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2023年2月22日水曜日

アートに触れ、今求める香りに出逢う・ROSA GARDENIA /SANTA MARIA NOVELLA






クリーミーな艶と、

一瞬の柔らかな光のような軽さ

 そんなイメージを感じさせる香りです。

Firenze 1221 Edition 800周年記念

コレクションのアイコニックな

フレグランスのひとつです。


Un lustre crémeux et une légèreté comme une lumière douce momentanée... Ce parfum me fait ressentir cette image.

C'est l'un des parfums emblématiques de la collection 800e anniversaire "Firenze 1221 Edition".



ROSA GARDENIA Eau de cologne /SANTA MARIA NOVELLA



春から夏へ、見えない未来に向けて

今の自分が心から纏いたいと思える

フレグランスとの出逢いを待っていた

2月の発見、その背景を綴ります。



その数日前、

かつて愛用したフレグランスの香りを

ムエットで再確認、今の自身の雰囲気や

精神性との微妙な差異、違和感などに

ついて考えていたところでした。


さらに、同時期に2つの展覧会を鑑賞、

それぞれのアーティストの思考からも

影響を受けていたのです。


まずは、

強烈な視覚体験で感覚の認識や

再構成による表現について

考えるきっかけとなった展覧会

諏訪敦 眼窩裏の火事




では、図録に記された諏訪氏の言葉、


「目は常に揺らいでいるけれど、視覚体験の個別性を取り出して見せて他者と共有するには、絵画しかないのではないかと思います


が痛烈に脳裏へ響きました。


「目」を「感覚器官」へ、

「視覚体験」を「嗅覚体験」へ、

「絵画」を「フレグランス」へ

置き換えてみると、

改めて自身がフレグランスを纏う

理由のようなものが視えてきたのです。


今私は,

艶のある,曲線的で複雑な立体感を

もつ存在であり続けたいと願う一方、

一期一会の優雅な印象を

軽やかに残せる人でありたい。


この個別の思いを

自身から漂わせて実感し、

少なからず他者にも伝えようとする

ためのフレグランス

という形を探していた、

と解釈できるかもしれません。


もちろん、フレグランス自体は

香料の混合体物質です。

しかしながら、これが人に纏われ、

周囲の空気に漂い始めると、

もはや物質というよりも、

感受する人ごとに

様々な印象を映す

不確かで非物質的な存在に

なるのではないか


そんな自問自答の中で鑑賞した、

時を超えるイヴ・クラインの想像力 ー不確かさと非物質的なるもの




では、イヴ・クラインが

「超次元的」であるととらえた青が、

まさに非物質的なものに見えてくる

という体感が興味深く、

色も香りも、感受する人の脳裏で

とらえられる存在であると

再認識せざるを得ませんでした。


だからこそ、

フレグランスを選ぶときには

物質としての現在の自身をよく識り、

非物質としてその時ごとに

如何なるイメージを添えたいかを

熟考したいものです。





 …écrit par SAWAROMA






2023年1月30日月曜日

得難い陰影が今もなお魅力的・EVA /SANTA MARIA NOVELLA




6年前の冬、この香りに惹かれた。当時読んでいた小説「PERFUME 」の主人公の名前も「エバ」だった。シトラスウッディ、とかアロマティックスパイシーとか、そんな言葉では到底表現できない、複雑な陰影がある。周囲の空気を突き放すような清潔感が次第に性別を超えた官能性を帯びてくる魅力がたまらない。この香りをスプレーで身体につけるのはもうやめた。私はこの液体を小瓶に移し、コットンに含ませてそっと腕やウエストに馴染ませている。複雑な過去にとらわれず前に進めそうな気がする。



Il y a six ans en hiver, j'ai été attiré par ce parfum. A cette époque, je lisais un roman intitulé "PARFUM".  Le nom du personnage principal était aussi "Eva".  Citrus Woody, Aromatic Spicy, et plus encore, il existe des nuances complexes qui ne peuvent être exprimées avec de tels mots.  Il est irrésistible que la propreté qui semble chasser l'air ambiant devienne peu à peu  une sensualité qui transcende le genre des hommes et des femmes.   J'ai arrêté de vaporiser ce parfum sur mon corps.  Je transfère ce liquide dans une petite bouteille, le trempe dans du coton et l'applique doucement sur mes bras et ma taille.  J'ai l'impression de pouvoir avancer sans aucune entrave à mon passé compliqué.





EVA /SANTA MARIA NOVELLA



SANTA MARIA NOVELLA からは

昨年バラをテーマとした

新しい2種香りが発売されたという。

ROSA NOVELLA ROSA GARDENIA

こちらにも会いに行きたい。





 …écrit par SAWAROMA




2022年7月25日月曜日

タイムレスなイタリアの洗練美を軽やかに ・EASY TO LOVE / EAU D’ITALIE




フレッシュな笑顔のように親しみやすく、

洗練された魅力ゆえに軽やかで。


それは、私が初めてイタリアを訪れて

感じた印象そのものでもあったと回想。


So,this scent of "EASY TO LOVE" is 

easy to wear and easy to share too.




EASY TO LOVE / EAU D’ITALIE


 

夏から秋へと、みずみずしく

涼やかな緑を感じさせるイチジクに

繊細な陰影を添えるカシス。

このメロディアスなトップノートから、

可憐な白い花びらを思わせる

フレッシュフローラルへ。

ハニーのまろやかさ、そして、

トンカビーンや

アンブレッドシードの柔らかさで

ジェンダーフリー、

タイムレスな余韻に。



オーディタリー

11種の香りを試すと、

イタリア文化が発信してきた

洗練美を改めて感じる。




1951年、

イタリアのポジターノで誕生した

ラグジュアリーホテル「レ シレヌーセ」が

2004年に発表した最初のフレグランスが

「オーディタリー」。

それから15年目のお祝いにと

2019年に発表されたのがこの香りである。


既に様々なフレグランスを

愛用しているという知人にも

何かのお祝いにギフトとして

贈ってみたくなる香りでもある。


関連記事


〈EAU D’ITALIE〉の香り・〈BOTTLES〉POP UP SHOPにて





…écrit par SAWAROMA






2022年7月13日水曜日

夏の夜にきらめく香り・FIOR FIORE / EAU D’ITALIE




夏の夜に似合いそうな

FIOR FIOREの透明感。

忘れ難い、白い花の香り。


ひそやかに

きらめくような気品。

FIOR FIORE / EAU D’ITALIE

(フィオーレ フィオーレ  オーディタリー)




清楚なカラー、

キャプテンケルソーの花。

緑から白へのグラデーションから

FIOR FIOREの香りを思い起こす。


太陽が眩しい昼間の喧騒の中よりも、

静かに時間が流れる夜の空気にこそ、

この香りは独特の気品を漂わせる。



オーディタリー

11種の香りを試すと、

イタリア文化が発信してきた

洗練美を改めて感じる。




オードパルファムはいずれも、

その黄金の蓋と白いボトルさながらに、

洗練された軽やかさをもつ香り。



この夏は、

夕暮れ時から夜にかけて

FIOR FIOREの香りと過ごした時間が

宝物になりそうな気がする。



関連記事:

〈EAU D’ITALIE〉の香り・〈BOTTLES〉POP UP SHOPにて
(2022.5.7/ SAWAROMA)




…écrit par SAWAROMA





2022年5月7日土曜日

〈EAU D’ITALIE〉の香り・〈BOTTLES〉POP UP SHOPにて




香りのセレクトショップ、BOTTLES

初のPOPUP SHOP

渋谷ヒカリエShinQs1Fにて

5/6から18日まで開催とのご案内を

受け、初日に訪問。そちらで

EAU D’ITARIE〉(オーディタリー)

の香りを試しました。




À BOTTLESPOP UP SHOP.

J’ai essayé des parfums d’

EAU D’ITALIE.

Du 6 mai au 18 mai, 

au 1er étage de Shibuya Hikarie.






EAU D’ITARIE(オーディタリー)は、

オードパルファム全11種と

リキッドソープ全8種。


1951年に誕生したイタリアの

ラグジュアリーホテル「レ シレヌーセ」が

2004年に発表した最初のフレグランス

「オーディタリー」。

この名のブランドが、

次々と独創的なオードパルファムを

生み出しているのです。

このたび、リデザインされたボトルで

日本に初上陸しました。


オードパルファムはいずれも、

その黄金の蓋と白いボトルさながらに、

洗練された軽やかさをもつ香り。


名前に惹かれて私が試したのは、

次の3種類です。



UN BATEAU POUR CAPRI

(アン バトー プール カプリ)


「カプリへの船」を意味する

この香りに私が感じたイメージは、

ライトブルーの海、そよぐ風、優雅な微笑。

涼やかで清楚な装いに合わせたい。



GRAINE DE JOIE

(グレーヌド ジョワ)

「歓びの種」を意味する

この香りに私が感じたイメージは、

ヴィヴィッドな紅、きらめく光、

楽しそうな声。

大好きな時間を過ごす装いとともに。



AU LAC
オ ラック)


「湖へ(または)湖に」を意味する

この香りに私が感じたイメージは、

静かな水面、秘密の約束、麗しい眼差し。

とっておきの逢瀬のための装いに。



18日までの期間、

再訪できたらと思います。




…écrit par SAWAROMA





2021年5月15日土曜日

柔らかな洗練・Brioni Eau de Parfum




ブリオーニ。

明るさと柔らかさのバランスが絶妙な香り。

Brioni.  Ce parfum a un équilibre parfait 

entre luminosité et douceur. 


華やかな明るさは

香りの

魅力の要素にはなりますが、

同時に大切なのはその香り方。

程の良さ、

という柔らかさを持って

初めて人を引き立てるのでは

ないかと思います。




ブリオーニ。

メンズフレグランスと聴き、

感覚のどこかで

既存の男性用の香りに

通底する香り方を

想像してはいましたが、

女性の私が身につけても

羽衣のように繊細で柔らか。

滑らかで軽やかな

抜群の着心地をもつ装い、

そのものです。


とはいえ、

ピンクペッパーで引き立てられた

軽やかなトップノートから

パウダリーヴァイオレットの

繊細な程の良さが秀逸な

穏やかなハートノート、

なめらかな印象を醸し出す

トンカビーンズやムスク、

シダーウッドへの深まりは

ひときわ、

大人の男性に似合います。


香りを纏ったことも忘れるほど、

その人の一部になる

極上の軽やかさ。

ブリオーニ オードパルファム


…écrit par SAWAROMA




2021年4月2日金曜日

水面の花を想わせる2つのフレグランス・Suiren/PARFUM SATORI とMOXI/MIRKO BUFFINI




清らかな透明感が引き立てる愛らしい笑顔。爽やかな水色の装いで身を包み、きらきらとした瞳で客人を迎える・・・江戸時代末期、かわせみという名の旅籠を切り盛りする女主人が登場するドラマを数週間眺めていたら思い起こした香りがある。


Suiren / PARFUM SATORI ・清らかなフローラルグリーンの香

(上の記事にリンクされている

Suirenのサイトは現在こちらへ移行)





まさに水面の花。

まどろみながら眺めたい優美な風景の中で風の囁きが聞こえてきそうな愛おしい瞬間を感じさせる。

端正な形を保ちつつ、儚げな佇まいを持つ睡蓮のようだ。日本人調香師、大沢さとりさんらしい繊細な一作。


身につけるとすぐに肌に馴染む。ほんの些細な動作とともに、どことなく懐かしい、たおやかな気品が漂ってくる。




水面の花の控えめな佇まいを、日本酒のまろやかさとともに羽衣のような香りに再現したイタリア人調香師の一作は

MIRKO BUFFINI /MOXI /EAU DE PARFUM




腰から足元に纏い、しばらくしてからふわりと立ち上ってきたときの香りが素晴らしい。

MOXIの詳細はこちらにて。



…écrit par SAWAROMA










2020年10月4日日曜日

黒のエレガンス香るカトリーヌ・ドゥ・メディシスの物語・『黒王妃』佐藤賢一著 





黒の装いが一段と魅力的に見える秋、

読み直したいのがこの一冊。

C'est un livre que je veux relire à l'automne lorsque la tenue noire est encore plus attrayante.






https://books.shueisha.co.jp/items/contents.html?isbn=978-4-08-744110-9


 

黒王妃。

タイトルそのものが物語の魅力であり謎でもある。タイトルに謎を感じさせる時点で、物語として一読の価値があると私は思う。フランス史をあまり詳しく知らないという方でも、まずは映画を観るようなつもりで、予告編のかわりに目次を一覧されてみることをお勧めする。


ルネサンス期のフィレンツェ出身であり、フランス王妃、王母として生きたカトリーヌ・ドゥ・メディシス(15191589)。当時の文化・芸術先進国であったイタリアから、洗練された衣食住の様式をフランスに広めた人物としても知られている。


驚くべきは、著者の大胆な切り口と想像力。


史実が潔く切り取られ、その背景として、王の妻であり母である人間カトリーヌの心情があたかも告白日記のように、一人称「私」を主語に綴られている。文章だけでは見えない表情や意志のようなものが香ってくる。


私は3日で一読したが、長編映画さながらの迫力を楽しめたと思う。既存の様々な映画も思い起こした。例えば....

『ふたりの女王 メアリーとエリザベス(2018)、『王妃マルゴ』(1994)



さて…。

カトリーヌの黒の装いと、彼女の生まれたイタリアへの敬意を込めて、ここに二つのエレガントなフレグランスを改めて紹介したい。


COCO NOIR  CHANEL

https://www.chanel.com/ja_JP/fragrance-beauty/fragrance/p/women/coco-noir.html

http://sawaroma.blogspot.com/2012/12/coco-noir.html

月明かりを優雅に輝かせる漆黒のエレガンス。モダンなルミナスオリエンタルの深みなめらかに。



FIG POUDRÈ -  YOUFIRST

ROLL-ON PERFUME - 8 ML

https://www.bronline.jp/mall/youfirst/item/?detail=47008 

http://sawaroma.blogspot.com/2019/02/youfirst.html?m=0

果実と花々の温もり柔らかく。洗練された物腰を彷彿とさせる香り。



…écrit par SAWAROMA



2020年6月19日金曜日

ビターオレンジの逞しさと優雅さ香る/BVLGARI MAN WOOD NEROLI





きらめく太陽と樹々のしなやかさ。ビターオレンジの花から得られる香料ネロリと樹木の清々しい調和。男性にも女性にも心地良い香りです。


Soleil scintillant et souplesse de les arbres. L'harmonie rafraîchissantsdes de néroli et des arbres.  C'est un parfum agréable pour les hommes et les femmes.




ブルガリ マン ウッド ネロリ オードパルファム

/ラトリエデパルファム公式サイト

https://www.latelierdesparfums.jp/brands/bvlgari/man-wood


ブルガリ マン ウッド ネロリ 

/ブルガリ(日本語)公式サイト

https://www.bulgari.com/ja-jp/collection/bvlgari-man-wood-neroli-fragrance.html



ネロリの華やかさと清涼感に誘われ、この香りを纏いました。男性をイメージして作られただけあって、洗練された力強い構築性は確かに感じます。


時間の経過と共に漂うアンバーやレザーによる重厚感も、ネロリの明るさと共に優雅なトーンに落ち着き、私の肌にもさほど違和感なく馴染んでいます。


改めて、ネロリの香りを育むビターオレンジツリー、そしてこの植物を育むイタリアの大地に思いを馳せたくなるような貴重な香りです。





昨年夏の新作発表会の際、多くの女性がこの香りに賛辞を捧げていたのを思い起こしています。翌週、知人の男性に紹介したところ、香りとともにこのボトルデザインにも魅かれたとのことで即購入されたと後日報告されました。

21日は父の日。ギフトの候補にもなりそうです。




…écrit par SAWAROMA



2020年6月5日金曜日

夏色の香り・3 Saponi NESTI DANTE





6月。香りと共に夏仕度。


イタリア生まれ、ネスティー・ダンテの石鹸。

http://www.daido-corp.co.jp/product/detail29.html

http://www.nestidante.com/#/


それは、ヨーロッパでも数少ない大釜の中に植物油を熱して作る伝統的な製法でつくられています。以前愛用し、その香りの素晴らしさときめ細やかな泡に癒されたことを思い起こしました。


http://sawaroma.blogspot.com/2019/03/le-plaisir-du-savon-par-nesti-dante.html?m=0


 

今回は涼やかなブルー系ヴィジュアルから3点を。





トスカーナの美しい風景やライフスタイルがイメージされたEMOZIONI in TOSCANA(エモジオーニイントスカーナ)のACQUE TEMAKI(アックエターマリMACCHIA ODOROSA(マッキャオドルサ)。そして、DOLCE VIVERE(ドルチェヴィーベレ)のFIRENZE





アックエターマリ

イメージは古代ローマのスパから湧き上がる温泉水。アクアティックな香りで癒しの休日感を楽しみたいです。





マッキャオドルサ

地中海からの潮風と植物のハーモニー。ジュニパー、タイム、松の樹脂名前と共に、私が最も楽しみにしていた香り。期待どおり。





フィレンツェ

ブルーアイリスとローリエのブレンド、と聴いただけでも優雅なあのフィレンツェの空気を思い起こしてしまいそうです。




 …écrit par SAWAROMA