寒さが増すごとに心は温かく
一人の時間を大切にしてきた一年の
ほんのささやかな手ごたえから
これからの自分を想像して
12月の5香

12月初旬
懐かしい再会の場に
新しい自分を感じたくて
フレッシュなスパイシーマリンウッドの
VETIVERA / LE COUVENT
この香りを纏っていた或る日のこと
混雑する駅の中でまたしても
意外な懐かしき人に遭遇した
お気に入りの濃紺や黒に
透かし柄の白を合わせて
冬の夜空の繊細な煌めきのような
華やぎを描きたくなったら
Passiflora / JO MALONE
BARÉNIA / HERMÈS
Une Nuit Magnétique
/ The Different Company
この3香に包まれる日が暫く続く
とある彫刻家の新作展を観に
表参道へと出向いた帰り道
久しぶりに立ち寄った
コムデギャルソン青山店にて
この本に出会う

1994年のブランド初の香りは
揺るぎないユニークな魅力を
今も確かに醸し出していて
その隣に置いてあった
Whiteの香りは
1994年のものよりも
ほんのり柔らかく雪のように
すぐに溶けてしまうような
幻想的な甘さも感じさせた

クリスマスからの年越しは
White EAU DE TOILETTE
/ COMME des GARÇONS
と共に過ごすことに決めた
どんな色にも染まれそうで
どんな色にも固定されない
しやなかで軽やかな躍動感
そんな白が好きなのだと
改めて感じた2024年の師走
…écrit par 《SAWAROMA》
6月半ばのよく晴れた日
パリ在住調香師、新間美也さんの
新作フレグランス発表会にと
銀座の会場を訪問しました
新間さんの
エモーションから発想された
ゴールドコレクションに加わる
今回の新作
「FUWARI/ふわり」は
2024年5月25日(土)より
発売開始されています


写真2枚目:
イメージヴィジュアルの横に
立っていただいた新間美也さん
日本での販売元である
京都のフレグランス ショップ、
「LE SILLAGE」オンラインショップ
からも購入可能です
南フランスのグラースに咲く
「五月のバラ」に新間さんが
心を奪われた体験から生まれた
「墨と筆で描いた、あるひとつのばら」
の香り、とおききしました
さりげない気配を表現できる
日本語の優しい響きをもつ
オノマトペを
そのまま香りの名前に
されています


トップノートに感じる
新鮮な陰影をもつ響き…
いつしか皮膚に馴染む優雅さ…
ラストに漂う
墨のような奥ゆかしさ…
柔らかく軽やかでありながら
少しずつ複雑な変化を奏で
いつまでも消えない印象が
愛おしく思えるのです
凛として潔く
それでいてはかない可憐さが
ふわりと漂うすてきな香りです

6月は
この新作を纏った時間が
特別なひとときとなりました
そのほかにも
シンプルに清涼感を求めて
Parole d’eau / SERGE LUTENS
を身に付けたり
6月の誕生石である真珠を想い
MIKIMOTO Eau de Parfum
の香りを鑑賞し
海の音を想像しています
…écrit par 《SAWAROMA》
生田緑地のばら苑訪問
外観はもちろん香りも多様
うっすらと漂う芳香には
優雅さと
清涼感と
可憐さと…
今月は
“ rose ”や”rosa “を名前に含む
フレグランス3本を纏いながら
新緑の時間を過ごした

ROSE DES VENTS (左)の
柔らかくデリケートな甘さの優雅さは
最初に感銘を受けたときと変わらず
Rose Mojito(中央)の
目のさめるような鮮やかな清涼感には
新鮮な花と緑と甘いカクテルの喜びを
ROSA GARDENIA (右)は
クリーミーなまろやかさが可憐な
初夏のクチナシと薔薇を彷彿とさせて
いずれも
試香紙で香りを聴くだけでは
強い特徴を感じさせるものの
素肌にのせて
初夏の装いにつつまれると
薔薇の花のようにうっすらと
上品に香るのが嬉しい
香りの纏い方は人それぞれ
私はこの時期
ウエスト部分や背中上部に
一拭きずつ
あるいは
スカートであれば
膝やくるぶしに纏い
ほんの1〜2枚の薄着で
軽やかに動くのが
心地良いと思う
薄い花びらに風を受けながら
静かに香る薔薇のように
…écrit par 《SAWAROMA》