2024年7月26日金曜日

2024年7月の香景・ボトルカラーは青と緑とシルバーと




遅れて訪れた梅雨の日々

その合間からも

既に相当な蒸し暑さ

7月を迎え梅雨明けが

待ち遠しいようなこわいような

やはり例年にも増しての酷暑


みずみずしさ

心地良い冷気

ここではない何処かへの旅心


を香りで感じたく

3つのフレグランスを選んだ





ボトルカラーは

青と緑とシルバーと…

3 parfums qui resteront 

dans ma mémoire en juillet 2024.


2年前の盛夏に出逢い

1dropのウッディフローラルに癒された

A DROP D'ISSEY EAU DE PARFUM FRESH


1年前の初夏に出逢い

一瞬で心地良いリゾートの風を想像

PACIFIC CHILL


出逢ったのは2010年の冬

最初はオードトワレだった

以来、冬でも夏でも

非日常のスパイスをさりげなく

感じさせてくれた定番のひとつ

Voyage d’Hermès


過去の記憶に助けられ

新しい夏の景色を描いた7月





…écrit par 《SAWAROMA》










2024年6月27日木曜日

2024年6月の香景・新作《FUWARI / Miya Shinma》の繊細な奥深さに出逢う




6月半ばのよく晴れた日

パリ在住調香師、新間美也さんの

新作フレグランス発表会にと

銀座の会場を訪問しました


新間さんの

エモーションから発想された

ゴールドコレクションに加わる

今回の新作

「FUWARI/ふわり」は

2024年5月25日(土)より

発売開始されています






写真2枚目:

イメージヴィジュアルの横に

立っていただいた新間美也さん


日本での販売元である

京都のフレグランス ショップ、

「LE SILLAGE」オンラインショップ

からも購入可能です



南フランスのグラースに咲く

「五月のバラ」に新間さんが

心を奪われた体験から生まれた

「墨と筆で描いた、あるひとつのばら」

の香り、とおききしました


さりげない気配を表現できる

日本語の優しい響きをもつ

オノマトペを

そのまま香りの名前に

されています







トップノートに感じる

新鮮な陰影をもつ響き…

いつしか皮膚に馴染む優雅さ…

ラストに漂う

墨のような奥ゆかしさ…


柔らかく軽やかでありながら

少しずつ複雑な変化を奏で

いつまでも消えない印象が

愛おしく思えるのです


凛として潔く

それでいてはかない可憐さが

ふわりと漂うすてきな香りです






6月は

この新作を纏った時間が

特別なひとときとなりました


そのほかにも

シンプルに清涼感を求めて

Parole d’eau / SERGE LUTENS


を身に付けたり


6月の誕生石である真珠を想い

MIKIMOTO Eau de Parfum


の香りを鑑賞し

海の音を想像しています




…écrit par 《SAWAROMA》







2024年5月31日金曜日

2024年5月の香景・薔薇の花々と3つのフレグランス




生田緑地のばら苑訪問

外観はもちろん香りも多様

うっすらと漂う芳香には

優雅さと

清涼感と

可憐さと…


今月は

“ rose ”や”rosa “を名前に含む

フレグランス3本を纏いながら

新緑の時間を過ごした






ROSE DES VENTS (左)の

柔らかくデリケートな甘さの優雅さは

最初に感銘を受けたときと変わらず


Rose Mojito(中央)の

目のさめるような鮮やかな清涼感には

新鮮な花と緑と甘いカクテルの喜びを


ROSA GARDENIA (右)は

クリーミーなまろやかさが可憐な

初夏のクチナシと薔薇を彷彿とさせて


いずれも

試香紙で香りを聴くだけでは

強い特徴を感じさせるものの


素肌にのせて

初夏の装いにつつまれると

薔薇の花のようにうっすらと

上品に香るのが嬉しい



香りの纏い方は人それぞれ


私はこの時期

ウエスト部分や背中上部に

一拭きずつ

あるいは

スカートであれば

膝やくるぶしに纏い

ほんの1〜2枚の薄着で

軽やかに動くのが

心地良いと思う


薄い花びらに風を受けながら

静かに香る薔薇のように





…écrit par 《SAWAROMA》





2024年4月29日月曜日

2024年4月の香景・3本のフレグランスと ATLAS DES PARFUMS




昨年迄とは全く異なる新年度の始まり

行動の変化に感覚が研ぎ澄まされたのか

少しの刺激でより多くを感じられた


時の流れの感じ方

記憶の解釈

心が動く気配の予感

いずれもこれまでとはちがう



















春の柔らかな光のように

懐かしいぬくもりが

繊細な新鮮さと共にきらめく

PASSIFLORA COLOGNE

(写真右)

晴れた日によく纏った


どこか可憐な麗しさと

礼儀正しい優雅さを併せ持つ

すみれの香り

LA VIOLETTE 

(写真中央)

細やかに授業したい月曜日や

適度な緊張感を保つために

共に過ごした


青茶と呼ばれる烏龍茶の

複雑で深みのある香りが

初夏のそよ風のようにそっと漂う

Eau Parfumée au thé bleu

(写真左)

徒歩圏内にもかかわらず

未体験だったイタリアンバルを

訪れたいと思ったとき

良さを知りながらも

長らく手にしていなかった

この香りを選んだ



……そんな4月の初めのこと


ルイ・ヴィトンから

フレグランスの背景を探求する書籍

『ATLAS DES PARFUMS 』

(マスター・パフューマー 

ジャック・キャヴァリエ・

ベルトリュード監修)が発売され

フランス語版を入手した




















フレグランスの原材料となる

世界中の植物の

美しい写真や水彩画が満載


パフューマーの旅のメモに加え

世界各地を主産地とする

45種の芳香植物の詳細な解説文…


毎日仕事の合間に

フランス語の辞書を用いて

楽しく読み進めながら

香りを想像している




…écrit par 《SAWAROMA》