2010年11月19日金曜日

調香師

フランスを筆頭にフレグランスの需要の高い地域では特に、調香師の存在感が大きいようです。一方日本では、国内はもちろん海外でも業績を上げられた日本人調香師の存在も確かにあるのですが、いまのところ、国内での存在感は欧州ほどではありません。

美的感受性、想像力。これはそもそも人に喜びをもたらすものです。さらにこれらは香りを楽しむにはかかせないものでもあると私は思います。見えない香りから何を思い浮かべるか。感じ取った一点のイメージを波紋のようにどこまで拡げて独特の世界観を描けるか。これは、生まれてこのかた体験してきた記憶のストックだけではなく、同じひとつのものをみても様々な見方、想像力を駆使する経験の積み重ねが生み出すものでしょう。
たとえば、未知のものに積極的に出会う経験、旅、読書、芸術鑑賞…。

素晴らしい想像力によって香りを創り出す調香師がいても、その世界観を感受、評価し、その必要性を実感できる人がいなければ、その美の世界は共有できません。美というものはすでに存在するものではなく、心で感じるものだから。
ー11/17日本調香技術普及協会・発足記念講演会を拝聴してー

0 件のコメント:

コメントを投稿