゼ)

探していた音に出逢えました。

温かなギターと柔らかなヴァイオリン。
誕生して間もないこのデュオの名前は
mille baisers

知人で音楽プロデューサーである菰口賢一さん 主催の今年のボジョレーの会に参加したところ、mille baisersのお二人が登場。
高円寺駅前の路上で演奏していたお二人の音楽に
足をとめられたという菰口さんに誘われてのご参加。

"mille baisers"
(フランス語直訳は「1000回のキス」、
手紙の終わりに記される「心を込めて」)
というタイトルの曲を1曲聴き…
満面の笑顔で柔らかな音色を奏でる横山さんのヴァイオリンと
たたみかけるように人の温かな気持ちを紡ぐ小久保さんのギター
たちまち魅かれてしまい
その場でこのCDアルバムを購入してしまいました。


誕生月に出逢えた、何よりの音楽。

先日…
「シナモン♪」でも書いていたように
なんとなくアコースティックなギターが聴きたいと思っていましたし
「立冬・半年先の新しい香りと映画の中のブルーと」で挙げた映画の中のミシェル・ルグランによる哀愁と愛情の温もりに満ちた音楽に包まれたいと思っていたら…というタイミング。

mille baisers(ミルベゼ)さんは
明日11月29日にも池袋でライブを開催されるそうです。
益々のご活躍に期待。

2013年11月27日水曜日

ブランドを伝える今年の8香・鑑賞講義より


担当講義「ファッションとアロマ」後期9回目。
(文化学園大学 現代文化学部 国際ファッション文化学科)

8回目まで、アロマテラピーのみならず香水原料としても重要な天然香料20数種類を丁寧に鑑賞、言葉やヴィジュアルで表現する訓練を積みながら各香料の背景知識を得てきた学生たち。彼らに今年日本で発売されたフレグランスのうち主にファッションブランドのものをセレクトし、ネーミング、ヴィジュアル表現の解説後に香り鑑賞の機会を提供。

今年の選択のポイントは「ブランドを伝える」。

50年以上のブランドの歴史をもつフランスのレペットが初のフレグランスを発売したり、メルセデス・ベンツが女性向けの初フレグランスをデビューさせる意味は、
より広く深く、ブランド認知を高めようとする心意気の現れに他ならない。

イッセイ ミヤケにしても代表的なプリーツプリーズ誕生20周年目の今年にこの名のフレグランスを誕生させているし、ジバンシィも1970年代に熱狂的支持を得たという「ジバンシィ ジェントルマン」(1975)を受け、現代のジェントルマンの新解釈として「ジバンシィ ジェントルマン オンリー」をデビューさせている。

クロエも2008年からの香りの表現の中心を成してきたローズにフォーカスし、これまでの香りとともにクロエフレグランス、クロエブランドを強調。

ポール・スミスはデザイナーであるポール自身の私的な世界をこれまでにないほどに表現した香りを時間をかけてプロデュース、フェンディはブランド発祥の地、ローマという原点を軸に赤をテーマとした香りを掲げている。

8点について
私がsawaroma記事で綴ってきたものを以下に貼る。

1,パルファム プリーツプリーズ イッセイ ミヤケ オードトワレ
2013年1月30日全国発売
「視覚から嗅覚への再構築・革新的デザイナーブランドの新香水」

2,ジバンシィ ジェントルマン オンリー オーデトワレ
2013年5月2日全国発売
「"Gentlemen Only"(Givenchy) と"Midnight in Paris"(Van Cleef & Arpels)」

3,メルセデス・ベンツ フォーウィメン オードパルファム
2013年6月5日発売
「現代を軽やかに疾走する女性へ・メルセデス・ベンツ フォー ウィメン」

4,レペット オードトワレ
2013年8月21日発売
「1947年創業『repetto』初のフレグランスが今夏デビュー」
「" Elegance is all " ・繊細なオーラを描くレペットの香り」

5,ローズ ド・クロエ オードトワレ
2013年9月4日発売
「薔薇の優しさにつつまれて・Chloé 新フレグランス発表会」
「ダマスクローズの気品が優しく香る " ROSES DE Chloé "」

6,パルファム プリーツプリーズ イッセイ ミヤケ オードパルファム
2013年9月18日発売
「紫のボトルと香料に魅かれて・Issey Miyake Pleats Please Eau de Parfum 2013」

7,ポール・スミス ポートレートフォーウィメン オードパルファム
2013年10月23日発売
「"Portrait " (Paul Smith )・香るたび、ポートレート」

8,フェンディ アクアロッサ オーデパルファム
2013年10月25日発売
「Fendi L’Acquarossa・生命力と揺るぎない芯を秘めた赤」

学生によるレポートを一読。
香りを伝えるヴィジュアル、言葉での表現の重要性を実感していることがよくわかる。さらに、9月からこの講義を受け始めたときよりも格段に彼らの香りを言葉で表現する力が高まっていることを感じられる。
35名の学生の感じ方は様々。どの8種にも「これが一番好き、印象的」というコメントがある。香りから具体的な人・場所・時間もイメージできている。
8種という比較の上でわかることも多い。
日本、フランス、ドイツ、イギリス、イタリアの名だたるブランドが香りを通じてブランド固有の価値を伝える表現にどれほど創造力を尽くしているか、そのリアルな実感は必要だろう。

2013年11月24日日曜日

創刊80年〜"VOTRE BEAUTÉ" 美をどこまで美しく追求できるか


フランスの美容雑誌"VOTRE BEAUTÉ"最新号のニュース

クリスマス、新年号らしく
白・黒・赤の表紙。
今回は香水特集として
"Parfums : une sensualité nouvelle vague"
まあ、意訳して
「いまだかつてない、新たな官能性」
とでもしておきます。
少なくとも
この記事だけでもじっくりと読まなければ!

この雑誌と出会ったのはかれこれ20数年前。
香水に関してエッセイを書くことになり、
ならばフランスメディアから情報を…と探し
誌面の充実ぶりに一目惚れして購入、
宝物のように持ち帰りました。

以来、フランス語を専攻していた大学時代よりも
この雑誌のために私は辞書を手にすることが増えました。
一時は毎月購入していました。
すべて保管しており、
ファッションやフレグランスに関わる仕事に携わる今となっては
貴重な資料の山。
1993年に創刊60周年を迎えた記念号もあり…
ということは、と
今年で80周年。
最近は以前よりも薄くサイズも小さめにハンディになっています。

化粧品や美容情報はもちろん
香水に関する記事も非常に面白く深いこのメディア。
これからも進化し続けて欲しいもの。

11月20日の記事で編集長が発表したのは
「2014年、"VOTRE BEAUTÉ"は変わります!」
さらに充実したシックな内容を隔月刊として提供されるとか。
楽しみです。

美というのは極めて抽象的で個人的な概念ですが
あらかじめレッテル付けされたりお墨付きされたりしたものではなく
一人ひとりの読者の心にそれぞれの美を喚起させ、磨きたいと思わせる
そんな豊かで潔くて辛口なメディアであり続けてほしいと思います。



2013年11月23日土曜日

「ロマンティック・バレエ」から見る19世紀


19世紀「ロマンティック・バレエ」時代をテーマにした日本初の展覧会・11/9よりにてご紹介の展覧会拝見。

バレエを通じ
主にフランス19世紀の歴史背景に思いを馳せた時間となりました。

イタリアで生まれ、フランスで開花し、ロシアで成熟したバレエ。
開花期のバレエ、ロマンティック・バレエが成立したと言われるのは
1789年フランス革命後の最も不安定な時代であり
1830年七月革命と1848年二月革命の間約20年間が黄金期。


ロマン主義の形容詞にあたる
ロマンティック(仏語: romantique 英語: romantic)とは
もとは古代ローマのラテン語とラテン語で書かれた書物を表す言葉。
ロマン主義の根底にあるのは
古典主義で軽視されてきた
人間の独自性や感情、民族文化の尊重、自然への共感。
バレエにおいては
夢、幻想、妖精、妖怪といった形でも表現されたり
異国情緒あふれる民族衣装を生かした作品も生まれています。

なるほど
つま先立ちのトゥシューズも
ふわりとしたチュチュも
そうした表現から生まれたものと納得。
この世のものとは思えない妖精のような佇まい。

ロマン主義文学、美術、音楽が開花した19世紀とは
フランス革命、イギリスの産業革命といった
人間社会や技術そのものが旧来とは一変した時代。
社会が大きく変わるとき
新しい芸術が生まれ…
結果として
バレエもその影響を大きく受けています。
ひとつひとつの版画をながめながら
私の場合は
まずはその衣装からそうした背景を感じました。

印象的な版画4枚のポストカード。


右上は、カルロッタ・グリジによる『ジゼル』。
左上は、わずか数回しか上演が実現しなかったという
4大スターによる『パ・ド・カトル』。
左下は、マリー・タリオーニによる『ラ・シルフィード』。
いずれも幻想的な妖精の世界。
一方、右下は
『松葉杖の悪魔』の中で「カチュチャ」を踊るファニー・エルスラー。
情熱的で地上的、官能的な踊り手で
マリー・タリオーニと人気を二分したそうです。
会場では、このファニー・エルスラーの着ている
衣装が再現されたドレスも展示。
赤系と黒の組合せは異国情緒を感じさせます。

本日は、展覧会監修者であり舞踊研究家の芳賀直子さんによる
興味深いエピソードたっぷりのギャラリートークをききながら
作品鑑賞を楽しむことができました。
12/7も同時刻に芳賀さんのトークを聴くことができます。
お話を聴くと鑑賞が何倍も楽しくなるでしょう。

鑑賞されている方々からふわりフワリと様々な香りが立ち…
その中にはあの、バレエから誕生したブランド、
レペットのフレグランスも感じられ…
優雅なひと時でした。



参考文献
展覧会図録
ロマンティック・バレエの世界 妖精になったバレリーナ
編集・発行 株式会社ニュー・オータニ ニューオータニ美術館



2013年11月22日金曜日

シナモン♪

シナモン。

特にこれからの季節は
必需スパイスになりそうです。
私は一年中常備しています。

林檎を煮るとき
薩摩芋を煮るとき
温かいワイン(vin choud)にはシナモンスティック
ヴァニラアイスクリームにはシナモンパウダー
………。

そういえばある昔のフランス映画で…。
自宅を初めて訪れた恋人のために
最初は珈琲を用意しようとしたものの
ストックが無く
ミュージシャンの彼は彼女にこう言います。

"…j'ai fait du vin chaud. Alors,j'ai mis un peu de…
enfin de la cannelle, des clous de gilofles…
Ça va te réchauffer ça!…"
(『L'Étudiante』1988 より)
「…温かいワインをつくったよ。
少しシナモンとクローブも入れて。
あったまるよ。」

冬の夜に
こんなおもてなしがさり気なく出来るのは素敵。

そして
ダカーポ マガジンワールド
TOTOSK KITCHEN
Vol.20 クローブ
シナモンのお豆たっぷりスープと
メキシカンスパイシーソース
(2013,11,20 中野エリさんの記事)

には一段と美味しそうなお料理が。

シナモンの
甘く温かく神秘的な香りを思い起こしていたら
なんとなく
アコースティックギターの音色を聴きたくなりました。
何故なのかはわかりません。

2013年11月20日水曜日

ラベンダー&イランイラン…個性の組合せで空間に抽象を描く・2

何の香りであるとか
何をしたかなんてわからなくていい、
感受する人のイメージごとに心地良い…

ジュニパー&ゼラニウム…個性の組合せで空間に抽象を描くで書いたフレーズです。

今回は
全く異なる花の香りである
ラベンダーとイランイラン、
この2種の精油をブレンドして
さらに精油濃度1%程度に希釈しました。

きっかけは
「イランイランの独特な香りがどうしても苦手」
という方のお話です。

魅力を伝えられたら、と考えました。

イランイランの花精油は
南国のあたたかい光に溶け込むような甘美な香りですが
人によってはその個性が重く強く感じられることもあるようです。

イランイランとは全く異なる環境、
高緯度で比較的涼しい高地の乾燥した地域に育つ
ラベンダーの清涼感を合わせてみます。
清涼感といえどもラベンダーは極めて複雑な香り。
複雑で濃厚な個性を発散させるイランイランに
どう調和するでしょうか。

ブレンド制作して2日後。

就寝前に寝室のベッドの上で
天井に向かって3回スプレー。
一瞬…
やわらかな花のぬくもりが舞いました。
気がつくといつのまにか香りは透明に…。
重さやしつこさなど全くありません。
あたりには上品な気配が漂うのみ。

しばらくして
イランイランもラベンダーもその香りをよく知る家人が
室内に入ってきましたが
特に香りに気付く気配はありません。
いつもよりもすやすや眠ったということ以外
何も変わりない日常でした。

香りの存在自体に気づかれなくてもよいのです。
空気に心地良さだけが残れば。


2013年11月17日日曜日

山下公園〜KAAT〜横浜中華街


みなとみらい線「元町・中華街」駅から
山下公園へ歩く。

ちょうどお昼頃。
快晴の空に銀杏の木。



海風を感じながら
ホテル ニュー・グランドの傍を通り過ぎ
神奈川芸術劇場(KAAT) へ。高さ約30mの開放的な空間が広がる劇場へのエントランス。


大スタジオで鑑賞した『唐版 滝の白糸』には大満足。
奥深いセリフや繊細な表情…
人間の動きや息遣いが最大限生かされる
この空間自体も素晴らしい。

劇場を出ると
「今日は何日?ここは何処?」
のような感覚に落ちるのが楽しい。

夕暮れの中華街。
さまざまなにおいの誘惑。


四川料理のお店へ。

ツヤツヤ緑色、豆苗の炒め物は
豆の若い香ばしさがシャキシャキ。
花椒の痺れる感覚をトップノートに
辛味、芳香のバランスが嬉しい麻婆豆腐。



晩秋の夕暮れにしては
さほど寒くもなく
穏やかな
大安吉日の土曜日。
結婚式帰りの人達で賑わう駅を後に帰京。

2013年11月14日木曜日

「薔薇を求める者はその棘を敬わなければならない…ペルシャの諺より」

オーストリアのファッションデザイナー
Lena Hosche が初めてフレグランスを発売するというニュース。

Lena Hosche Loverose
11/12/13 12:14:42
By: Sanja Pekic


ブランドから初のフレグランスが発売されるということは
香りによって
そのブランドを
もっと広くもっと多くの人に伝えたいという
思いあってのことだろう。
もしくは
よりそのブランドのコアなファンに刺激を届けるためか。

初めてのフレグランスのテーマに選ばれたのは薔薇。
ただし、薔薇は薔薇でもありがちな甘くフローラルな香りではないという。

ボトル写真の下にはこんな一文が。
"He who wants the Rose must respect the Thorn."—Persian proverb.

私はこのようなペルシャの諺(ことわざ)を初めて知ったので
どのような意味が込められているのかは正確にはわからない。

直訳は
「薔薇を求める者はその棘を敬わなければならない」
なるほどと思う。
古代薔薇のふるさとかもしれないペルシャならではの視点。

棘あっての薔薇。

薔薇の香りから何を感じるか。
そこには甘美な風景や音楽もあれば
誤って触れてしまえば
危険な扉も見えたりする。
だからこそ誘惑的で
距離を置かなければ
吸い込まれてしまいそう…
確かにそんなことを感じる一瞬があるからこそ
香りの女王とよばれるゆえんなのかもしれない。
共に調香される香料によって
優しさや華やかさはもちろん
危険な魅力も引き出されてしまう。
一色ではない
複雑な花の命の魅力。



2013年11月13日水曜日

バジリコのクルトンで香らせるスープ

バゲットが焼きあがる頃を見計らって…いつものお店へ。

墨繪のパン を見渡すと、目にとまったのがこの、バジリコのクルトン。


バジリコ、ローズマリー、タイムの風味豊か。
もうこれは
クルトン以前にそのまま食べても美味しそう。

予想通りの美味しさ。
さっさとスープを作らないと
クルトンの役割も果たさずになくなってしまいそう。

スープはあっさりコンソメベース。ゲラントの塩をひとつまみ。
タマネギ、ジャガイモ、ピーマン、ポークソーセージ、レタスなどを
ザクザク刻んでマジョラム少々も入れて煮込みました。


この熱々のスープに
3種ハーブの香りあふれるクルトンを散らしました。
あっという間に4種ハーブの香りが立ちのぼる美味しさに。

焼きたてのバゲットは
ナイフなんて使わずに
手でざっくりちぎって
スープとカマンベールとで。

気楽な平日の夕食。


香水と映画


香水と映画。
この二つのために
今も私は
母国語でないフランス語を日々
辞書をつかってまで読もうとしたり聴き取ろうとしている。

香水と映画。
トップノートで鮮烈な風景が遠くまで見渡せる奥行きを感じさせるか。
ラストノートで絶妙なバランスで記憶に響く余韻を聴かせるか。
冒頭とラストのシーンが忘れられない映画は多分一生好きだと思う。

香水と映画。
お気に入りの香水には共通の香料が使われていることに
ある日ふと気づく。
ある映画で忘れられなくなった役者を探して
その名前が刻まれた映画を見続けるように。

香水と映画。
誰のものでもない自分のお気に入りに浸る喜び。
どう生きたところで苦しみや悲しみからは逃れられない中で
想像力によって生きる喜びを感じさせてくれる
この二つの芸術に心から感謝をこめて。


2013年11月10日日曜日

オムニア・香りの宝石


オムニア 。半円がふたつ重なったかたちのボトル。

シルバーホワイト、アメジスト、コーラル…。
今年は淡いピンク色の新作もデビュー。

見えない宝石のようなオーラを纏えるのかもしれない。
であるならば透明感は欠かせないし
光沢感をイメージさせるユニークなインパクトも。

そんなオムニアの
透き通った紫色のアメジストを贈られた。
オムニアのカラーの中では
選んだ人の感覚から
私のイメージに近いものだったそうで。

この色は私が眺めて安らぐ色。
香りのタイプもフローラル・ウッディ、
私の好きな花の香りがハートノートに調香されている。

このオムニアのユニークなインパクトを
いつ、どんなふうに感じられるのか…
しばらく身につけて楽しみたいと思う。


2013年11月9日土曜日

青の陰翳・Comme des Garçon Blue Invasion Collection 〜とある映画の色


夏に注目していた
「青」の魅惑・Comme des Garçon Blue Invasion Collection

秋の乾いた空気で香りを試した。

迷路のようなコムデギャルソンの店内で
BLUE ENCENS
BLUE CEDRAT
BLUE SANTAL
3種それぞれひと拭きを専用の試香紙に。

第一印象はまさにネーミングの通りに香り立つ。

ENCENSはクールなインセンス。
冬の冷たい風に似合う。
奥のほうに浮遊するような空気が見えた。

CEDRATはかき鳴らしたギターからこぼれるような残響。
シャープでビター。遠くに切なさ。
イタリアンレモンとヴァージニアシダーの変身。

SANTALはあたたかなサンダルウッド。
パインやジュニパーベリー、ブラックペパーのドライなビター感が
サンダルウッドの甘さや滑らかさを引き出している。

ノートに3枚挟んで1日目。

ボトルの青色面積が最も広い
BLUE ENCENS から
柔らかな甘さが温もっている。

BLUE CEDRATはBLUE ENCENSに比べて香りが弱い。
いちばん早くフェイドアウトしつつあったのは
BLUE SANTALのように感じて
この余韻がボトルの青の面積と関係があるような気がしてくる。

青の秘密。
個性と個性の融合が生む陰翳と衝撃。
衝撃は最初のインパクト、
陰翳はいつまで神秘的にわからないまま存在する。

コムデギャルソンの青の香りからそんなことを感じていたら
思い起こしたフランス映画『ベティ・ブルー』(原題: 37°2 le matin)。
原題にはない「ブルー」がなぜ英題や邦題に使われたのか。
それはわからないけれど、ポスターの色が衝撃的な青だった。
激しくもミステリアス、どこまでも続く果てしない海…
そんな青を全面に用いたこのポスターで
私はこの映画の雰囲気を一目で感じてしまったことを今でも忘れない。

2013年11月7日木曜日

立冬・半年先の新しい香りと映画の中のブルーと

今日は立冬。
風とともに舞う紅葉の最盛期でもあります。

ちょうど半年先が立夏。
半年先のニュースが描かれることに元気をもらいます。

Mercedes-Benz L`Eau and Mercedes-Benz Sport

鮮やかなブルー。初夏のスカイブルー、マリンブルー。
アイスピンクの花びらに彩られたフレッシュで爽やかなフェミニティ。

現代を軽やかに疾走する女性へ・メルセデス・ベンツ フォー ウィメンのオードパルファムを原点とした爽やかなオードトワレや、メンズフレグランスのスポーツタイプ。こうして原点の香りを基軸にいくつかのヴァージョンを創っていくのも、原点への愛着が高まるきっかけとなることでしょう。

これから冬になろうというのに
夏のことを想像して笑顔になれるのも
人のイメージできる力ゆえ。

ゆうべ観た映画の中の青い海の色を思い起こしました。
もう23年も前のフランス映画 "GASPARD et ROBINSON"。
邦題『ガスパール〜君と過ごした季節』。

ガスパールとロバンソンの二人が
なんとこのロケーションに似合うことか。

南フランスの初夏の光のせいか
海も空も土も色が抜群に美しく…。
愛する者に絶対的拒絶を受けるという
厳しい悲しみを背負いながらも
未来を見て生きていく人たちの深く繊細な哀愁が
ミシュル・ルグランの音楽、ジプシー音楽の調べとともに
心に深く残りました。

冬という
生きる者にとって厳しい季節を迎えるからこそ
夏の色は眩しくて。

2013年11月5日火曜日

ジュニパー&ゼラニウム…個性の組合せで空間に抽象を描く

霜月はじまり数日後は立冬。
この時期になると作る香りがあります。

急に寒くなってきて空気が乾燥してくると
室内の空気の状態には特に敏感になってきます。

自宅空間をさりげなく心地よい状態に香らせるために
2種の精油、ジュニパー&ゼラニウムのブレンドを
さらに1%程度に希釈したエアフレッシュナー。

森林浴のようなすがすがしさをジュニパーに
フローラルな柔らかさをゼラニウムに。
両者の個性を組合せてさらに薄めて拡散すると
どことなく
光がキラキラと漂うような抽象的なイメージだけが
フワリ香ったかと思うと消えていきます。

何の香りであるとか
何をしたかなんてわからなくていい、
感受する人のイメージごとに心地良い。
それは私がかつて、空間を香らせるエレガンスで書いたとおりです。

ハードスケジュールで疲労困憊、
昨夜から寝込んでしまった家人の部屋にも数回シュッシュ。
いまはスヤスヤ眠っています。

私自身は
ビターな熱さ・ジュニパーで書いたとおりこの精油のシャープな香りはもちろんのこと、色濃く植物の陰影を感じさせるゼラニウムの奥深さも大好きですが、これら強烈な個性の組合せから生まれる、はかなくもデリケートで抽象的なイメージにも魅かれています。

2013年11月3日日曜日

19世紀「ロマンティック・バレエ」時代をテーマにした日本初の展覧会・11/9より


『ディアギレフとバレエ・リュスの世界』・芳賀直子氏講演録〜記憶に刻まれた『薔薇の精』以来、芸術としてのバレエの世界に魅了されています。芳賀さんとはその後お会いしてお話する中で、楽しそうな展覧会が実施されるときにぜひお声がけくださいとお願いしていました。

そして…先日ご案内いただいたのは
ロマンティック・バレエの世界 妖精になったバレリーナ(ニューオータニ美術館)




展覧会の監修をつとめられた芳賀さんは
ギャラリートーク(11/23,12/7の2回)も担当されます。

…ルネサンス期にイタリア貴族の宴での踊りから始まったバレエは
フランス王アンリ2世の妃となったカトリーヌ・ド・メディシスにより
フランス宮廷に持ち込まれ、ルイ14世はこれに熱中。
自らダンサーとして出演、1713年にバレエ学校を設立したそうです。
ロマンティック・バレエが成立したのはフランス革命後の不安定な時代で
テーマは、当時のロマン主義文学とも深いかかわりもあったとか。
(…以下はチラシ裏面解説内容より)

まさにチュチュやトゥシューズが生まれた
19世紀「ロマンティック・バレエ」時代をテーマとした
日本初の展覧会ということで
当時の人気演目ごとの版画やスターの手紙、楽譜も展示されています。

バレエそのものの魅力はもちろん、
19世紀フランスの社会に息づく文学、美術、音楽、
そしてファッションが反映されているにちがいありません。

目に美しく楽しめる
知りたいことがより深まる…
素敵な展覧会です。

2013年11月1日金曜日

バゲット(baguette)とクロワサン(croissant)


夕刻。
仕事にひと区切りをつけて徒歩圏内へ。

徒歩圏内で焼きたてフランスパン・墨繪のお店の前を通りかかると、なんとバゲットがたくさん並べられています。

オープンから数日はすぐに行列ができていて、バゲットがなかなか買えなかったのに、これはチャンス!5時台に焼きたてに出会えるなんて。





ほの温かいバゲットと
発酵バターを使ってつくられたというクロワサン。

家に持ち帰ってテーブルに置くと
あまりに幸せな香ばしい香りに包まれたので思わず撮影。

バゲットでは、しっかりとした小麦の味が
外皮のパリパリ感と中身のもっちり感に反映されています。
クロワサンはフレッシュなバターの香りが軽やか、サクサク。
この2種が美味しいパン屋さんが近所にあるという嬉しさ。


バゲット(baguette)。女性名詞。
英語ではstick の意味。
「細い棒」「箸 」というのが本来の意味で
日本でフランスパンといえばこの棒状のパンがお馴染みですが
フランスではそもそもパンは最初から棒状だったわけではなく
丸いものが主流だったところ、ナポレオンが携帯食にと棒状に
させた…とかそんなエピソードをいつか本で読んだことを回想。

クロワサン(croissant)。
名詞としては他に「三日月」という意味がある男性名詞。
同じ綴りと発音で「増大していく 」という意味の形容詞。
(この意味をもつ動詞の現在分詞の形になるため)