約一週間前。幸運にもこの映画を試写会で鑑賞することができた。
ライフ いのちをつなぐ物語。
この映画は、まさしく映画館の大きなスクリーンで見る楽しみが満喫できる作品。地球上の全大陸、陸・海・空で撮影された映像そのものに魅力がある。おそらく一人の人間が、自分の生きている領域内を中心に限られた行動範囲で生活し一生を終える範囲では到底見ることのできない世界である。
私はそもそも生物の生態にはおおいに興味があるので、以前からNHKの「ダーウィンがやって来た」等のドキュメンタリー番組はよく見ていた。その延長線上位かな、と気軽な気持ちで見始めたのだが…大きなスクリーンの中で、等身大、もしくは拡大された生き物の動きを追っていくうちに引き込まれていく。
最初、松本幸四郎さんと松たか子さんの語りは要らないのではないかと思っていたが、あとでじんわり映像を思い起こすことができるのも、このお二人のおかげかもしれない。この方たちもまた、生きたヒトの親子として声で出演し、ヒト目線でそれぞれの生き物たちの生き様を物語として感じさせてくれる。
どの生き物もそれぞれ生き抜くための知恵という本能というか、そういったものを全開にして生きている。どれが一番、ということは言えないが、鑑賞後もっとも今の私に響いた姿はチーターの3兄弟だった。陸上生物最速の俊足も400mまでしか走れない。しかも、いったん最速時速100kmを超えるスピードで走ってしまえば猛烈にエネルギーを消費するため、続けて狩りはできない。小柄でもあり、一頭では大きな獲物を得ることは困難。そこで3兄弟のチームプレイである。あの、どことなくネコ科の愛らしさが残る顔つきの3頭が真剣な表情で一点を見つめ、走り出すときの眼が素晴らしい。
私は普段特別なスポーツを趣味的に行ってはいない。身軽なフットワークで歩き回れるように、少々重いものを持っていられるように…と考えるだけでも日々が運動そのもの。仕事でも、様々な角度からクライアントに応じた姿勢でアロマトリートメントを行える柔軟性や筋力、長時間立ちっぱなしで話し続けられる持久力…生活そのものが運動であり、いつ危険な状態に巻き込まれたとしても全速力で逃げられる脚や柔軟な身体を保っておきたいと、かかさず行っていることはいくつかある。そんな自分には、チーターの生き様は深く心に響く物語となった。観る人によって何通りもの物語が体感できるだろう。
9月1日全国公開。
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