つける人で香りが変わるUKで話題のフレグランス「エセントリック・モレキュールズ」日本上陸
この記事中、ブランドPR監修を務めるファッションジャーナリスト、ティム・ブランクスと、創始者でありイギリスのブランディング会社「This Company」のディレクターでもあるジェフ・ランズの会話が実に興味深い。
香りというものは
10人の人がいれば10人の感じ方がある。
さらにその10人の皮膚の状態、身体の状態、体温、服の着方も10通り。
人為的にフレグランスを身につけないこの時点で
すでに10×10の、人の匂いが存在することになる。
この前提をよく理解し、個の匂いの魅力をベースにフリーに着こなしてほしい、というのがジェフとティムの考えたフレグランスの在り方。
イメージモデルも設定しなければ、男性用、女性用、ユニセックスなどというフレーズすら用いない。このフレグランスに出逢って新たな自分の魅力を発見できた人から人へと伝わることが本望とのこと。
そして私が個人的に感激してしまったのは
かつて調香レッスンで出逢い
最も印象的で心魅かれていた合成香料、Iso E Superが
モレキュール01の香りとして使用されていたこと。
この合成香料の第一印象を私は当時、「哲学 静かな…」と記録。
数ヶ月前のIso E Superの試香紙、いまも柔らかく深い余韻が香る。
この香りは
共に存在する有機的な香りを引き立ててくれることは間違いない。
合成香料、服にたとえると合成繊維。
合成繊維は確かに人の着方をよりフリーに
ボディラインをより美しく描くことに確かに貢献している。
改めて、現存する多くのフレグランスについて振り返る。
本来どんな香りも人肌の上に乗せられると変化するはず。
体温、皮膚独自の匂い、その人のおかれた環境、行動、
そしてその皮膚の上にどのように服が重ねられたかによって。
たとえば服の上、髪の上から無造作に振りかけて
試香紙につけられた香りとほとんど変わらないような香り方を
プンプン周囲に発散させているような状態は
決して「香りを着こなしている」とはいえず
単なる「香害」となるおそれがある。
服の着こなしを鏡でチェックするように
自分の香りにも感覚を研ぎ澄ませた配慮を。
「香り」の存在すら感じさせないほど
場の雰囲気に溶け込む「素敵なオーラ」となるように。
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