2012年12月30日日曜日

2012年の8展に感謝をこめて

ブログを書き始めてよくわかったことは
自分の興味の対象でした。

美術鑑賞の楽しさは
22才でパリに滞在した頃に美術館巡りに没頭した日々の
かけがえのない記憶です。
自分とは違う時間、場所で生きた人が
何をどう感じたのかを、描かれた表現を通して感じる面白さ。

さて。
26日、27日と今年の8冊、8香を記しました。
本日30日は今年の8展を
記事中に綴った私の忘れ難いフレーズとともに
記したいと思います。


1.
「線の旅」に感じたもの・「難波田史男の15年」展

内面に浮かんだなにものかを追いかけていくうち
線は音符になり、言葉になり、カタチになり。
見る人の記憶という背景の中に像を写す。


2.
ペイズリー文様に感じる・人が大切にしたもの

人は、人にとって役にたつもの、大切なものを忘れないように柄にして目に焼き付け、後世にも身に付けるもののヴィジュアルとして伝えたかったのではないかとふと感じる時間だった。


3.
18 visual works from 12 kinds of aromaー 文化学園大学 けやき祭にて

I'm a lecturer of "Fashion and Aroma" , the name of subject,
in Faculty of Liberal Arts and Sciences at this university.
In "Fashion and Aroma", each student tries to design visual work
inspired by each 1 aroma of natural plants.


4.
セザンヌのパレットー セザンヌ パリとプロヴァンス展より

初期は人も風景の一部ととらえていたというが、年月を経て、妻や彼の晩年の身の回りの世話をしてくれたという庭師への心の距離感が絵に表れている。


5.
パリに学んだ二人の日本人画家

美術史には詳しくはないが、この二名の画家の名前と印象は私の記憶に刻まれたと思う。人生は長いようで短い。できるものならば、限られた時間はこのような出逢いで満たしたい。


6.
日本初のレーピン展 ・"Ilya Repin master works from The State Tretyakov Gallery"


「…気がつくと美術はいつもそばにある、…」というような言葉をレーピンが残していたが、この類い稀な感性と技術を持つ画家にとってはまさしく生涯のほとんどがそう感じられたはず。


7.
「薔薇は美しく散る」・40年前の出逢い

その絵は色がないほうが印象的であり、かつ絵そのものよりも、登場人物と空間の境である線の流れ、セリフの表現に目が注がれる。この表現は黒と白の漫画独特の表現。


8.
優れた美術品収集こそが一族の栄誉…『リヒテンシュタイン 華麗なる侯爵家の秘宝

こうした展覧会を眺める楽しさのひとつに
描かれた当時の建築、装飾、服飾などの様式を鑑賞することがあります。

2012年12月29日土曜日

12月末・東京2景(世田谷 & 丸の内)

12月27日。快晴。
徒歩圏内のユリの木公園を歩く。
太陽の光が澄み切った冷風に映えて
ふと見上げれば、こんなに空の色がブルー。




せたがや百景 NO.31 北沢川緑道ユリの木公園の街路樹では、こんなにも元気に高くのびる木の姿が仰げる。




街路樹にそった住宅の庭に、こんな可憐な花を発見。




椿の一種だろうか。
太陽の光を受けて葉も花も輝いている。

12月28日。雨。
冷たい雨が降る夕刻の空はグレイ。
東京駅丸の内北口を出てオアゾに向かう横断歩道を渡り
振り返る。




オアゾ内、丸善 丸の内本店 でたっぷり2時間。今の自分に必要な新刊本に出会えた。買いたい本をこの目で探そうと思ったらここに来るしかない。
仕事納めの28日夕刻の丸の内。
人の多い東京駅構内を避けて丸の内線にて帰路へ。

2012年12月27日木曜日

2012年の8香に感謝をこめて

「周囲の方々と…香りのおかげで元気でおります」
メッセージカードにそんなフレーズを書く今日この頃。

こんなにも感染症の蔓延する季節にもかかわらず
風邪もひかないでいられるのは
私の場合、日々多くの香りたちに囲まれているからでしょう。

今年お世話になった香りの中から
特に香りとともに着用した服までくっきり記憶しているフレグランス7種、
もはや私にとっては生きていく上で欠かせない天然香料1種に
それぞれ感謝の言葉を添えておこうと思います。

新月に・春の光香る・EAU CLAIRE DES MERVEILLES
達観した穏やかさと初々しい気持ちに合わせたのは
カシュクールのニットとアンシンメトリーなスカート。
懐かしい方とお会いできました。

薔薇色のかわりに香りを添えて・"Rose The One"(Dolce-Gabbana)
見えない花束をそっと抱えるような仕草の淑女気分には
オーガンジーの薔薇ボタンが同色の生地に映えるブラウス。
初々しい人達の晴れやかな笑顔に会えました。

紫の香り・ジャンヌ・ランバン クチュール オードパルファム
少女の愛らしさと大人の深い気品のグラデーション。
光沢のあるシャツブラウスと変則的なヒダの流れるAラインスカート。
多くの人達に喜ばれる体験の場を提供できました。

花に人の美をたとえる・Flora BY GUCCI GLAMOROUS MAGNOLIA
みずみずしく清楚に咲く花のように。
ピンと張りのある襟元に縁取られたレーシーな白ブラウス。
ハードスケジュールも終始穏やかな笑顔が保てました。

ボトルに秘められたエレガンス・モン ジャスミン ノワール ローエキスキーズ
陽光あふれる庭園に佇むかのごとくの寛ぎにつつまれて。
エキゾチックな植物柄のショール、パールグレーのコート。
冬の寒さも慌ただしさも忘れ、夜になっても心明るく過ごせました。

形は風次第・DAHLIA NOIR の香りと秋の空気
可憐で儚い香りの行方に待っているのは官能的なあたたかさ。
タイトシルエットのシャツ。首元に揺れるのはオーガンジーの重ね襟。
気遣いの多い役目も笑顔でクリア。最後まで心はあたたかいままで。

それは厳かな水・セルジュ ルタンス ローフォアッド
クリアにきらめく気品。ミステリアスな冷たさが体温に映えるはず。
白黒モノトーンの組合せ、その足元にオリエンタル模様のボルドーカラー。
クールな言動の裏には熟考したプランの数々。成果あり。

Self-care by Rose otto , after this summer time
美を咲き誇る現代の多様な薔薇たちの母、
原種のひとつであるダマスクローズのパワフルな香りに
日々癒され、優雅な空気をいただきました。

Merci beaucoup !


2012年12月26日水曜日

琥珀色の光とフリージア/Issey Miyake L'Eau D'Issey Absolue

新年に発売される新作フレグランスの中で
チョット気になるのは
Issey Miyake L'Eau D'Issey Absolue
2013年1月デビュー。

琥珀色。
こういう光の色を確かに見たことがあります。
心底キレイと感じ、幸せな気持ちになりました。
そんな気分にさせてくれる香りでありますように。

香料にフリージアが使われています。
立春の頃
黄色く可憐に咲くフリージアの麗しい香りに
励まされたことを回想して書いていたコチラが記憶によみがえります。

年あらたまり、寒さの中にも
春に思いを馳せる人達にとって
明るい光となりますように。

2012年の8冊に感謝をこめて

2012年も多くの書物に出会いました。
好奇心をくすぐる書物の存在はかけがえのないものです。

sawaromaブログでご紹介した本のうち
私が香りの専門誌 " PARFUM " 161~164号の書籍紹介ページ "BOOKS "の中でも媒体用に新たに紹介文を書いた8冊を記します。


サラ・ローズ著「紅茶スパイ 英国人プラントハンター中国をゆく」(原書房)


円城塔 著『道化師の蝶』・言葉の連環がひらく世界


The aroma reflects its producing district…『佐々木薫のアロマテラピー紀行』


『ローズ・ベルタン マリー=アントワネットのモード大臣』から回想した二つの物語


『共感覚という神秘的な世界』を読み、共感したこと


ポーラ・バーン著『パーディタ メアリ・ロビンソンの生涯』から想像する18世紀末のイギリス美女


花は厳しい環境の中で開く・野村哲也 著『世界の四大花園を行く―砂漠が生み出す奇跡』より


鷲田清一 著『ひとはなぜ服を着るのか』で振り返る「境界を意識した歴史」


書物、そして文字、
さらには文字を解読できることを有難く思います。

限られた時間の中で
自分一人では決して知りようのなかった
考えつくこともできなかった世界を
文字を通して共有共感できる喜びに感謝を込めて。

2012年12月25日火曜日

香りと数字・カカオの場合

クリスマスイヴの夕刻、
翌朝からの仕事のために品川から新幹線に。

ついつい立ち寄ったエキュート品川。
またしてもコチラ へ。

今回魅かれたのは、このカカオ95%の「54」。


なんといっても、ほぼ「カカオ」。
翌日帰りの新幹線にて試します。

やはり!

以前、フランス土産にと
炒っただけのカカオ豆をいただいたことがありました。
そのときのふくよかな香ばしさ、渋みと酸味のバランス。
これはワインにも合いそうです。

帰京の新幹線が品川に着くと、またまたのぞいてしまいました。
今度は、内容ではなく数字で選んでみようと思って。

19年前、私が男の子を出産した12月16日にちなんで。


「16」は彼の大好きなサッカーの盛んな国でもあり
「南アメリカ最大のカカオ生産国。強い苦みと渋みが特徴的。ドライでウッディー、スパイス様の香り男性的で力強い印象です」
とのこと。まるでフレグランスを形容するかのごとく。

香りのあるものを数字でネーミングする。
便利な方法です。
私もかつて、某役者さんのために香りを調香したとき
使用した香料数とその人の頭文字を組合せた暗号にしました。

人によって様々なイメージが感受され得る香りだからこそ
ネーミングをストイックに。
そのストイックさが
逆にミステリアスで面白かったりするのです。



2012年12月22日土曜日

" PARFUM " No.164(2012~2013冬号)発刊

12月20日。
香りの専門誌" PARFUM " No.164(2012~2013冬号)発刊です。


今回の表紙は
オーキャッチ プリティ キャット ヴァイオレットキャットの
イメージヴィジュアル。
華やかで小悪魔的魅力いっぱいの香りが伝わってきます。



毎年年末号と初春号とを兼ねた冬号は
新製品ニュース盛り沢山ですが
今回もひときわ豪華。
一部をご紹介します。


新年早々発売されるイッセイ ミヤケの新しい香り、
"PARFUMS PLEATS PLEASE ISSEY MIYAKE"について
イッセイ ミヤケ パルファム副社長へのインタビュー。

磐田市香りの博物館にて2/3まで開催の「美しき香水瓶」展
のご案内や、とちぎ蔵の街美術館にて2/2〜3/31開催予定の
「香りとファッションの美学展」のお知らせ。

ポーラ文化研究所主任学芸員 津田紀代さんによる連載
「時代をリードした香り美人とファッションー8」
では、エルザ・スキャパレッリにクローズアップ。

"ESQUISSE"にて紹介の版画作家、斉藤里香さんの
作品ヴィジュアルからは香りはもちろん
五感が切り取った一瞬の空気が伝わってきて
2/25から3/9まで開催予定の個展にはぜひ足を運びたいと
思います。

雑誌「パルファム」の魅力は
まずは眺めて
見えるものから感じる香りをあれこれ
想像するところにあります。
時間をかけて
眺める時ごとのモードで
文章をつらつらと味わう楽しみを
季節とともに。


聖なる時に・Eau de Parfum No.1 Frankincense / Nealsyard

フランキンセンス。
イエス・キリスト生誕時に捧げられた三つの貴重なものの一つ。

この香りに初めて出会ったときに私が感じたイメージは
かなりインパクトのあるものでした。

シトラスでウッディ
クールな第一印象
いつしか包み込まれるような温もり
厳かな時間
遠い記憶
遠い道のり
確かな今…
深く呼吸している自分という生き物

そんな記憶を華やかに思い起こさせてくれたのが
こちら、オードパルファン フランキンセンス(ニールズヤード)



トップノートのネロリやベルガモット…
このフランキンセンスがかすかに感じさせるシトラス調の明るいトーンを
綺麗に引き立てています。

かつて、某声楽家へのミュージカルデビューのギフトにと
天然香料のみのオリジナルフレグランスの調香を依頼されたとき、
私が選んだメインの香料は
彼女の好きな薔薇と
彼女の厳かな声のためのフランキンセンス。
そして彼女が声楽修行で滞在していたイタリアにちなみ
ベルガモットとネロリもトップノートに合わせたことを回想。

先日、天然香料やフレグランスについて学んだ大学生にも
この香りを聴いてもらいました。
イメージワードとして多く挙がったのは
「落ち着く」「深く呼吸」「森の中」「女性だけでなく男性も」…

「今日の自分が一番求めていた香りかもしれないー」
そんな一言を書いた学生もいました。

もうすぐクリスマス。
聖なる時に
特別の香りとともに。


2012年12月19日水曜日

L' atelier du ruban で拡がるリボンの世界

リボン。

この響きから何を想像するかは人次第ですが
私にとっても常に数種類揃えている大切なもの。

一番の目的は束ねるため。そして装飾。
大切なものを包み最後に結ぶため。
他人にプレゼントする場合だけではなく
自分のノートや本を束ねて持ち歩くときにも
良くつかいました。

最近では
ネックレスやベルトのチェーンがわりに選ぶことも。

さりげないけれど
結ばれたモノのニュアンスを香らせる
大切なツールです。

こんなwebサイトを発見。
L' atelier du ruban

リボン専門サイトで、フランスリボン・ドイツリボン等、世界の洗練されたリボンを取り揃える輸入リボンのオンライン専門店となっています。
日本のリボンもなかなかシックです。

太めのリボンで花やリースもつくれそうで
リボンそのものをクリスマスギフトにしても楽しそう。


2012年12月18日火曜日

Eau de Parfum No.2 Rose / Nealsyard

アロマテラピーのための天然植物精油や化粧品を展開する
イギリス生まれのブランド、ニールズヤードより
今秋、天然香料でつくられたパルファンが登場。

その一つがオードパルファン 『ローズ』




ローズをよりローズらしく。
香料素材を
他の香料とブレンドし調和させることで
その魅力を引き出し
磨かれてつくられた液体の宝石のようなもの。

深く華やかでスパイシーでなめらかで…。
やわらかく素直に。
ストレートに花の香りです。

いわゆる
パルファン、フレグランスというものを
初めて使ってみようと思うひとにもすすめてみたいと思います。

9月から天然香料やフレグランスについて学んできた大学生にも
本日このパルファンの香りを鑑賞してもらいました。
高級感や上品、艶かしさ、大人…などの印象でとらえられた様子。

香料としてのローズのインパクトを
あらためて実感できる香りです。
私は、イングリッシュガーデンの薔薇が咲き誇る風景を想像。

2012年12月17日月曜日

56Chocolates から思い起こすチョコレートデザイン

クリスマス間近のエキュート品川にて。

アクアブルーにブラウン、というカラーに魅かれ
出店していた56Chocolates をチェック。


56種のチョコレートから私がまず試してみたいと思ったのは
シングルビーンのマダガスカル(03)。
バニラやイランイランなど芳醇な香料の産地ゆえに。

カカオの香りが大切にされたチョコレートが好きなのです。

予想通り、爽やかな酸味と
フルーティーともフローラルともいえる上品な香りが立ったあと
甘みのあとから穏やかに渋みが追いかけてきました。

ガーナ、コロンビア、ブラジル…
シングルビーンを他にも試してみたいと思います。

さて、このチョコレート、
ビジュアルデザインでは
何だかコチラ を思い起こしてしまいます。
カカオブラウンに似合うブルーを合わせる、なんて考えが重なったのかも。

そして、「世界の香り辞典的バリエーション」という
チョコレートブランドとしての意味ともいうべきコンセプトデザインは
コチラ を回想。

さすがチョコレートの明治。
時流のいいところ取りでしょうか。まさにファッションです。
文化としてチョコレートをもっとカジュアルに伝えようとしている感覚が
ちょっと優しくて嬉しい気がします。

2012年12月16日日曜日

冬の空に

昼下がり。選挙の投票にと外出。
考えぬいて選んだ一票は無意味でないはず…
と思いつつ
冬の空を見上げる。



木漏れ日に揺れる葉のさざめき。
乾いた空気の中で
葉それぞれの速度で生きている証の色たち。

こちらは遠くから、まるで黄金の実のように見えた。


みかんの木。
厳しい季節に実をつける生命力の色。

元気を有難う。

招き猫

徒歩圏内にある豪徳寺は、招き猫発祥の地といわれています。
小田急線豪徳寺駅前には、招き猫の石像もあります。

招き猫の寺・豪徳寺

猫は毛づくろいでもしていただけなのかもしれませんが
招いているように見えたのでしょう。

豪徳寺駅周辺のパン屋さんや和菓子屋さんでは
招き猫にちなんだお菓子が色々販売されています。
人形焼のようなねこやきもそのひとつ。
年末年始になると…親しい人にプレゼントしています。


我が家にも大きな白の招き猫が20年以上佇んでいます。
毎年お正月を迎える頃にはピカピカに磨いています。
特に金運を期待しているわけではないのですが
猫が大好きなのです。

猫のまるみのあるボディのカタチは
眺めるだけでもなごみます。
そんな存在が私には「神様」です。

2012年12月13日木曜日

" Dior J'Adore L'Absolu " のために選ばれた花香料とガラス

アメリカのフレグランスサイト、FRAGRANTICA の記事で
素晴らしい動画フィルムを発見。

New Fragrances
Dior J'Adore L'Absolu
12/05/12 04:58:55
By: Sandra Raičević Petrović


記事の終盤に貼られた動画。フランス語で調香師が語るシーン。
香料、フレグランス、そして美を愛する人は必見です。

グラースのグランディフォラム ジャスミン、ローズ ド メ、
南インドのサンバック ジャスミン…
イタリア、ムラノでのガラスボトル制作…
ディオールの美学が求めた花香料とガラスが
いかに選ばれ、いかにカタチとなっていくかを
見ることができるでしょう。

調香師フランソワ・ドマシーは
香料の源である花から
得たいと思う最高の状態の香りを得るために
香料生産者と深い信頼関係を築いています。

香料素材の魅力を徹底的に探求するということは
世界中を旅すること。様々な人と協力すること。

ボトルにかけられた情熱。
それは「触ってみたくなる衝動を駆り立てる存在」
を生むことでもありました。

クリスチャン・ディオールから1999年に発売され
高い支持を得ているフレグランス" j'adore"(ジャドール)の
最新限定エディション(限定数300・1点$3500)が
2012年11月に発売。
輝く黄金が散りばめられたボトル。

最近テレビでふたたび…
あの、ヴェルサイユ宮殿内にて撮影され
グレース・ケリー、マレーネ・ディートリッヒ、マリリン・モンローが
登場する" j'adore"(ジャドール)のCMを見かけたのは
まさにこうした背景があったのかと気付きました。

みかん

今日は新月。
見えないけれど、まあるいものを想像。


12月のはじめに
箱入りの愛媛産みかんを購入。


つやつや・オレンジ、みかんの皮の色は暖かく
剥くと四方に爽やかな香りが拡がりました。

甘酸っぱくて懐かしい味。房ごといただきます。

一個いただくとビタミンC効果なのか
疲れがとれるような気がします。

この1週間、毎日みかんを頂いたおかげか
風邪もひいていません。感謝。

果物ナビ 温州みかん をチェック。
優雅な白いみかんの花、たくましい葉、そびえ立つ木。

日本のみかんの輸出量最多の国はカナダでした。
ジュースにでもするのかもしれません。

2012年12月9日日曜日

香りを着る・" COCO NOIR " の場合

ここに一枚の紙片がある。

10日前に吹き付けたにも関わらず
穏やかに、優美に聴こえてくる香り。

強い意志を秘めながら
生への感謝と慎みを忘れない
気品漂う人物がそこに確かに存在したかのように。
男性か女性か? 20代か40代か?
そんなことは関係ない。

香りの名前は "COCO NOIR CHANEL"



さて。
月の綺麗な晩秋の夜。
日頃からお世話になっている
私にとっては目上の
尊敬すべき方々とお食事しながら談笑。
私はお会いする方々への敬意と、その夜の風景から
この香りを着てみようと思った。

クラシックな白のブラウスに
襟元と袖口がゆるやかに開いた黒のウールセーターを重ね
膝丈の黒スカート、黒のヒールを合わせる。
これらと私の皮膚の間(ウエストよりも下)に数カ所この香り。

お会いいただけた貴重な時間を丁寧に過ごし
"À bientôt (またそのうちにお会いしましょう)"と
笑顔でご挨拶してお別れする…
そんな気持ちでいられたのは
この香りのおかげかもしれない。

以下、 "COCO NOIR CHANEL" リリースより
この香りの構造をメモ。

グレープフルーツ
カラブリア産ベルガモット

ローズ エッセンスとアブソリュート
ジャスミン アブソリュート
ナルシス ノート
ローズゼラニウム リーフ

ブラジル産およびベネズエラ産トンカビーン
インドネシア産パチュリ
ニューカレドニア産サンダルウッド
ブルボン産バニラ
ホワイトムスク フランキンセンス

2012年12月5日水曜日

『香りとファッションの美学展』・とちぎ蔵の街美術館にて来春開催

香水評論家・平田幸子さんのブログより
「香りとファッションの美学展・開催です」

平田さんはこの展覧会の監修をつとめられています。

人の本能に直結しその想像力を深く刺激する「香り」。
これが「時代ごとの空気感」に影響されないわけはなく
そうした空気感が時代ごとの「服飾文化」に反映されています。
ですから「ファッション」を
広義の「時代ごとの空気感を背景とする様式・様相」ととらえたとしても
狭義の「服飾文化」ととらえたとしても
いかに「香り」と密接に関わっているものであるかが想像できるでしょう。

私自身も幼少期のころ、フレグランスの香りから
未だ見ぬ大人の自分の装いを想像することができました。

実際に各年代の香水の香りやボトルデザインと服飾をあわせて鑑賞すると
それがどのような時代を反映していたかを感じ取ることができるはず。

とちぎ蔵の街美術館のコチラ の2月のカレンダーにも表示されています。多くの方に鑑賞いただけますように。

2012年12月4日火曜日

それは厳かな水・セルジュ ルタンス ローフォアッド

今年一年に発売されたフレグランスの中から
今年感、
香料素材への新たなアプローチ、
香りとビジュアル表現両面から感じられる芸術性、
これら3点において卓越していると私が感じ、選んだ8点を講義で紹介。

発売順に、ということで筆頭はこちら。
3月21日発売。



セルジュ ルタンス ローフォアッド

冷たい水、という名称ではあり
春から夏にかけてその清涼感、透明感を
ミステリアスな雰囲気とともに楽しんだ人も多いはず。

ソマリアの乳香の醸し出すスモーキーな渋みと
ほの甘い樹脂のスパイシー感がよくこの透明感に映えています。

私はあえて夏に使わず、
今日のような寒い冬の午後に試しました。
感じたのは冷たさというよりも厳かさ。
極寒ゆえにつくられる美しい雪の結晶の気品が香ります。

頭の中に静かでクリアーな空気が漂い
厳かな気分で過ごすことができました。
いつしか冷たさは温かさに変わり
私の一部になっていました。

ボトルに記された文字ヴィジュアルのイメージ通りです。

2012年12月2日日曜日

コフレで揃える三つのアイテム…頭文字はP・M・R

もしも
メイクアップとしての化粧品を
一つしか選べないとしたら
私は迷わず香水(PARFUM)を選びます。

もう一つ選べるなら
次は黒のマスカラ(MASCARA)。

三つまで選べると言われたら
明るい赤系の口紅(ROUGE)を。

この冬。移動が多く
これらを携帯できるならコンパクトに
と思っていました。

そんな時に目にしたクリスマスコフレ。



左の口紅スティックには指に掛けられる部分もあり
香水もマスカラもミニサイズ。

たとえブランド名がこれ見よがしに見えなくても
この佇まいで私は十分にエレガンスを感じます。