2011年9月30日金曜日

"Love fruits" by Compartes・ブルー&ブラウンに魅かれて

淡いアクアブルーとチョコブラウン。
青と茶という私の好きなカラーのコントラストに魅かれて出逢ったチョコレートはロサンゼルスのショコラティエ。香辛料やフルーツ、ナッツとチョコレートのコンビネーションを大切にしたブランドでした。





Compartes chocolatier のチョコレートはしっとりと香り豊か。試食で早速気に入ったので翌日にお会いする方への贈り物に。そして私が自宅でのティータイムのために購入したのは、"Love fruits"。セミドライのフルーツにチョコレートがディップされたもの。





こんな華やかなフルーツカラーも巧みに引き立ててしまう青と茶の2色を選んだこのブランドにはこれからもお世話になりそうです。

2011年9月28日水曜日

「香水の日」と「アロマの日」

秋の空気感。
特にこの日本においては、文化・芸術に親しむ機会が多くなります。

私は、人をより良い状態に引き上げる「香り」の力を幼少期から体感し、気がつくとこの、香りの文化的価値を伝承していく役割の一端を担う仕事をしています。初めて出逢った「香り」はフレグランスでしたが、その後、良い香りを漂わせるその源として天然香料のことを深く知りたいと思い、アロマテラピーも学び始めました。

フレグランスもアロマもそもそも、「良い香り」という意味の英語なのですが、前者は化粧品、ファッション表現としての香水、後者はアロマテラピーを示す言葉として理解されているようです。

服と同じように身体にさりげなくまとい、自分も周囲もふわりとエレガントなオーラに包んでくれるフレグランス(香水)は重要なファッション表現の一つでもあります。絹やカシミアといった素材だけではドレスがつくれないように、持続性を兼ね備えた香水は単一の香料や天然香料だけでは完成されません。アーティフィシャルな素材と芸術的感性、調香技術が必要です。

アロマテラピーで用いられる天然の様々な香り(精油やアブソリュートとよばれる香料原液)は、適度に希釈された香りを穏やかに体内に取り込み、気分をリフレッシュさせたり、無駄な緊張をゆるめてその時々の心身の最良な状態を導いたりするのに役立てられています。

香水も、アロマテラピーで使用される精油も、用途は違いますが、現代の人の生活を豊かにする香り文化そのものです。

この秋、日本フレグランス協会が定めた「香水の日」(10月1日)とともに、社団法人 日本アロマ環境協会が定めた「アロマの日」(11月3日)を、より多くの人に意識していただきたいと思っています。

嗅覚から取り込める情報の豊かさに気付くと毎日が変わります。











2011年9月27日火曜日

グレン・グールド 27歳の記憶

昨夜、思い立って9:25からのレイトショーへ。
私が好きなピアニストの、若き日のドキュメンタリー映画。

" Glenn Gould Off the Record / On the Record "(1959)。
直訳すると「グレン・グールド・録音活動をしていないオフの時間 / 録音中の時間」。パンフレット表紙の英語原題の下には、小さく日本語で「グレン・グールド 27歳の記憶」と添えられ、その横にはさらに小さくこう記されていた。

「誰もが魂を奪われた。若きグールドのレジェンダリー・フィルム」



ご本人のリアルなお姿をみながら、あの美しい音楽の源を感じた。
立ち居振る舞い、話す内容はもちろん話している表情、生まれ育ったカナダの静かな自宅での幸せそうな練習風景…そして録音中のまるで指揮者と一人二役と化しているかのように表現に没頭している演奏風景には引き込まれる。

彼の話したことには私にも共感できることがいくつかあった。
そのうち印象的なものを二つ。

なぜ演奏会に行くのが嫌いかと尋ねられて…彼はこんなふうに答えている。
「何よりもまず人混みが少々苦手…舞台の上では大丈夫、呼吸できる空間がたっぷりあるから、しかし聴衆の一人に加わると……実際に演奏をしなくてはならない人間の心理が手に取るようにわかってしまうので、他人の演奏会ではひどく落ち着かなくなります…」

私も人混みが好きではないので、多少時期が遅れても混まない名画座タイプの映画館やこじんまりとしたスペースでの演奏会のほうを好む。そして音楽とはジャンルは違うが、アロマセラピストとしてお客様の皮膚に全神経を集中させてトリートメントする仕事をしてきた私は、いかに卓越したトリートメント技術者といえども他人のトリートメントを受けるときに必要以上に神経を使って疲れることがよくあった。なのであえて専門的な訓練を受けていない家族に簡単に方法を伝えて気軽に施術してもらうほうが癒された。

もう一つは、演奏会の舞台で演奏するよりも、スタジオで徹底的に納得の行く音楽表現を完成させることを好むということについて彼が語るくだり。

彼は歌いながら演奏する。時には指揮者にもなる。リラックスして音楽表現に没頭するために、それらのことをとがめられるのは困るという。表現に没頭している姿は、時として「マナーが悪い」とまで言われる。それならばそんな姿を見せることをいちいち気にせず、こだわりぬいて創り出した結果の音、音楽だけを提示しようと思ったのではないか。そんなふうに感じた私は、改めてこの偉大な芸術家にたとえCDによってであれ、出逢えていたことを嬉しく思った。


参考資料:
" Glenn Gould Off the Record / On the Record "
映画パンフレット / 1999,8,27発行
配給・クレストインターナショナル

下高井戸シネマ にて9/26~10/1までレイトショー、10/8~10/14までモーニングショーにて上映中






2011年9月26日月曜日

ハンドアクセサリーとしてのペン・LAMY

1本のペンから、1つの国に興味を持った。

ペンはLAMY

国はドイツ。1919年に、工芸、写真、デザインを含む美術と建築に関する総合教育を創始したバウハウスを生んだ国。

書くことの好きな私はペンの書き味にこだわりがあった。ダマができたりにじんだり、タッチが硬いものは使いたくなかった。

手で握られるバッグと同様、これはハンドアクセサリー。
手指で挟み、軽く握るものであるということは重過ぎても華美でありすぎてもストレスとなる。特に手を使う仕事(アロマトリートメント施術など)を行なうようになると、ネイルですら重く感じる手に程よい大きさと握ってストレスのない形は必須であり、なおかつ書き味が滑らかであることが望まれた。

そして選んだのがこのペン。「ラミー・ロゴ」のネイビーブルー。



無駄のない形と程よいサイズ。小さなLAMYの文字以外は濃紺とシルバーのみ。
濃紺の手帳に合わせた。

LAMY / The Company / Qualityによると、「美的にも楽しめる形」というフレーズが「使い勝手のよさ」の項目に含まれている。
「機能によってかたち作られるデザイン」を掲げたドイツの筆記具メーカーは、
美的であることを当然のように機能に含めている。



もはやペンは消耗品ではなくアクセサリー。グレーの箱に入れられたとき、替芯とともに永く使いたいと思った。

なお、LAMY というのは創業者の名前に由来。

2011年9月24日土曜日

バゲットサンド(casse-croûte)の魅力

やはり、一位はカスクルート。
バゲットの切れ目にバターが塗られ、ハムが挟まれただけのもの。

行楽のお供のサンドイッチ 何でもランキング(日本経済新聞 2011,9,24)

今朝の新聞折り込み「日経プラス1」に、サンドイッチに詳しい専門家が試食の上で評価した順位が写真つきで掲載。堂々の一位には私がかつてパリに滞在中最も美味しいと感じた食べ物の写真があった。

バゲットの切れ目にハムやチーズ、レタスやトマトなどが挟まれたサンドイッチのことはカスクルート、またはカスクートなどと呼ばれる。これはフランス語の"casse-croûte"(簡単な食事、軽食、弁当などを意味する)。

私がパリで食べたランチの大半はこのカスクルート。パンというものがこんなに美味しいものだと感動したのもこのサンドイッチがきっかけ。おかげで初めての異国生活でお米をそれほど恋しいと思わなかった。せっかくこんなにパンが美味しい国にいるのならこれを存分に…と思うほど。噛みしめるほどに広がる小麦の香りと具材の味わいのハーモニー。音もたたず、手も汚さず、周囲に匂いもたち過ぎず…と気軽に食すにはもってこいの軽食なので、今でも品川から新幹線に乗って遠出するときは、アトレ品川内の某ブーランジェリー "boulangerie" (フランス語でパン屋のこと。パイや焼き菓子等も売っている)にてこのカスクルートを調達していく。


2011年9月23日金曜日

猫ボトル!プゥル バイ ケイティ ペリー

昨日ご紹介のPARFUM秋号にも2ページに渡り掲載されていましたし、リニューアルされたパルファムサイト中、パルファムチャンネル でも編集長の取材シーンを動画でチェック。一目見てから、猫好きの私には忘れられなくなったラベンダーカラーの猫ボトル!

UKのサイトから、"About the Fragrance Purr by Katy Perry"
をご紹介。こちらでそのキュートな猫ボトルをご覧いただけます。

我が家には大きな真っ白の招き猫の置物があり、時々仕事の手を休めて眺めるたびに口角があがりニッコリ。かけがえのない存在となっています。そんな私にこの、なんとも絶妙なバランスのカタチと光る眼差しのボトルがアピールしないわけがありません。

ネーミングもキュート。プゥル(Purr)とは猫がのどをゴロゴロ鳴らす音だとか。ちょっと、そんな声を聴いてしまったときの最高になごんだ気分を想像してみると、やはり甘く優しい空気に包まれてうっとりとした姿が目に浮かびます。

そのフルーティ フローラルの香調を調べてみると…

ジューシーなピーチネクター、フォアビドゥンアップル(禁じられたリンゴ?)の妖しくも魅惑的な甘さに、グリーンバンブーの清々しさが調和するトップノートから始まる世界。ミドルノートはジャスミンブロッサム、ピンクフリージア、ブルガリアンローズの花園。ラストはバニラオーキッド(妖艶…)、ホワイトアンバー、クリーミィサンダルウッド、スキンムスク(すべてが猫毛のように柔らかく香りそうなフレーズ…)。これは楽しそう。

日本でのお問い合わせ先はコチラ






2011年9月22日木曜日

PARFUM秋号(159号)発刊

夏から秋へ。季節の変わり目のサインのように象徴的なこの時期、ひと雨ごとに涼しくなってほしいという気持ちがつのります。夏の期間が長引きがちだからこそ、秋という時は貴重。

香りの専門誌"PARFUM"秋号が9月20日発刊。私の手元にも届きました。




表紙の写真の光の色は…まさしく秋ですね。
この秋は特に要チェックの新作香水が多いので個人的にも編集長のリポートを楽しみにしていました。

やはり、私がチェックしてブログにも書いていたアッティモ ローフロラーレバーバリー ボディの情報はもちろん、その映像美にも魅かれていたボッテガ・ヴェネタ初のフレグランス についても、東京国立博物館法隆寺宝物館で行われたこの香水の発表会を実際に取材した編集長のコメントが綴られていました。そのほかにも秋の新作をたっぷりと、まずは視覚から楽しむことができるでしょう。恒例のフレグランスプレゼント応募締切は10月末日です。

真っ先にこのページからチェック、という声も多い「キーワードから見えてくるあなたの香り」。毎号編集長によって選ばれる3つのキーワードを、その季節ごとの太陽や木星、火星などの動き方の情報とともに12星座別に私がイマジネーションを膨らませてメッセージを書いています。人それぞれの2011年秋、記憶に残るハッピーな思い出が香りとともに生まれますようにと。夏号のキーワードは蜂蜜・黒糖・メープルシロップでした。秋号は…。それは本誌を開いてからのお楽しみに。






2011年9月21日水曜日

「香りの専門誌 パルファム」サイトリニューアル

「香りの専門誌 パルファム」のパルファム編集室が運営するサイトがリニューアルされていますのでお知らせします。

新しくリニューアルされたサイトはこちら

年4回の季刊誌と連動した内容として、さらに楽しめるのが読者プレゼントや編集日記の画像。編集長が取材した内容も動画でご覧いただけます。香りファンにはますます次号が楽しみになるでしょう。

ちょうど本日夕方、最新の秋号(159号)が届いたところです。。毎年秋号では新作香水の情報が満載。さっそく明日は表紙の写真とともにご紹介しようと思います。


2011年産ダマスクローズの香り

今年収穫されたダマスクローズの香りを1滴グラスへ。
ひと嗅ぎ目は、華やかな花の美とともに野生味溢れる有機的なパワーを感じます。まさに1滴に50から100個の花が凝縮されたローズオットー。

グラスの中で香りを拡げ、手元から少し離れたところに置いてみます。
デリケートな美は遠くにありて感じられるもの…
距離を置き、空気で希釈することによって香り方を調整するのです。

若々しい緑がシャープに香るトップノート…
しばらくするとほんのりと優しく漂うまぎれもない薔薇の花、
いつしか穏やかで静かな空気の中で心落ち着く…

ダマスクローズの栽培からローズオットーの蒸留まで、全てのプロセスの進化とともに100年以上歩み続けたブルガリアの会社から、今年も2011年産ローズオットーが届きました。

この「パレチカ」というブランドを監修して今年で3年目。本物の薔薇の香り、しかも今年咲いたダマスクローズからの「ローズヌーヴォー」をお届けする企画は、奇しくも2009年、日本とブルガリアが外交復興50周年の年にスタートしたのです。

3年目の今年は、9月の今頃の時期からクリスマスに向けて、オンライン通販で提供されています。「ともにしあわせになるしあわせ」を掲げるフェリシモ・サンタブックの中の商品として。
ブルガリアダマスク
ローズのローズオットー パレチカ2011リミテッド
は、おなじみ2011刻印のはいったピンクのクリスタルボトル入り。
今年はトライアルサイズとしてコチラも。

夏がすぎて季節は秋から冬へ。薔薇の恵みとともに。

参考情報
「ともにしあわせになるしあわせ」・パレチカ2011




2011年9月20日火曜日

記憶の中のアーモンド・「1粒で2度おいしい」

久々に訪れた大阪。新大阪駅でお土産を、と探したところ発見。
ぐりこ・や JR新大阪駅店

ビスコの限定パックや、クリームコロンの長~くなったコロン棒など、懐かしくも可笑しい面々を眺めた中で私が目をとめたのは、
「1粒で2度おいしい」アーモンドグリコの缶。



ああここで私はアーモンドの美味しさを知ったのかもしれない、と懐かしさのあまり購入。やはり美味しいその味は1粒で2度の感動でした。
ミルクキャラメルはずっと食べているとその甘ったるさに飽きることがあるのですが、このキャラメルは、ミルクの甘みを感じたと思ったら間髪入れずアーモンドの香ばしさが口の中に広がるのです。

確かに子供のころ、一粒まるごとのアーモンドが入ったグリコのチョコレートは大好きだったことも記憶によみがえります。

アーモンド好きの私は、「もしや」と思って色々調べてみました。
やはり。グリコの創業者は昭和初期、アメリカ滞在中にアーモンドの美味しさに感激し、これをお菓子に使用することを考えたそうです。

私はいつの頃からか、ナッツの中でアーモンドが一番好きになっていました。カシューよりもマカダミアよりもクルミよりも。何故かといわれたらその香り、香ばしさから始まる穏やかな甘み。カリッと噛んだときの香ばしさのあとにじわーっとひろがるほのかな甘みが好きなんです。栄養価なんて知る前からのファン。

グリコのサイトの中に…ありました。アーモンドの秘密をたくさん知ることができるページ。さすが。アーモンドのおはなし8 アーモンドチョコのエピソード

アーモンドのおかげで私は、大阪とアメリカが以前よりも好きになったような気分です。

2011年9月19日月曜日

"PRADA CANDY"・「香水の日」に発売

17日のブログでご紹介した「香水の日」(日本フレグランス協会が昨年から10月1日を香水の日と定めています。)については、多くの人達から反響がありました。フレグランス大賞にも是非多くの方に投票して頂きたいです。

もともと香水好きな人にとっては毎日が香水の日であったり、とっておきの気分をつくりたい日のものであったり、と様々ですが…改めてこの国で香水の魅力を再確認するには、空気が乾いてきて綺麗に香りが感じられる秋の設定というのは妥当かもしれません。

昨日読めなかった日経新聞を開くと、シックな秋の雰囲気たっぷりな写真が表紙の"THE NIKKEI MAGAZINE"第101号が。インフォメーションのページには、鮮やかなピンクパッケージの新香水。

"プラダが提案するフェミニティ「プラダ キャンディ」"。
発売日はなんと10/1(香水の日)より。

ミウッチャ・プラダを表現したニューモダンなフレグランス「PRADA CANDY」(Fashionsnap.com 2011,8,9)の記事を読むと、ちょっと試したい気分になりました。甘いお菓子のようなイメージのフレグランスといえば、真っ先に思い起こすのはティエリー・ミュグレーの「エンジェル」。そして昨秋資生堂からハーゲンダッツアイスクリーム「フォンダン ショコラ」とコラボレーションして話題になった「マジョロマンティカ」…。どれもただただ甘ったるいお菓子のイメージにとどまらず、「永遠の女の子気分」をベースにした甘美なエレガンスをちゃんと備えていました。着る人の感覚次第で躍動感あふれる魅力を演出させる可能性を持ち合わせた香調。プラダの感覚はどんなふうに表現しているのが、試すのが楽しみです。




2011年9月18日日曜日

薔薇とローズマリー・抗ダメージの味方

今日も、これでもかという残暑の陽射し。
そんな中、サッカーの試合を観戦すること14時から約2時間。
もちろん顔面はSPF値の高いファンデーション、ツバの広い帽子、長袖と防御はしたものの、汗でガードは崩れがちであるし、首筋から胸元まで全てをガードするのも容易ではない。

だからこういうときはアフターケアが大切。帰宅後、皮膚に負担をかけるものはすべて洗い流し、ローズウォーターをたっぷりつけて鎮静させた上での保湿が欠かせない。先月のブログ、「ローズウォーターで鎮められた夏肌」
でも書いたように、このような夏の陽射しを浴びた後に皮膚のダメージを抑えてくれる力を実感している。今夏、ちょっとした短時間の外出でも陽射しを浴びたなという日には毎日実践したおかげなのか、目立って浅黒く焼けた跡もなければ荒れたり痛く痒くなったりしたこともなかった。

そして、ひと夏着るとどこか皮脂酸化臭が残りがちな衣類も、薔薇の精油のすすぎのおかげもあってかクリアな印象のまま衣替えができそう。これについては、7月に書いたブログ、カビない柑橘果皮 & 皮脂酸化臭を消した薔薇花香で感じたとおり。

皮膚も衣服も、猛暑によるダメージを極力抑えられたことに感謝し、改めて私は薔薇の香りをいっそう好きになったと思う。

ところで、毎年香りの講義をしていると、必ず薔薇と「ローズマリー」とを混同して覚え間違いしてしまう学生がいる。ローズという名前に共通点があるものの、全くの別物。植物としての科も違えば香りも違う。でも、特にこの夏は、「抗ダメージ」というパワーにおいては共通点を強く感じさせてくれたと思う。

窓際に一本のローズマリーがある。4月のブログ「ローズマリーの香りから…元気と若さと記憶力」でご紹介したうちの一本。水の入ったグラスの中で長い根を張り、今も元気よく生き続けている。窓際の暑い陽射しにさらされて数日水を替えられなかったり、時々料理のために上の柔らかい葉をむしられたりと、かなりサンザンな目にあっているにもかかわらず、めげずに今もピンピン新しい葉を伸ばそうとしている。そう、この植物も確かにダメージにも強そう。

猛暑ゆえに改めて実感した植物の力。是非心に刻みたい。





2011年9月17日土曜日

第二回フレグランス大賞へ…もうすぐ"香水の日"

「考える葦もいいけど、香る葦を目指したい」(2011,9,15 中野香織さんブログ)を拝読。もうすぐ10月1日。この日が「香水の日」と日本フレグランス協会が定めて2年目。同時に2回目を迎える日本フレグランス大賞のノミネートのラインナップを知る。

香水というものの素晴らしさを実感しながら大人になった私にとっては、日本ではまだまだ香水文化の価値が広く理解されていないことを折にふれて痛感しており、昨年からの日本フレグランス協会のこのような試みを喜ばしく思っている。10月1日…秋から冬への日本の空気は確かに香水が綺麗に香るはず。

香りというものは好きだけれど香水は…と嫌悪感を示す人が少なくないこの国では、そもそも幼少期から生活の中で様々な香りを強く意識したりその恩恵を感じたりする体験自体の少ない人が多い。これは10年以上、香りを学ぶ若い学生に接してきて感じたことである。そもそも四季おりおりの自然の本物の香りも知られていない。さらに追い打ちをかけているのは、香りの使い方や着こなし方に配慮がないために、いかに芸術家たる調香師が素晴らしい香水をつくったとしてもただただ「キツイ」と敬遠されるようなまとい方をしている大人も多いという事実。どんなふうに着たら素敵に見えるか考える人がたくさんいるのだから、どんな風に香ったら素敵なのかも考えればいいのだ。想像力の問題。

香水は自分が好きな香りであることはもちろん、自分がまとったときのイメージを想像して違和感がないかを考えて選ぶ必要がある。服を選ぶときに自分の体型や肌色、印象、社会的役割、場面への適応をよく考えるように。

そういう意味では年に一度のこのフレグランス大賞にノミネートされてきたフレグランス各種は「今という時を知る」目安となり、新たなお気に入りの発掘となるかもしれない。一般投票もできるので是非ご参加を。

ちなみに私の香水デビューは6歳である。母のドレッサーで発見してこっそり使い始めた。このことは大人になるまで私だけの秘密だった。この秋も多くの魅力的な人たちが新たな香りと出会い、素敵にまとってほしいと思う。



人生における最も貴重な瞬間「アッティモ・ローフロラーレ」

三連休前の金曜日。新大阪駅では昨夕、新幹線改札前のみどりの窓口に長蛇の列。考えてみればこれから秋の深まりとともに連休が続く。この時期、結婚式などのイベントにもふさわしい。

そんなことを感じて帰宅すると…このニュース。

ロマンティックが美しく香る「アッティモ ローフロラーレ」 Salvatore Ferragamo/ OPENERS 2011,9,16

昨日が発売日。淡いローズピンクとゴールドのきらめきがなんともロマンティックなボトル。華やかな花束の中に顔をうずめてうっとりとする瞬間を想像してみる。たとえばそれはどんな場面?

愛情、賞賛、感謝のしるしとして贈られた花束に驚く一瞬…
ブーケを手に、ウエディングの主役、花嫁が微笑む一瞬…

人生における大切な一瞬は一瞬だから貴重。記憶に残るもの。

普段ドレスなど着ないのにウエディングのときには着るのも、そんな貴重な時を深く記憶に刻むため。
ならば…たとえばそのような時にこそ、普段香りをまとわない女性にもお気に入りのフレグランスをまとってほしい。
香りとともに「貴重な一瞬」の記憶が刻まれたとしたら…
その体験は、一生…何歳になっても、みずみずしくロマンティックな気分の引き金としていつでもよみがえるはずだから。



2011年9月15日木曜日

皮膚を護り風を通す…衣服は人の生命線

今日も残暑厳しい一日だった。

講義。人前に出なくてはならないのできちんとした服装でいたい。でも高温多湿で身体が消耗することをできる限り避けたい。

そう考えた私の選択は、肌触りよく通気性のよい素材でつくられたブルーの長袖のチュニックスタイルカーディガン。生地は腕には密着しているものの、ノーカラーで首周りは布が何層にも重なって皮膚を隠せるのみならず、空気を出入りさせやすい。Aラインの裾広がりで、ヒップの下までたっぷりと覆う。ウエストには両サイドからのギャザーを好きな緩さで絞れる。

強烈な紫外線から皮膚をまもるために長袖で覆いつつ、汗の発散で効率よく身体を冷やすために、通気性のよい繊維の素材と空気を含みやすいカッティングのものは有難い。

おかげで残暑の陽射しにもめげずなんとか涼やかに仕事を終えることができ、帰路に立ち寄ったのがこの展覧会。
ー暑さと衣服「民族衣装にみる涼しさの工夫」ー (文化学園服飾博物館)

できる限り皮膚を露出させて汗の発散によって体温を維持するべきアフリカの人ですら最低限保護しようとしたのはデリケートな皮膚をもつ生殖器周辺だった。印象的だったのは草でつくられたスカートのような腰に巻くもの。

ブルカの是非が欧州で問題になっているニュースを最近見たが、あの全身すっぽりと覆い隠す衣装は宗教上の意味以前に、強烈な紫外線、乾燥した空気、突風と砂埃から身を護るためのものだった。昼は灼熱、夜は急激に冷えるという乾燥地帯において、衣服は生命線。

空気を含ませるような構造で通気性をよくする工夫、山岳地帯ならではの下半身の動きの身軽さを考慮したタイツやスカート状の形態。どれも、気候風土の中で生き抜こうとした人間の科学的な要因に基づく知恵だった。9/24まで開催。










2011年9月13日火曜日

「アーヴィング・ペンと三宅一生 Visual Dialogue」展

『ココ・シャネル 1962』ダグラス カークランド写真展でその名を初めて知ったダグラス・カークランド。彼は写真家としての活動を、20世紀後半を代表する伝説的な写真家であるアーヴィング・ペンの助手として開始、と記されていた。

アーヴィング・ペンといえば、デザイナーの三宅一生が自身の服の撮影を依頼した写真家。結果、1987年から99年までに250点を超える比類なき写真が生まれたという。

「アーヴィング・ペンと三宅一生 Visual Dialogue」展がちょうど今週金曜日9月16日から開催される。

展覧会のタイトルに、"Visual Dialogue" というフレーズがある。
三宅一生は、撮影には一度も立ち会うことなく写真家にすべてを任せたそうだ。三宅一生がつくった服、というビジュアルをアーヴィング・ペンがどう見たのかを写真というビジュアルによって返答する…そういうことなのだろう。

私は、三宅一生初のフレグランスで彼をデザイナーとして強く意識し、
「この人は一見見えないように思われがちなものをちゃんと見ている。」
そう感じたことを記憶している。

見えないものを視覚化するクリエイターの、声にならない言葉を受け止めたアーヴィング・ペンは、
「私にはこう見えます。こんな見え方もいいかも。」
…こんなふうに写真によって対話したと考えると、この二人の表現者の視覚的対話がいかにユニークで魅力的なものとなったかをぜひ観てみたいと思う。

開催期間は2011年9月16日から2012年4月8日まで。





2011年9月12日月曜日

N°19 プードレ オードパルファム・風に舞うように

日曜日の夕方、銀座へ。
目的はシャネル・ネクサス・ホール。昨日のブログでご紹介の展覧会を鑑賞するために。

78才のマドモアゼル シャネルは毅然としていた。象徴的なシャネルデザインの装いに身を包み、華奢な身体をピンと伸ばし、はっきりとした意志をもって仕事にのぞんでいた。時折見せる満面の笑顔。モデルへの愛情に満ち溢れた表情。ずらりと本に囲まれたアトリエ。東洋的なものへの賛美なのか漢字が描かれた屏風…傍らにはいつも大きなサングラス(眼鏡)と灰皿。

そんな彼女の87才の生涯が終わる一年前の1970年に生まれたのが"N°19"。彼女の誕生日の数字19にちなんで名付けられたという。

現代的なグリーンノートを際立たせたイリスの柔らかな香りはどことなく東洋的でもあり、平和的でもあった。多くのファンをもつ香りときく。

そして今年8月、新たに登場したのがこの香りのエレガンスを受け継いだ
N°19 プードレ オードパルファム(OPNERS 2011,8,16)

日曜日の夕方、マドモアゼルの写真をたっぷりと眺めたあとにこの新しい香りを鑑賞した私は、間違いなくこれは78才の彼女に似合うと感じたし、シルクのドレスであれ、和服であれ、優雅な身のこなしで颯爽と歩く柔かな表情の女性にお似合いだと思った。

シャネルブティック2階でいただいた試香紙は、和紙のような感触。淡いグリーンが透かし模様のように銀色のロゴを囲んでいる。

アイリス パリダといえば同じく上質感、清潔感を感じたプラダの "インフュージョン オム"(2007)を思い起こす。年代を問わず、優美な存在であろうとすることを忘れない気持ちに共鳴する柔かな香り方。肌のぬくもりとあいまって気品を放つであろう、ジャスミンやベチバーの香りのハーモニーも聴こえてきた。



2011年9月10日土曜日

『ココ・シャネル 1962』ダグラス・カークランド写真展

『ココ・シャネル 1962』ダグラス・カークランド写真展が9月4日から29日まで、銀座のシャネル・ネクサス・ホールで開催中。今朝の日経新聞朝刊文化面に写真と共に掲載された記事で知った。78歳のマドモアゼルは実にナチュラルな笑顔で誰かを見ている。人生が凝縮されたような味わい深い笑顔。

ダグラス・カークランドは1962年、シャネルの仕事ぶりを3週間にわたって取材したという。そのときの成果としての写真が56点展示。これは観に行かねばなるまい。

シャネルといえば映画では2009年に公開されたものが記憶に新しいのかもしれないが、私には「ココ・シャネル・1981」(goo 映画)が最も印象的だった。このときのシャネルのイメージが、最近読んだ 「シャネルNo.5の秘密」から描けたシャネル像に近いと思った。この本の私の感想はこちら に綴っている。

写真から感じとれるものはきっと大きい。眺めてあれこれ感じる時間を楽しみに思う。近いうちに銀座に行かなくては。



2011年9月9日金曜日

「アールデコの館」・秋の東京都庭園美術館

秋に訪れたい展覧会がまたひとつ。

東京都庭園美術館: 東京都庭園美術館建物公開 アールデコの館が10月6日から10月31日まで。

ちょうど一年前も香水瓶の展覧会で訪れた、白金のモダンな建物。昭和8年に朝香宮邸として建てられた。この10月に開館25周年を迎えるにあたり、文化財であるこの建物を永く美術館として活用していくために11月から改修・拡充工事のために休館される。その直前の最後のお披露目である。

アールデコとは、1920~1930年代にヨーロッパで一世を風靡した装飾様式。1925年にパリで開催された、現代装飾美術・産業美術国際博覧会(Exposition Internationale des Arts Décoratifs et Industriels modernes) がその呼称の由来。

この時代を背景に20世紀のファッション史を変えたシャネルがいる。彼女の生み出したスタイルを思い浮かべながらこの館を訪れてみたいと思う。




2011年9月8日木曜日

ラヴェンダー&ローズマリーの微風・THANN メディテラーニアン フローラル

一日歩き回って話し続けて…そんな日の疲れを流すバスタイム。

とっておきのソープバーで穏やかな香りに包まれる。
それは、清涼感あふれるラヴェンダーと、海風が運んできたかのようにかすかにスパイシィなローズマリーのハーモニー。

メディテラーニアン フローラル コレクションのソープバーを使うと、より一層ラヴェンダーが好きになる。







パッケージに入っているのは、大きなお米の粒をおもわせるような和み形。
手のひらで握ったときのプチプチしたコメヌカパウダーの感触も心地よい。







きめ細かい泡立ちで優しくなでるだけでも肌はスッキリ。ほんのりと清涼感が漂い、微風のようにフェイドアウト。お風呂上がりに竹のうちわで仰ぐとかすかな余韻。ようやくリラックスできた一瞬で一日をリセットできた気分に。


2011年9月7日水曜日

「可愛い」より「惚れぼれ」・例えばチーターの子供

どうやら私は、「可愛い」と感じるよりも、「惚れぼれ」する感覚のほうが好きなのだなあと思うようになった。「可愛い」と感じるときはエネルギーを使う。ちょっと思考能力をマヒさせられるようなところもある。ときどき子猫の写真などを観た人の感想として「きゅん死」などとつぶやかれていることもあるくらい。「愛くるしい」という言葉にも「くるしい」が入っている。

「惚れぼれ」は「うっとり」とも言い換えられる。すてきだなあ…といつまでも眺めたり感じていたくなる。が、くるしくはない。なんだか心地良い。だから思考もマヒしない。それどころか好奇心が活性化されて、「うっとり」の対象についてもっと冷静に調べたくなる。

8/27のブログ「ライフ いのちをつなぐ物語」・物語にするのは人の脳でも書いたように、私はこれまでさほど意識していなかったチーターという動物に魅かれた。地上の生き物で時速100kmで走れるという圧倒的なかっこよさ。その能力にふさわしいプロポーションの身体。小さな頭と長い脚。脚が命のこの生き物は長距離を走れないため自らの能力を最大限に生かすため、最大限に頭脳を回転させる。その生き様に「惚れぼれ」してしまった。

先週、札幌の円山動物園で一頭の赤ちゃんチーターの名前が「なでしこ」
と名付けられたというニュースをみたとき、アナウンサーの女性がチーターの赤ちゃんをみて「可愛い…」とつぶやいているのをきいた。

私はもはやこの生き物を「可愛い」というより、尊敬の念をもって眺めている。たとえ赤ちゃんであろうと。

例えば、THE ANIMAL BLOGで先週みつけたチーターの赤ちゃんの真正面の写真からは、くっきりと存在する目下から鼻へのティアーズライン(光の反射を防ぐため)とまなざしに、強い知性を感じる。

THE ANIMAL BLOGで今日発見した横顔 からは、幼いながらも威厳さえたたえた美しさにうっとりする。

よく考えてみれば香水を選ぶときも、「うっとり」できる香りかどうかが決め手になっていたなあと振り返る。






2011年9月6日火曜日

帆立の旨味が上品に香る…北菓楼の開拓おかき

先月北海道に出張に行った時、小樽の北菓楼店で枝幸産帆立貝…に魅かれ真っ先に購入。ついつい「もう一袋」と買っておいたおかきのことを思い起こして開封。賞味期限は製造から35日間。ハサミを使わないと開けられない。

北海道開拓おかき 帆立味 (北菓楼)は、私にとっての「おかきNo.1」であり、こんなにも帆立の旨味と香りがさりげなく上品に染み込んだ食べ物としてずっと記憶に残るはず。

帆立の旨味はアミノ酸、グルタミン酸、タウリン、コハク産などタップリのはずだから、美味しくないはずがない。しかもおかきの袋には噛めば噛むほど味わい深い乾燥した「帆立の耳のおつまみ」もチラホラ入っている。

今後も時々取り寄せてみようと思い、備忘録として記録。


大人の男性に向けた本格エチケットブランド "Dext" の香るシート

ここ数日、東京ではひときわ蒸し暑い日が続いている。7~8月の強烈な陽射しが和らいできただけに、この9月の今頃の湿度の高さは、いつも爽やかな存在でありたいと願う人にとっては辛いだろう。

そんな晩夏に生まれた"Dext" というブランド。ラテン語の"Dexter" (そつがない、器用な、敏腕な)に由来。まずは、「清潔感」に対するそつのない気配りを発揮するためのアイテムが生まれたというニュースを知る。

大人の男性の新習慣、Dexter(デクスト)からオシャレなリフレッシュシート登場
ーFASHION PRESSー


汗ばむ肌を清潔にするために拭き取るだけでなく、保湿も兼ねたシート。なおかつ、3種の心地良い風景(南国にそよぐやわらかい風・地中海を思わせるみずみずしい海・木漏れ日をつくりだすやさしい森)をイメージさせる香りもまとえるらしい。パッケージデザインも大人の男性を意識している。

さりげなく、風景の一部のように爽やかな存在でありたい男性には嬉しいアイテムかもしれない。


2011年9月5日月曜日

トップノートに日本の梨はそのままで・新作『アッティモ・ローフロラーレ』

昨年9月に発売されていたサルヴァトーレ・フェラガモのフレグランス『アッティモ』。金髪女性に真っ赤なヒールというイメージビジュアルと同じく、ゴールドのボトルキャップに赤いロゴ、淡いゴールドを思わせる香りの液体。なんとなく視覚的に自分とは違うものを感じ、積極的に試すこともなく、使用するには至らなかった。

つい最近、この香りを鑑賞しながら専門家の解説を聴く機会があった。日本調香技術普及協会の第一回セミナー(フレグランス香調トレンドセミナー)の中で取り上げられた香りの一つだったから。

先入観を外して香りを吹き付けられたムエット(試香紙)に鼻を近づけたとき、

「面白い!」

と思ったことは確か。いきなり濃厚さが押し寄せてくるわけでもなく、かといって軽さで媚びた感じもしない。チョット不思議な新鮮さ。これがトップノートに使用されたキンカンや日本の梨のせいだったのかもしれない。

ひと月以上経過したそのムエット、今もしっかり香りが残っている。実は最近愛用している某香水も同じ日に同じようにムエットにつけて密封し、それぞれ保管していたが、比較的すると,アッティモのほうがはるかにしっかり香りが残っている。この香りのイメージのほうが、金髪女性&赤いヒールのビジュアルイメージに近い。香りとしてこれはこれで決して悪くはないが、やはり私のイメージではなかった。

さて、長い前置きのあとに本題。
先週より、郷里から送られた梨を毎朝頂いているうちに、この香りを思い起こし検索して発見。

livedoor HOMME 2011,8,9 の記事【新作情報】サルヴァトーレ・フェラガモより『アッティモ ローフロラーレ』が新登場!のニュースを見て、こんどは積極的に試してみようかなという気になった。理由は次の二つ。

・私が面白いと思った理由の一つかもしれない、トップノートの日本の梨やキンカンがまたもや使用されていること。

・ボトルキャップがピンクゴールドに、香りの液体がピンクに。たったこれだけなのに、なんだか昨秋のものよりも魅かれてしまう。

昨日のブログでご紹介したバーバリーの新作もローズゴールドではなかったかしら?と思い返し、この色と香りの相乗効果も確認してみたいなと興味深々。
こちらは9月16日発売。



2011年9月4日日曜日

「バーバリーボディ」はトレンチコートのように女性を包む?

世界150ヶ国以上で発売される香水とは?「バーバリーボディ」は7月に書いたブログだが、そのときにはこの香りの詳細はわからず、ミステリアスな存在としてずっと記憶に残っていた。

昨日、その続報を発見。Fashionsnap.comのサイトから。
官能的な香り「バーバリーボディ」発売、ボトルはトレンチコートの肌触り? の中で、使用されている香料やボトルデザイン、その特徴が記されている。

ローズゴールドというカラーの響きに魅かれる。コートのカラーだけでなく、女性の触覚に訴える肌触りをボトルで表現しているとは素敵。

数年前にバーバリーから発売された香水、"The Beat" も素晴らしく、コンセプチュアルなメッセージにピッタリで私も愛用した。リピートしても良いと思った貴重な香りのひとつで、このフレグランスのボトルも記憶に新しい。こちらは触覚でバーバリーブランドを表現する今回のボトルに対し、あの格子模様が大きく白で描かれていた。

果たしてローズゴールドのトレンチコートの極上の肌触りさながらに、バーバリーボディの香りは女性を包んでくれるかどうか。9月28日発売が楽しみになってきた。




2011年9月3日土曜日

上質な涼風は、しなやかな竹のうちわで

風の威力を感じた週末。
うなるように吹きすさぶ台風。
でも、こんなに強大でなければ、本来風は心地よいもの。

この夏、某アパレルブランドのお店でいただいた竹のうちわ。




このうちわを仰ぐと、繊細で拡がりのある心地よい風がつくられる。
よく広告つきで配られているプラスティック製のうちわとは大違い。
空気をかきまぜるその力が、竹のしなやかな動きによって極上の風を生む。




この軸が集まった部分をずっと眺めていたら、茶道で用いられるあの道具も竹ではなかったかと思い起こす。やはり、この、竹というしなやかな柔軟性をもつ植物の強さを昔の人は知っていたのかもしれない。私の郷里の名物ます寿しを包んでいるのも竹だった。最近は抗菌性なども注目されているようで、植物としての竹の魅力を再認識。




今年の夏はずいぶんこの竹うちわにはお世話になった。これからも大切に、ずっと長く愛用していきたい。

2011年9月2日金曜日

初めてのマコモダケ

マコモダケ、というものをいただきました。
綺麗な黄緑色から白へのグラデーションが素敵。




見かけはネギ?
触ってみると、つるんとしてしっかりした厚み。
ニオイは?ぜーんぜんネギじゃありませんでした。
特異なニオイなどなく、鼻を近づけるとごくごくうっすらと優しい大地の香りがしました。キノコでもなければタケノコでもなさそう。

調べてみました!
食の都庄内を彩る食材たち ・マコモダケ(秋)というサイトのページに詳しく書かれていたのです。




なんと。イネ科の水性植物「マコモ」の花芽に黒穂菌が寄生し根元がタケノコ状に肥大したものだといいます。ふっくら白い部分はそれだったのね。
そして歴史もふる~いようです。「古事記」や「万葉集」にも記載があるとか。

白い部分を薄くスライスして、キャベツと炒め、ペペロンチーノパスタに絡めていただきました。食感はやわらかいタケノコのような、アスパラのような。歯に楽しい。でもエグミはありません。デリケートで優しい風味です。中華料理にもよく使われるそうで、中華の得意な知人は、
「マコモダケなら、油通ししてからオイスターソースにからめてが美味しい」
とのこと。

生まれて初めてのマコモダケ。
改めて、まだまだ知らないモノはたくさんあるなと思った日でした。



2011年9月1日木曜日

「タッチトリートメント」の大切さ

引き続き、「やはり」と実感したこと。


10年以上前、アロマセラピストになってから私は、毎日修行の一環として毎日のバスタイムでは石鹸を泡立てた自分の両手で全身を洗うようになった。毎日自分の皮膚を触ることによって皮膚の状態が感じられるのはもちろん、どんなふうに触れたら心地よく感じられるか試行錯誤した。結果、手のひらを密着させて比較的ゆっくりとしたスピードで触るのが心地良いと気づいた。さらにお客様への施術や自身のセルフトリートメントを通じ、この「触る速度」が、リラックスしたときの人の呼吸のリズムに合致することが重要と認識。
こんなことは学校では教えてくれない。皮膚についても専門家の著書で勉強した。その精巧なバリア機能とデリケートな構造を知れば知るほど、現代人はあまりにも皮膚を洗いすぎで無防備に触りすぎだとも実感していた。

これまで勉強のためだけでなく自分のリラックスのためにと様々なプロのアロマセラピストに施術を受けたが、このスピードで満足できたケースは少なく、かえって疲れることもあった。エステティックサロンの施術は結果ありきなので、どこかしら「結果のためには多少の苦痛はガマンして…」と心地良さへの期待値を下げて受けるので、求める価値は根本的に違う。

それゆえ、昨夜NHKの「ためしてガッテン」という番組で、皮膚に触る速度が1秒間に5cm位のとき最も心地よいというアメリカでの研究データがあったという話を垣間見たとき、「やはり!」と思った。私はこの部分しか見られなかったが、ずっと視聴していた家人によれば、こうしたゆっくりとした触りかたによるハンドタッチによって認知症が改善したケースがあったという。皮膚で感知する心地良さや安心感が脳に与える影響は大きい。考えてみれば、胎児の初期、まだ未分化の頃の外胚葉という部分に、皮膚は神経とともにあった。皮膚へのこうしたタッチを、単に「丁寧な人柄ゆえ」とかそんな曖昧なことは言えなくなった。科学的にも立証されはじめている。それは従来のいわゆる特定の治療効果を目的にした「マッサージ」ではないと思う。もたらされるものは深い心地良さと安心感。その先、その身体と心がどう変わるのかはその人それぞれなのだと思う。



「可愛い」が「こわい」

夏の終わりに、動物的というか、本能的というか、そんなところから日ごろもやもや感じていたことが明確になった。


「もっとも弱いものこそ、最強」(8/31 中野香織さんブログ)
を読み、確かに、いわゆる可愛いと思えるものばかりずっと眺めているとどこかそこはかとなくこわくなってくる。このこわさは何か。私の場合はこういうことではないかと思う。

・「可愛い」とこちらが勝手に思っているだけで、思われているそのものにはそ
んな意図も意識も毛頭ない。媚びもなけれな迎合もない。ただアルガママである。

・アルガママの強さ。存在だけで人の感情を動かす強さ。そのオーラをこれでもかという勢いで浴び続けるとこわくなってくる。

私は猫が大好きでかつて幼かりし頃キティちゃんも好きだった。でも時々遭遇する位で十分と思うのはこうした感じ方に起因するのかもしれない。