2014年4月18日金曜日

「ライムのコンフィ」の "confit"から振り返るフランス語

昨日のフランス語の講義開始前。
学生から「煮る、ってフランス語で何ていうんですか」
と質問され、とっさに頭の中に

" mijoter " (とろ火でことこと煮込む)
" braiser " (蒸し煮する)

など、いくつかが浮かんだ。
これは私がよく行う煮方そのもの。

ただ、「煮る」にも色々あるので
スマートフォンに入れた
ポケット版の最低限の語彙を集めた辞書で確認すると

" cuire "

と出てきた。

えっ、
「食物に火を通す」という広い意味の動詞でいいのかな?
同じ発音、違う綴りで「皮」という意味もあるのに…
と思いつつ、そんな余談は一旦飲み込んで
フランス語初心者の学生には
まずこの言葉を伝えることにした。
彼は料理好きなようなので
私もフランス語の料理テキストを見ながら
これから少しずつ" mijoter " や" braiser " を伝えていくことにしよう。

言葉には一つでほぼ限られた狭い意味を持つものもあれば
いくつもの意味を持つものもある。
そんなことをついここ数日
「ライムのコンフィ」で改めて感じていたばかり。

ライムのコンフィ。ハチミツ風味。
これも私がフードデザイナーと呼びたい
フルタヨウコさん 特製。
原材料 : 静岡県沼津産ライム、北海道ピートグラニュー糖、
ハチミツ、エリカ、梅酒。


コンフィ。"confit(e)(s)"

ときくと
私は油漬けされた肉料理のことを真っ先に思い起こすが
それはコンフィを最初に食べたときの記憶にすぎない。
コンフィの意味は油漬けだけではなかった。
「(砂糖、酢、油などに)漬けた」
というのがこの形容詞本来の意味。

あのみずみずしい緑色の皮をもつライムは
フランス語で " citron vert "。
コンフィされて(砂糖に漬けられて)
すっかり深い色となり
清々しい香りがハチミツや梅の風味とあいまってまさに初夏気分。

先日、自宅で仕事をしていてあまり食欲もなかったお昼時、
このライムのコンフィをリンゴ&ヨーグルトにかけたり
カマンベールにのせたりして頂いてみた。


香りの素晴らしさゆえか
もうそれだけで十分満足してしまい
この美味しさとともに
フランス語を振り返るきっかけになった
ライムのコンフィのことはずっと忘れないだろうと実感。

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