2018年2月27日火曜日

今年の梅も満開・Le pétale est comme une rose.



今年も満開の梅。

花びらが薔薇のよう。


Cette année aussi, 

les fleurs de prunier sont en pleine floraison.

Le pétale est comme une rose.






はんなりと柔らかな芳香。とある調香師N先生のお話では、花は香りを発するのに物凄いエネルギーを使っているのだとか。そうですね。命を繋ぐために、命そのものを煌めかせているのですから。だからこそ、違う種の生き物である人間をも魅了するのかもしれません。

羽根木公園でのせたがや梅まつりは3/4まで。

http://setagaya-umematsuri.com



梅ヶ丘駅近辺から程近い

uneclef (ユヌクレ)

http://uneclef.com

で見つけた梅のクッキー。

表面にまぶされた紀州梅粉。梅の香り、ホロホロと。


J'ai trouvé un cookie aux prunes à uneclef.

http://uneclef.com

La poudre de prune est couverte sur la surface.





もうすぐ弥生3月です。



東京にて、sawaroma より。

écrit par SAWAROMA à Tokyo.


2018年2月26日月曜日

五美大展《Joint Graduation Exhibition of 5 Art Universities in Tokyo》より




At Joint Graduation Exhibition of 5 Art Universities in Tokyo》,

I will introduce 4 works remaining in my impression.


五美大展(東京五美術大学連合卒業・修了制作展)を国立新美術館にて 鑑賞。

印象に残った4作品 (立体2点と平面2 )をご紹介します。

http://www.tokyoartbeat.com/event/2018/CA51

展示は3/4まで。






『大猫行列』

女子美術大学

立体アート作品。

猫が約30体の大作。躍動感たっぷりのポーズ。

どの猫にも独特の表情があって面白い。

我が物顔の猫の行列から

猫に翻弄されている現代人をふと回想。








A MAN 

東京造形大学

彫刻。

作品の隣にいらした作者の菅原玄奨さん (大学院2年生)曰く

これは彼が継続的に取り組んでいる「現代人」の一つの抽出形。

美術評論家 飯盛希氏のブログで次のように紹介されています。

http://www.art-it.asia/u/ngmrsk/FGUXIWv3f2pZAbn4L9hC








Blooming

東京造形大学

余白に光を感じさせられ、魅きつけられました。

まるで花開く瞬間の香りの軌跡のようで。








『つめあわせ』

女子美術大学

まずはアイロニーを秘めたような色彩構成に興味を持って近づくと

現代の日常を遠景から眺めた時の一つの視野が浮き彫りとなりました。

改めて遠くから眺めると、タイトルに深い余韻。



全作品を鑑賞することはできなかったのですが

昨日1時間の中で心に留まった作品です。




…東京にて、sawaroma より。

…written by 《sawaroma 》at Tokyo.


2018年2月24日土曜日

世界らん展日本大賞2018・フレグランス部門受賞花より


昨日まで開催されていた、らん展。
《Grand Prix du Japon · 蘭 · International Orchid Festival 2018》qui a eu lieu jusqu'à hier.
世界らん展日本大賞2018 (Japan Grand Prix ・蘭・International Orchid Festival 2018) については、先月上記記事にてご紹介していました。

フレグランス部門で展示された花より、受賞花含む4点を写真とともにご紹介します。
Des fleurs exposées dans le département de parfumerie, je présente 4 comprenant des fleurs de récompense avec des photos.


V.coerulesens/K.H.E  
〈特別賞〉


繊細なフルーティーフローラル。かすかにベリーの甘み。
まだ少しひんやりとした空気の中で密かに目覚めた春の妖精を思わせるクールビューティー。そんな花の佇まいをそのまま香りにしたような、そのままフレグランスにしたくなってしまうような香りが印象的でした。


Den. treacherianum ‘Irago’



エキゾティックな懐かしさ。癖になる優しい甘さのパウダリー感。香りの印象はまさにこの色に調和しています。奥のほうに柔らかなスパイスを感じました。


Ency clia
corrigera alba
spring Grand



可憐な少女たちのお茶会。笑い声が聴こえてきそうなかわいらしい香りです。こちらも懐かしい甘さを感じますが。エキゾティックというよりもドリーミーな印象。花と葉の造形もユニークです。


春蘭(中国産)“白雲”
Cym.goeringii(China)
〈最優秀賞〉



淡い緑と白の花さながらに静謐なグリーンフローラル。静かな心でこの微細な香りの立ち方を聴いているとようやくかすかに幻のように感じられました。周りの凛とした葉の中にきらめく白い花のごとく。このような印象をそのまま実際のフレグランスに再現するのはかなり難関と想像しますが、静かでありながら一瞬に極上のきらめきを囁く香り方は貴重です。



フレグランス部門の展示だけで1時間近く滞在してしまいました。生花でこれほど多様な香りを楽しめるのは蘭ならではと感じます。高度に進化を続けるこの花の香りには、様々な他の花の香りの片鱗も想起させられました。この記事にてご紹介の4点は、特にその花の造形イメージの独自性に調和した特徴を感じられたものです。余韻に浸りたく…おみやげに、今年のらん展限定でつくられた資生堂のオリジナルフレグランスを入手して帰路につきました。


…東京にて、sawaroma より。
…écrit par 《sawaroma 》à Tokyo.

2018年2月22日木曜日

『さよなら、わるい夢たち』森晶麿 著 /Good-bye, bad dreams





一昨日、220日発売の最新刊です。

ネモフィラの花の丘が描かれた装画に光を感じ、「夢」以外が平仮名表記されたタイトル『さよなら、わるい夢たち』に深い決意と一筋の希望を感じて入手。

タイトルの英語訳は表紙の左端に記されています。“Good-bye, bad dreams

フランス語にするならば、私は Adieu,  mauvais rêves”と訳すでしょう。

再会を期待する“Au revoir ではなく、ピリオドとしての“Adieu“。





『さよなら、わるい夢たち』森晶麿 /朝日新聞出版

https://publications.asahi.com/ecs/detail/?item_id=19768


著者 森晶麿さん ブログ

https://ameblo.jp/millionmaro/

著者 森晶麿さん Twitter

@millionmaro 



装画  「雲の上は晴れ」石居麻耶

https://www.ishiimaya.com

石居麻耶さんブログ

https://www.ishiimaya.com



これから読まれる方のためにこの物語の具体的内容については触れませんが、私が一読後に改めて再考したくなった様々なことから、二つをご紹介します。

「女性の、本来人間として認められるべき表現の自由」

「一部の前時代的男性の価値観を基準にする時代の終焉」


表紙に魅かれた方々にはもちろんですが、上記情報からこの本の概要を知りテーマに問題意識を感じる方にぜひ一読をお勧めします。この物語には「いま」があります。



東京にて、sawaroma より。


2018年2月19日月曜日

スミレ香るシャボン玉・Les bulles d’ Agathe / violette / Maison Francis Kurkdjian



シャボン玉。

友人からの贈り物。

スミレ色、スミレの香り。懐かしい。

子供の頃シャボン玉で遊んでいた。

何故だかわからないけれど、スミレの匂いにはいつも懐かしさを感じる。

俳句で『シャボン玉』は春の季語だという。




J'ai une bulle de savonLes bulles d Agathe

Un cadeau d'une amie.

Couleur violette, odeur de violet. C'est nostalgique. 

Je jouais avec des bulles de savon quand j'étais enfant. 

Je ne sais pas pourquoi, mais 

je me sens toujours nostalgique à cause de l'odeur de violette.

En haïku, on dit que ce 《シャボン玉/bulle de savonest mot

de saison pour le printemps.


Les bulles d Agathe / violette / Maison Francis Kurkdjian

https://www.franciskurkdjian.com/les-bulles-d-agathe.html

あのフレグランスメゾンが

こんなにも親しみやすい、香りのアイテムを提供していたとは。



なぜスミレの香りに懐かしさとともに愛着を感じるのだろうか。

南仏のスミレの産地に育ったわけでもないのに。

奥ゆかしく、なめらかな植物の肉感的な息遣いを感じる。

私自身が生まれる前から引き継がれていた記憶かもしれない。

好きなフレグランスにはスミレの香りがつかわれていることもよくある。

http://sawaroma.blogspot.jp/2018/01/la-violette.html



南仏のこちらの地域では今週末にスミレ祭りが開催。

http://tourrettessurloup.com/event/autour-de-violette-24-25-fevrier-2018/

2月最後の週末、晴れたらこのシャボン玉でスミレ祭りの気分を感じてみたい。



東京にて、sawaroma より。

écrit par SAWAROMA à Tokyo.


2018年2月15日木曜日

History was his story ・『ベロニカとの記憶』(The Sense of an Ending)



イギリス映画を観たいと思っていた矢先、この映画のタイトルと原作小説のタイトル《The Sense of an ending 》に目が留まった。記憶、感覚、エンディング。どうやら初恋の記憶が鍵らしい。出演者には謎めいた眼差しが印象的なシャーロット・ランプリングもいる。予告編を観た。魅力的なイギリスの街並み、過去と現在の重なり。謎の手がかりとなるのは手紙。





映画パンフレットより



映画『ベロニカとの手紙』公式サイト

http://longride.jp/veronica/

120より全国公開


私は原作を読んではいない。映画は予め用意されたストーリーも重要かもしれないが、目と耳とで同時に感受できる映像独自の力のほうが大きい。ストーリーは映画を鑑賞した人が頭の中で再構成するものなのだから。見えている映像、聞こえる音声は、その映画が語る事実であり、主人公の頭の中で作られた彼の過去という歴史でもあった。さらにこの映画作品を観た人がそれぞれの物語を想像したり解釈したりする。



この映画では謎が提示されながら、最後まで全ては明らかにならない。生きている人間は死んでしまった人間の気持ちを確かめることができないように。たとえ生きているとしても人は本心の全てをそう簡単に他人には伝えないだろう。表情や行動、態度から想像力や憶測で様々な解釈は可能だ。しかし真実は謎のまま。仮に生き残った人間を「勝者」と呼ぶならば、過去を綴る歴史は常に勝者の物語である。



映画パンフレットより


映画観賞直後の私は、主人公である男性の視点から謎の答えを考え、想像した。しかし翌日、このシャーロット・ランプリング扮するベロニカの瞳と声を思い起こしつつ、彼女の視点から想像した。2種類の物語は全く違う。ベロニカの母、主人公の友人、それぞれの物語があるはずだ。人が分かり合うためにはやはり、傷つくことを恐れずに言葉を交わし続けなければならない。ふと考える。「あの人」と最後に交わした言葉は何だったろうか。




映画チラシより


断片の印象より

若かりし英国人の2人がぎこちないフランス語で会話するシーンは素敵だった。

主人公が40年前の学友2人と再会時、皆体型も髪型も大きく変貌しているというのに、互いに「変わらないなあ」と笑う。こうした関係性は宝物だと感じて心が温かくなる。



東京にて、sawaroma より。



2018年2月14日水曜日

香水瓶のシルエット・MODERN PRINCESS/LANVIN


春色の液体。ドレスの形。

愛らしいボトルです。

朝の光の中に置いてみました。

影がドレスのシルエットさながらに。

フルーティーフローラルの香り。

初めて香水を使ってみようと思う若い女性の

お気に入りになるかもしれません。




Liquide de couleur de printemps. 

Forme de robe. Ce flacon est adorable. 

je le mets dans la lumière du matin.

Son ombre ressemblait à la silhouette d'une robe.

Le parfum est floral fruité. Il peut être apprécié par les jeunes femmes qui essaient d'utiliser le parfum pour la première fois.


MODERN PRINCESSLANVIN

http://www.lanvinparfums.com/fr/modern-princess

Modern Princess/Lanvin・自由な心の冒険者たちへ

2016,10,2sawaroma 

http://sawaroma.blogspot.jp/2016/10/modern-princesslinvin.html




モダン プリンセス。具体的かつ直接的な名の香水は、その表面的な意味合いではわかりやすさとともに親しみやすさという良い点があるのだと解釈。私は、モダン、という言葉を深く考えてみました。お伽話の中のプリンセスではないのです。モダン、現代。自由に生きる女性。プリンセスのような愛らしさはそのままに。必ずしも目に見える衣装がプリンセスドレスではなくてもいいのです。


春先のやわらいできた空気を感じる今頃の季節。1人だけで自由な時間を過ごすときに周囲に香らせています。暫し梅見の気分にも浸ることができました。




Modern Princess de Lanvin devient une Eau Sensuelle

8 février 2018 Prime Beauté 

http://www.prime-beaute.com/modern-princess-eau-sensuelle-lanvin/2018




シルバーのボトルネック、淡いピーチカラーの新タイプが今年デビューのようです。

En 2018, Lanvin présente sa nouvelle création : Modern Princess Eau Sensuelle.



東京にて、sawaroma より。

écrit par SAWAROMA à Tokyo.



2018年2月12日月曜日

カルダモン香るSemla・春を待つ北欧のお菓子


スウェーデンの伝統菓子、セムラ。

カルダモン香るほんのり甘いパンに

マジパンとクリームがサンドされています。




Semla, spécialité suédoise est une brioche 

aromatisée à la cardamome , et dedans 

fourrée à la pâte damande et à la crème .



写真は、FIKAFABRIKEN/豪徳寺 さんの2月限定品。

フルタヨウコさんの著書『北欧のおいしいスープ』p116にも

セムラの作り方が記されています。

しっとりしたパンはうっすら香るカルダモンの後味が楽しくて。

甘さよりも上品な香りが魅力。ふわふわの生クリームを味わってから

アーモンドの風味豊かな甘いマジパンが中から現れるのも嬉しいです。

まだまだ寒さ厳しい季節に特に有り難いお菓子です。




『北欧のおいしいスープ』フルタ ヨウコ著について記した記事

http://sawaroma.blogspot.jp/2018/02/blog-post.html

http://sawaroma.blogspot.jp/2014/10/aujourd-est-comment-delicieuse-soupe-de.html


FIKAFABRIKEN/豪徳寺 さん紹介記事

http://sawaroma.blogspot.jp/2017/08/fikafabriken.html






『北欧のおいしいスープ』p112〜113。

右ページがフルタヨウコさんによるセムラ。


Cardamome・改めて、カルダモンの魅力。」

http://sawaroma.blogspot.jp/2014/11/cardamome.html




東京にて、sawaroma より。

écrit par SAWAROMA à Tokyo.



2018年2月8日木曜日

深紅のボトルは密かに煌めく花の香り・MAGNOLIA SENSUEL



Le flacon de rouge pourpre.

La couleur qui me fait sentir la profondeur que je veux regarder pour toujours. 

Je pense que c'est l'impression de Magnolia elle-même qui scintille doucement un parfum unique qui est inoubliable et magnifique.





SPLENDIDA BVLGARI MAGNOLIA SENSUEL Eau de parfum

sortira le 14 février au Japon. 


パープルレッドのボトルカラー。

奥行きを感じさせるその色はいつまでも眺めていたくなる。

忘れ難い見事な独特の香りをきらめかせるマグノリアの印象そのもの。

鮮やかに力強く咲き誇るマグノリアの永遠の美の瞬間をとらえた香り。

214日デビュー。






微粒子のきらめき、とでも言いたくなる静かな透明感。

いつしか皮膚に馴染み優美な動きが導かれる。

囁くように、時々はっとするような華やかさが一瞬きらめく。

極上の着心地のドレスを纏っているような。

じっとしていればほとんど気付かないほど

皮膚と衣服の間に漂っている。この密やかさ。

一期一会の香り方に新しい時間が開かれる。

空に向かいゆっくりと花びらを拡げて輝くマグノリアのように。



東京にて、sawaroma より。

écrit par SAWAROMA à Tokyo.


2018年2月6日火曜日

芳醇スープ・果物料理・ジャム… 〜 フルタヨウコさんの著書より



寒い夜。フルタヨウコさんの著書を開く。彼女の手による香り高い料理の数々を回想しながら、この本のレシピを参考にスパイスの効いた一品で心を温める。もうあの笑顔に会えないのかと思うと悲しくてたまらないが、彼女の遺してくれた素晴らしい著書や料理を改めてより多くの人たちに伝えたいと思う。

I heard  the author of this book passed away 2 days ago. Very sad.  Delicious dishes produced by her, especially a bergamot peel jam…I will not forget. This book is my treasure.

http://sawaroma.blogspot.jp/2014/10/aujourd-est-comment-delicieuse-soupe-de.html





『北欧のおいしいスープ』を読むと、ローリエやタイム、ディルなどのハーブや、黒胡椒、ピンクペッパーのスープへの活かし方もよくわかる。お菓子ではカルダモンやシナモン、クローブの使い方。私にピンクペッパーの素晴らしさを教えてくれたのも彼女だった…「チョコレートにもよく合うの。チョコケーキの上にひねるように散らしてみて、美味しいから」と。



こちらは果物料理の本。「ヨーロッパでは果物は普通に料理に使われているのだから、この香りも酸味ももっと活用して欲しい!」との想いが実現した一冊。




http://sawaroma.blogspot.jp/2013/04/blog-post_25.html




7年前の今頃、波多野光さんの植物画展が開催されていた西荻窪のギャラリーでいただいたフルタヨウコさんお手製『和風お魚セット』。さつまいもにほのかな柚子の香り、蕪に桜の塩漬け、イワシの梅煮。春の「気配」を堪能。デザートのチョコレートムースにも赤いピンクペッパーと桜の塩漬け。きりりと甘みが引き締まって本当に美味しかった。ハーブティーはフルタさんのパリ土産。




http://sawaroma.blogspot.jp/2011/02/blog-post_13.html



そしてジャム。いつの頃からか私は心の中で彼女を『ジャム名人』と呼んでいた。4年前に初めていただいた国産ベルガモット果皮使用のジャムは本当に芳醇でフレッシュだった。




http://sawaroma.blogspot.jp/2014/03/blog-post_28.html



改めて、彼女自身の表現によるプロフィールが記されたページを何度も読む。




フルタヨウコさん。

その創造に満ちた豊かな人生に関わらせていただいたことを心から有り難く思う。



東京にて、sawaroma より。