2022年1月30日日曜日

緑の薔薇からの回想・Rose Mojito / ĖDIT(h)と 2022 Limited 01 「ベルガモット」




小さな花びらが、細かな葉と一体感を描いている。「オリエンタル エクレール」という名のスプレーバラ。実際、特徴的な香りはほとんど感じられないのだか、眺めていると、ギュッと爽やかな香りが溢れてくるように想像する。





En regardant les roses vertes, 

j’ai une idée de passer le week-end 

à porter ce parfum.


この緑のバラを迎えて一週間。

このフレグランスを纏いながら

週末を過ごしたくなった。




メロディアスな香り・Rose Mojito / ĖDIT(h)



みずみずしい緑感。

たとえばミントや

緑の果皮の柑橘。

緑に絶妙に調和する薔薇の甘さ。

格別に懐かしく、

リフレッシュ感を漂わせる。

一週間の疲れが癒やされたのはもちろん、

知らず知らずに笑顔が保てた休日となる。



柑橘の爽やかさは、単独のままでは

シンプルではかないものだが、

他の植物との複雑なブレンドにより、

そのきらめくような真価を発揮する。




ちょうど先日、限定版のこちら、

2022 Limited 01 「ベルガモット」

を入手していた。初めて味わったとき、

無意識が欲していた感覚を香りで得て、

一瞬で癒された。

12月に収穫されたばかりの

小豆島産ベルガモットが使用された

貴重な2022リミテッド。

ボトルから香る野草103種のハーモニー・80 "YASO " 103 GIN

で体験して以来、

昨年はローズのリミテッドも入手した。





このベルガモットのジンと、

昨年のリミテッドローズジンで

カクテルをつくってみようかな、と

ふと思ったりする。




…écrit par SAWAROMA




2022年1月16日日曜日

先駆けのNº1・鮮烈なエナジーを軽やかに香らせるL’EAU ROUGE Nº1 DE CHANEL




Nº5 という名のフレグランスが誕生して

100年目の2021年は過ぎた。

一つの区切りを終えて、

次の100年、まずは10年に向けて、

そのブランドが2022年に発信するものは?


サプライズは

赤い色とNº1という数字から。


ブランドが研究を重ね、

発見した赤い椿の成分を駆使したという。


フレグランスボディミストを含む、

スキンケア、メイクアップ全9品。

新ラインNº1
それは、
始まりの1だろうか。
次の時代への先駆けの象徴か。


新年早々にこのニュースを知り、

ブランド初という

フレグランスボディミストの香りを

試してみようと思った。




手のひらに馴染む

円柱形ボトルのイメージそのままに、

ソフトで端正なフルーティーフローラル。

みずみずしい赤の透明感さながらに、

鮮烈なレッドベリーのトップノート。


レッドカメリアの成分配合、とのこと、

乾燥気味の左右上腕部にスプレー。

すぐに肌に馴染み、リフレッシュ。

オードパルファンでは

近い鼻に強く感じすぎやすい

首筋にも一拭き。


ヴィヴィッドな赤のイメージが

透明感とともに香り、徐々にソフトに。

2時間後。

繊細な柔らかさだけがほのかに漂い、

このブランドならではの優雅さを体感。






ボディミストゆえに軽い。

それは確かだ。

オードパルファンのような

持続性はない。

とはいえ、ゼロにはならない。

ただし、それは人の皮膚の上でのこと。

いわゆる紙の試香紙では

この優美さは伝わりにくいかもしれない。


軽やかに肌を潤しながら、

肌の匂いを包むこみ、

幻のように優雅なトーンを残す。


フレグランスボディミスト、

2022年からの新しい香り方の一つか。

格別な肌触りのインナーが、

極上のシルエットを描くように。


そもそも、

椿の花自体にも、

強い香りなど無かった。

しかし、生きた植物として、

常に何か「匂い」を発している。

存在感、という魅力とは、

そういうものかもしれない。




…écrit par SAWAROMA





2022年1月4日火曜日

珈琲と小説と、LOEWE 001 の香り




2021年の終わり頃、豪徳寺のIRON COFFEEで、グァテマラ産ゲイシャ種の豆を挽いていただく。芳醇かつクリアで軽やかな絶妙香。稀少なこの香りを楽しみながら年越しをするために200グラムを購入。大晦日、最初の一杯。何故こうもデリケートに芳醇な香りが一瞬のうちに感覚に溶け込んでいくのだろうか。余韻は記憶にのみ鮮やかに刻まれ、口の中には跡形もない。






そんなキレの良い、クリアな輝きの香りで迎えた2022年の元旦。爽やかな気分が空の色に重なった。初詣に訪れたT駅の書店で、ふと手に取った文庫本のタイトルは『コーヒーと小説』。コーヒーロースターの編者により選ばれた12の短編小説集である。目次を開くと、太宰治、芥川龍之介、江戸川乱歩などの短い作品名が並ぶ。私の未読作品もある。



太宰治の『グッド・バイ』。未完でありながらも完成されているのかもしれない…と、この作家に生まれて初めて敬意を抱いた。物事に終わりはあるようにみえて無いとも言える。想像は無限だ。
芥川の『桃太郎』。『グッド・バイ』の後で読むとひときわ鮮烈な印象をおぼえる物事の裏表。
江戸川乱歩はさすがの語り手。謎解きへの誘惑に引き込まれてしまう。



江戸川乱歩の『日記帳』を読んでいたとき、自身から、珈琲の匂いとも調和しそうな、ウッディアンバーのフレグランスが香っていた。その日の装いに私が選んで纏っていたLOEWE 001 。これを甘い香りと評する人もいるが、形容詞一つでは言い表せない。001という名の通り、始まりのイメージが持つミステリアスな期待感がなまめかしくたちのぼる匂いなのだから。





…écrit par SAWAROMA