2014年5月4日日曜日

薔薇の季節に・1 (ヴェルヴェットなローズとは)

5月。
そろそろ薔薇の花々が開き始める頃、と思うと
それだけでも何故か嬉しい。

いつか花屋で買ってきたばかりの
まだ蕾が開きかけたあたりの薔薇から
なんともいえない柔らかな愛らしい香りを感じて
熟睡できたことを回想。



ここ数日、パレチカ 2012年産の香りにも浸る時間が増えていた。
野性的な力強さの中に、このうえなく優美な気高さ。
その魅力は多面的。
私のそのときどきの気分によって
頭の中で強調される香りが違う。
それもそのはず、薔薇の香り成分は
わかっているだけでも500種以上といわれているのだから。

さてコチラの記事。この5月に限定発売されるフレグランス。
Velvet Rose and Velvet Bergamot by Dolce & Gabbana

ヴェルヴェットなローズとは。
モロッコのローズアブソリュート、ブルガリアのローズ精油(おそらくダマスクローズでしょう)、ケンティフォリアローズという3大天然ローズを使用し、薔薇の香りが持つシトラス・スパイシー・パウダリックな要素を他の香料で補ったり洗練させたりとデリケートな魅力を香料で彫刻しているかのよう。
その価格やハロッズ限定販売、ボトルのクラシカルなデザインからみえてくるのは
ヴェルヴェットという言葉にこめられた特別感。

香料素材の美をテーマとするフレグランスは
服でいえば絹や麻やカシミヤなどの素材感の美を生かしたものかもしれない。
素材の魅力をひきたたせることに専心された香りや服には
「あくまでも着る人が主役」
という慎ましさすら感じられる。

生地のイメージをテーマとした香りを紹介した記事をふりかえると、このときヴェルヴェットのイメージにはあたたかいぬくもりやゴージャス感が香りに託されていたように思う。薔薇の香りが強調されていたのは絹の香り。
ヴェルヴェット、という名詞が
ヴェルヴェットな、という形容詞になると
絹の中にも存在する柔らかさや光沢までもがふくまれて…
イメージの世界は拡がる。

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