2012年3月31日土曜日

曲線と陰影・薔薇の場合

ここ数日、私のそばで輝くように咲いていた花。


放射状に拡がる曲線は
ゆるやかに光の濃淡を描き
ながめただけでも漂う香りを想像させる。

曲線と、その重なりが生む陰影。
あまりに絶妙なので記録。

まとまらない髪や
スカーフやストールの巻き方に悩んだりしたときは
この画像をながめて気分をリセットしよう。

あざやかな黄色に
明日から始まる卯月を想い
新年度を今年度よりも素敵にしたいと願う。



2012年3月30日金曜日

新・渋谷に "JARDIN DES PARFUMS(香りの庭)"

「香水(フレグランス)をどこで探しますか。」
そう尋ねられることが多い。
そんな質問の答えの一つになりそうなのが
今春新たにオープンする渋谷ヒカリエのショッピングエリア、「ShinQs(シンクス)」1Fの「JARDIN DES PARFUMS(ジャルダン デ パルファム)」。

渋谷ヒカリエに新コンセプトフレグランスショップ「ジャルダン デ パルファム」がオープン 。オープンは4月26日。

あらかじめお気に入りがわかっている場合はともかく
ゼロからイメージに合うものを探すというのはなかなか大変。
しかも一度に何種類も嗅ぐ、というのも容易ではない。

さまざまなブランド、タイプのフレグランスが揃っていて
そのビジュアルイメージとともに香り自体を一箇所で自由に試せる
というのは、香り選びにはとても大切なポイント。
服と同じく試着〜ラストノートまでの検討は当然必要なので
すぐに買う必要なんてない、と思わせてくれる雰囲気もたいせつ。

かつて
「セフォラ」というそうしたタイプのフレグランス専門ショップが
原宿にもあったけれどほどなく撤退されてしまった。ヨーロッパでは
人気があるのだけれど、ブラックが基調のシックな店内は、まずは
ラフに香りを楽しみたい若い人たちにはチョット敷居が高かった?

パルファム。
フランス語の "PARFUM" は必ずしも日本語の「 香水」のみを示すの
ではなく、良い香りのもの様々を示すので、このショップにも
いわゆる身につけるタイプの香水だけでなく、ボディケアアイテムや
キャンドル、アクセサリーなども幅広く探せる。

「ジャルダン デ パルファム(香りの庭園)」という名前通り
庭園を散策するかのように、拡がるイマジネーションの中で
香りとの出逢いを楽しめそう。

渋谷ヒカリエ は新・渋谷のランドマークを目指しているとのこと。レストランスペースにもなかなかおもしそうな地方料理のお店もあるようで…ちょっと期待してみる。


2012年3月29日木曜日

透明感…"L'EAU DE CHLOE "のジェンダーフリーな魅力

ようやく春らしくなった今日。
先週末に調香師の方からいただいた"L'EAU DE CHLOE"の試香紙を取り出し、
ラストノートをチェック。

眩しい太陽の光を受けて
成長期の植物が透明でフレッシュな息づかい
すがすがしく心地よい微風


そんな印象が感じられ、トップノートに使われたというシトラス系の天然香料セドラの残り香もあわせて確認。たしかにこの爽やかなレモネードのような印象、生きている。

これからの季節、この初夏の光とそよ風のイメージを彷彿とさせる香りは男女ともにあらゆるシーンで使われる予感がする。

そして本日このニュース。
クロエからフレグランス「L'EAU DE CHLOE」のボディローションとシャワージェルが限定発売

このグリーンティーのようなカラーのフレグランス。天然薔薇から蒸留されたローズウォーターが約20%入っているらしく、リラクセーション効果やスキンケア効果求められそう…と思っていたらやはり今度はボディローションやシャワージェルも5月発売とのこと。

何歳になっても、女性であろうが男性であろうが、どんな職業であろうが…いつも透明感あふれるみずみずしさを保ちたい。

2012年3月27日火曜日

Un bouquet jaune (黄色い花束)

黄色い花束。
手前に薔薇、右にチューリップ、上にガーベラ、
そして奥にひらひらスイートピー。


清々しく可憐な甘さがハッキリと香るのはマメ科のスイートピー。
フランス語では、" pois de senteur " (ポワ ・ドゥ・サントゥール)。
" pois" とはマメ、 "senteur" とは芳香。

ガーベラはヒマワリと同じくキク科。
この花を発見したドイツ人自然科学者の名に、名前の由来があるそうです。
ポップな色合いと全開の花びらが元気を与えてくれます。
タバコの煙などに含まれるベンゼンを吸収する働きがあり、空気の浄化にも役立つのだとか。

ユリ科のチューリップ。
ほんの少し開きかけた花びらの奥…
控えめにフワリ淡いドライフルーツのように香ります。

黄色い薔薇。
こちらもささやくようにほのかに
あの…優雅な薔薇のなめらかな香り。

白のかすみ草とガーベラにふちどられた黄色い花束。
今はリビングのブルーのカーテンを背景に木漏れ日を浴びています。

この季節、たくさんの花束が人から人へ贈られるのでしょう。
ぜひ香りの声も聴いてあげてください。

参考文献:
『お花屋さんでフランス語』酒巻洋子 著/(株)三修社





2012年3月25日日曜日

チュベローズ(月下香)と "Valentina"(Valentino)

昨日午後。
2010年秋にコチラ
でもご紹介の日本調香技術普及協会主催のフレグランスセミナーに参加。

新作フレグランスの香りと、それぞれに特徴的に使用された香料とを嗅ぎくらべながらベテラン調香師の先生方のお話を聴く。

単なる香料という素材が、調香技術によって、こうも豊かにイメージを拡げるフレグランスに生まれ変わるものだと、改めて感心する。

調香師とは…
自然界から香りの原石ともいうような香料を探り出し
その香りが発するメッセージを理解し、役割を生かし、
さらに自然素材からヒントを得て創り出した合成香料とともに
繊細な表現を補いながら普遍的な美のイメージを追求する。
… "ARTIST" そのもの。

日本では3月14日に発売されたフレグランス "Valentina"に感じられる、クラシックかつ多面的魅力を秘めた女性像は、ミドルノートに使用されているチュベローズ(月下香)の余韻効果も大きいとみた。香料原液は、パウダリーで妖しい。媚薬的。ミステリアスな香気を放ち、一度嗅ぐと何度も嗅ぎたくなってしまう。

チュベローズ。
薔薇ではない。メキシコが原産であるという説が有力。
学名は、Polianthes tuberosa Linne。
単子葉綱ユリ目のリュウゼツラン科、月下香属に分類される半耐寒性の多年生球根植物で、かつてはスイセンやハマユウなどと同じヒガンバナ科に分類されていたという。
花は特有の甘美な芳香を発し、その強い香気は日没とともに一段と高まる。
バラやオレンジの花のように花弁の中に香気成分がすでに存在しているのではなく、ジャスミンと同じく開花しながら徐々に香りを発するため、水蒸気蒸留法では本来の匂いを抽出できず、アンフルラージュと呼ばれる吸着法で長年製産されてきたという…
(以上は
国際香りと文化の会・会報誌 "VENUS" Vol.17 中「神秘的な香料素材 チュベローズ」の文章を参考にまとめた。この冊子表紙はチュベローズの写真。)


2012年3月23日金曜日

"PARFUM"161号(春号)発刊

香りの専門誌 "PARFUM" 161号(春号)が発刊。春らしいブルーの表紙です。




創刊40周年を迎えた前号に続き、今号もアーカイブNo.2として
懐かしいビジュアルが紹介されています。
これまで表紙に使用されたり誌面上に掲載されてきた中から、編集長によりピックアップされたフレグランス広告ビジュアル。

海外では、フレグランスのイメージを伝えるビジュアル広告はテレビCMをはじめとして一般の人にもよく見られますが、日本ではファッション誌など限られた媒体でないとなかなか見られません。香りをビジュアルで伝えるために、写真家、デザイナー、アーティストが創造性を発揮しながら生み出している広告ビジュアル。眺めるだけでも様々なことが感じられます。そんな芸術性豊かな広告ビジュアルが40年間もの間、収録され続けているのも "PARFUM" の魅力でしょう。

最新号の今号では、コチラのブログ にてご紹介の、「シニョリーナ」(サルヴァトーレ・フェラガモ)や、2月に書いたコチラ の「10:10AM イン シシリア」(ケンゾー)を含め、多くの最新フレグランスのビジュアルや詳細情報も掲載されています。

4月末応募締切の読者プレゼントコーナーにも、春の最新フレグランスが対象となっているものがいくつかあります。応募して、忘れたころに香りとともに幸せな春が届くのも素敵です。



グレープフルーツ香痩身法について・医師の著書から考える

もうすぐ桜。この時期になると思い起こすのはグレープフルーツ。
タカノフルーツパーラーの方が
「フロリダ産グレープフルーツの旬は桜の時期とほぼ同じ」
おっしゃっていたからです。

グレープフルーツといえば昨年の5月に
コチラ でも書きましたが、その香りには魅力がいっぱい。
単に甘くて爽やかな香り、というだけでなく、痩身効果が期待できると一時期話題にもなりました。そこで改めてこのテーマについて、医師がわかりやすく記した本をご紹介しようと思います。



こちらアマゾンのページ をご覧いただければ、読者コメントも載っています。

この本で私が貴重だと思うのは3点。

1.
なぜグレープフルーツの香り成分を嗅ぎ、体内に入れることによって痩身効果が期待できるのか、その科学的メカニズムを平易な表現で伝えていること。
(ヒトが活動時に優位に働かせる交感神経を活性化する成分があり、これによって体脂肪が燃焼しやすくなるということを丁寧に説明しています)

2.
ただし、グレープフルーツに含まれる成分には、いくつかの種類の薬剤の作用に好ましくない影響を及ぼすものもあるため、なんらかの薬を服用している人は事前にこのことを確認しなければならない、と明記してあること。
(本には著者が把握しているさまざまな薬剤が紹介されていますが、このことにより、安易な導入を避けることができ、事前に医師や薬剤師に確認する必要性を促します)

3.
実際に医師である著者自身の痩身体験レポートやその他数名のカルテレポートも記されており、具体的に、どのような人がどのような条件でグレープフルーツ痩身を試みたのか、その経緯と結果が示されているということ。
(香りを嗅ぐことはもちろん、同時にアロマトリートメントや入浴時での導入方法、さらに同時に心掛けたい食生活や過ごし方についても医師の目線からのアドバイスたっぷり)

続いて、医師ではなくアロマセラピストである私の単なる体験談も。

グレープフルーツに限らず…
香りを積極的に嗅ぎ、意識し、生活に取り入れるようになってから、自衛のための身体の本能的な感覚が以前よりも素直にわかるようになりました。一番有難いと思うのは、食事のこと。そのときごとに食べたいものがわかり、身体の状態が必要とする量しか求めません。これは妊娠中にも特に感じた感覚です。

まる一日さまざまな香料を嗅ぎ仕事をしていたときには、最低限しか食事を必要としませんでした。水分さえキチンと摂っていたら、ヒトってそんなに沢山食べなくてもいいんだ、とか、せっかく動く身体をもっと動かしたくなる気分が生じます。

実家の父は車椅子生活で運動不足になりがちなので、グレープフルーツを嗅いでみて、と送ったことがあります。でも、朝空腹時にティシュに数滴含ませたものを直接嗅ぐ、食事前にいつも…などかなり意識的に嗅ぐ習慣を続けないと効果は感じられないようです。私がきっちり側にいて毎時促さない限り定着は難しいようでした。義務になってしまうと習慣化できない人も多いですね。グレープフルーツの香りが好きで、香りの化学的なことにも興味をもちながらまずは試し、続けられる人にお勧めします。

そして最後に大切な注意事項を。
グレープフルーツの香り成分は柑橘類の精油の中でも特に酸化しやすいので、できるだけフレッシュな状態の精油を入手し、開封後は長くても半年以内でつかいきることもお勧めします。




2012年3月21日水曜日

『日本の名随筆 48 香』再読から感じた香りと音楽の関係

コチラでも紹介している私の論文「薔薇の香りを音楽に…」を読んでくださった方から、香りと音楽の関係についてはこれまで考えたことがなかったけれど面白いテーマ、と嬉しいご感想をいただいた。

香りと音楽が似たような感覚で楽しめるものだということを、私の個人的な印象かと思っていた時期は確かにあった。しかし、20年以上前に読んだこちらの本
日本の名随筆 48 / 塚本邦雄 編 / 香の中にあった一節を不意に思い起こす。

香ひのピアノは、一つ一つキイを叩くごとに、一つ一つ記憶が奏鳴する。

(北原白秋 「香ひの狩猟者」より)

昨日、本棚を探して再読。北原白秋だけではない。
例えば谷川俊太郎は「匂い」という随筆の中で次のように述べている。

…そうした匂いは音楽と同じように、言葉で説明するのが難しいが、私が生きることの味わいを意識して、そこに喜びと一種のさびしさを感ずる時、いつも匂いが私と人生をむすぶひとつの通りみちになっていたように思う。…

他にも、香りを音楽に喩える表現、香りと音楽とを結びつけて表現している文章がいくつか見られ、一気に再読してしまう。
改めて、日本人の香りに対する感じ方の特徴を垣間見たような気がした。

実際、香りと音楽には共通点がある。
・時間の経過によって変化し、その全体像にて印象をとらえるものである。
・空気中に伝わるものであり、強弱、調和、残響(残香)がある。
・同一時間、空間上で複数種を同時鑑賞することはできない。
・記憶と結びつきやすく、見えないだけに、想像力を喚起させる。


かおり風景・「新宿御苑」の魅力

かつて慣れ親しんだものについて
改めて全体像を知り、今の感覚でとらえると一層魅かれる。
私にとって、そんな対象が今年になって特に増えている。

新宿御苑 もそのひとつ。
大学時代、何度も立ち寄っていた愛着のある場所と思っていたけれど
それはおもに日本庭園のあたりばかりで、敷地内のほんの一部だった。

『東北支援・日仏文化交流事業 「フランスからの贈りもの」』・新宿御苑にて
の18日のイベントに参加した。

午前11時。
まずはイギリス風景式庭園にたたずんでみる。
前日の雨のせいか、程よい湿気があたりにたちこめて
樹々と土の匂いがやわらかく呼吸に混じる。

日本庭園に抜けていくと
ふんわりと白木蓮や梅の花香が追いかけてくる。
今年は梅の開花が50日も遅れたのだとか。
有難さもひとしお。

イベント会場はフランス式庭園に隣接。
見事なプラタナスの並木道。
バラの季節に訪れたら
香りとともにさぞ絶景なことと想像。

明治39年(1906年)に皇室の庭園となって(1949年以降は国民公園)から
新宿御苑100周年を迎えた2006年。
社団法人 日本アロマ環境協会主催の
新宿御苑のかおり風景 イメージフレグランスコンテスト が開催されたときく。当時の担当者によると、受賞した作品の香りはどうやら18日の午前11時ごろに私がこの地で感じ、癒されたイメージに近い。

四季折々に訪れたい場所。
都心の「かおり風景」として
まずは推したくなる場所再発見。


2012年3月20日火曜日

春のショコラ…ちょうどPâques(復活祭)の時期

先週、親しい方から頂いたショコラ(チョコレート)の詰合せ。
Truffes Desserts Suprêmes ( トリュフ デセール シュプリーム)。

春らしくて素敵です。


すべて中身はGanache(ガナッシュ)。ガナッシュとは、チョコレートを生クリーム等と混ぜ合わせて固さを調整したチョコレートクリームのこと。

左側の一列は…
上はトリュフ エクレール オ ショコラ。中身はバニラカスタードガナッシュ。
中はトリュフ サブレ オ フレーズ。ストロベリーとバニラの優しい組合せ。
手前はトリュフ スフレ オ ショコラ。中身も外側もビターな深い味わい。
右側の一列は…
上はトリュフ タルト オ ポム キャラメリゼ。キャラメル&アップル。
中はトリュフ タルト オ フロマージュ。中身はチーズケーキ風味。
手前はトリュフ ティラミス。エスプレッソムース&マスカルポーネ風味。

どのひと粒もケーキひとつに匹敵する満足感。
ほろ苦いチョコに加えて、バニラやストロベリー、キャラメル、アップル、チーズ、ナッツ…ギュッと凝縮された豊かな香りに包まれるからです。
まさに春が来たような気分。

ちょうど今頃から4月初めにかけて
パリでは卵のカタチのショコラが華やかにウィンドウを彩ることでしょう。
私がフランスに滞在していたときにもよく見かけました。

復活祭(Pâques)。
3月の下旬から4月までの間のいずれかの日曜日に行われる、キリストの復活を祝う日。大人はショコラの卵を色々なところに隠し、子供たちがそれを探して楽しむという遊びは有名です。

2012年3月19日月曜日

水という名の香りで生命をまもる・Giorgio Armani

先週末。目に留めたニュースはこちら。
De l'eau pour tous: Armani s'engage!
(全ての人に水を:アルマーニは約束する!)


"Acqua for life"
「生命のための水」。
昨年からこんなタイトルを掲げ、Green Cross international の活動を支えているのはイタリアのファッションブランド、Giorgio Armani 。

昨年は日本でもコチラ のニュースが流れていた。
改めて気づかされる深刻な水問題。

VOTRE BEAUTÉの記事では大きくフレグランスの写真が掲載されているが、文章には香り自体の説明はほとんどない。かわりにこのフレグランスの売上が何に役立つのかを詳しく説明しており…末尾にはFacebookページに飛べる。
以下ざっと概要を訳してみる。


地球上の表面の75%は水で覆われているというのに、淡水はそのわずか3%、私たちが必要な分(飲用を主として、使える、という意味だろう)がまかなえているのは1%にも満たないという事実。現在も世界には清潔な水を得られず病気や死と隣り合わせの子供たちは大勢おり、このまま何も手を打たなければ次世代のより多くの子供たちは深刻な水不足の犠牲者となる…なんとしてもこれを回避するべく、Green Cross international では、さまざまな方法を検討しているがその一つとして、学校の屋根をつたう雨水を貯め再利用できる設備を設置しようとしている。実現には資金が必要。だからアルマーニは、3月19日(まさに今日!)から25日までの写真のフレグランス、水という名の2種のフレグランスの売上全てをこうした活動、すなわち"Acqua for life"のために活かす。1本のフレグランスでガーナやボリビアの子供達に100リットルの飲み水を提供できるのだと。


参考までに、Green Cross international の日本法人のサイトはコチラ

アクア ディ ジオ。
最初にこのフレグランスが発売されたのは'90年代後半だったと思う。私がアルマーニの香りで初めて自分から入手した、アクアブルーのカラーが特徴のフレグランスだった。地中海の清々しい海を想起させる爽やかな香り。レディースの香りだったと思うが、今も男女ともにファンが多いときく。

その香りの限定版もきっと、青く美しい海のイメージとともに、生きるために欠かせない水の有難さを感じさせてくれるような気がする。

春からフレッシュな気持ちで
決して安泰ではない未来を切り開こうとしている人たちへ。
こんな香りのメッセージもきいてみてはどうだろうか。


2012年3月16日金曜日

花と光と風薫る…春から初夏への最新フレグランス

3月も半ばを過ぎると
春から夏へのフレグランスニュースが続々。

これから4月にかけては、桜だけではなく…
様々な花で風景は彩られ
様々な花でふんわりと匂い立つ春の空気。

そんな春の花香を第一の衣服としてまとう日々ならば
きっと毎日を特別な記念日に感じるはず。

纏う花香として…新作の筆頭に
グッチ「フローラ」からインスパイアされた5種の香り

2009年にリリースされたフレグランス「Flora BY GUCCI」は、モナコ公妃のために考案された「フローラ」プリントから着想されたもので、私自身もそのロマンティックな香りに魅かれ一時愛用していた。今回は新たに5種類の花の香りが追加されている。それぞれの花の名前の前にはGで始まる形容詞が冠されて…。
豊かなイメージをひろげてくれそうなヴァイオレット。
輝くように溌剌としたマンダリン。
華やかな美しさ際立つガーデニア。
優雅ななめらかさのチェベローズ。
魅惑的なマグノリア。


そして初夏へ。
ふりそそぐ優しい光の明るさに
日毎きらめく太陽を見上げてしまう5月には
バーバリー・ブリットから英国の初夏を思わせるような爽やかで、若々しいフレグランスが登場

バーバリーの2012年春夏コレクションさながらに
さりげないスタイリッシュさにあふれた香りは
オレンジ色のボトルに詰められたグリーン・オリエンタルタイプと
ブルーグレイのボトルに詰められたフレッシュオリエンタルタイプ。

2種の香調を目にしただけでも
清々しい初夏の光や風とともに
透明感のある優しい甘さや
クールで力強い爽やかさが感じられて…
今年の夏が楽しみになりそう。

2012年3月14日水曜日

美味しさ見える25分・HARIO フタがガラスのご飯釜

春は、初めてひとり暮らしを始める人が多い季節。

1月半ばのハリオグラス新作展示会で見た…
フタがガラスのご飯釜
フツフツとご飯が炊けていく様子が見える面白さに加え
加熱わずか10分・蒸らし時間入れてトータル25分で炊ける釜を思い起こす。

朝起きて、30分以内に炊けるのもうれしいけれど
不純物なし、100%天然鉱物を精製してつくられた原料でできたハリオの耐熱ガラスだから、きっとお米の美味しい香り成分も逃さず炊けそう。
良い香り、良い味には
それらの化学成分を邪魔しないガラス素材がうれしい。

保温の機能こそないけれど、
朝ごはんとお弁当分炊けるこの釜は、一人暮らし初心者にもお勧め。
やっぱりご飯は炊きたてがいちばん。

コチラのケトル とともに、春から新生活をスッキリと始めたい人へお勧めできるかも。




2012年3月13日火曜日

贈る季節に・香りのギフト

春は別れと出逢いの季節。
ここひと月の間、お世話になった大切な方への贈物を選びました。

まずはフレグランス&ソープ。
お世話になった母親世代の成熟した女性へ。
子供のためでも家族のためでもなく
一人の女性としてゆったりと上品な香りに包まれて過ごす「ひととき」を贈るために、アジア発THANN の携帯できるソリッドパフューム と、お米のカタチも愛らしいコメヌカオイル由来のソープバー のセットを。

そして数年ぶりに再会した
プロのアロマセラピストとしてのキャリア10年目を迎える女性へ。
彼女には、今入手し得る最もフレッシュなローズオットー、パレチカのトライアル2mLサイズを。




様々な精油を使いこなしてきた彼女。早速フレッシュな薔薇のパワーとともにその香りの柔らかさを喜んでくれたようです。自分が感激できる香りならばお客様にも伝えられる…と、この春からご自身のサロンでも使いたいとメッセージが届いています。

2012年3月11日日曜日

春の新作はニナ流 "Kawaii"・「ニナ ファンタジー/ニナ リッチ」

本日発見した春の新作フレグランスのニュース。
香りが生み出す幻想的な世界 ニナリッチの香プロモーションムービー「Nina Fantasy」: DesignWorks

1月末の新作発表会でこの香りを含ませた試香紙をいただいていた。
トップノートから…春の可愛い花々を想像できて思わず笑顔になった。
その後も手帳にずっと挟んでいたことを思い起こす。

いまもラストノートがふんわり。
柔らかな女性の肌のぬくもりのような感触の中に
ほのかな桜花、確かに感じる。
愛らしくて、どことなく不思議。
日本人がついつい呟く「カワイイ」の世界観。

発表会では発売日は未定だったけれどいつになったのかと調べてみると…
《ニナ リッチ》日本の「Kawaii」カルチャーが溶け込んだ「ニナ ファンタジー」発売 。5月2日。

ニナ流の"kawaii"は、そのパッケージヴィジュアルとともに
フレッシュで妖精のような可愛らしさ、
ハッピーな驚き、
ソフトな笑顔をイメージさせてくれる表現。

今回のイメージモデルも
林檎は妙薬のアイコン・「ニナ レリクシール /ニナ リッチ」と同じく、1988年生まれでイギリスのシンガーソングライター兼ドラマーのFlorrie Arnold。フレッシュ・キュート・モダン・ポップ…ニナ ファンタジーの世界にピッタリ。

4月の桜と、5月の薔薇。
花の女神が地上に喜びをもたらすこれからの季節、
香りを楽しむことも忘れずにいたい。


2012年3月10日土曜日

『東北支援・日仏文化交流事業 「フランスからの贈りもの」』・新宿御苑にて

本日3月10日(土)より3月23日(金)まで
日仏文化交流実行委員会と環境省により
『東北支援・日仏文化交流事業 「フランスからの贈りもの」』
「新宿御苑・フランス式整形庭園(フランス人造園家アンリ・マルチネ設計)」にて開催されます。

私は、18日のイベントにて講演される中村祥二氏(国際香りと文化の会 会長)からこのイベントの情報を教えていただきました。早速イベントに参加予約。期間中は予約なしでもコチラ でご覧のとおりの展示を見ることができます。

日本という、フランスから見れば極東の国の東北地方で起きた災害の復興を、両国の文化交流推進のためにも共に応援しようとする考え方に加え、地球環境全体の問題としてとらえる機会を環境省が提供するイベントであるならば、注目すべき試みではないかと感じました。

日仏文化交流実行委員会。実行委員長のリシャール・コラス氏は、シャネル株式会社代表取締役社長。昨秋コチラ のブログでも書きましたが、コラス氏の考え方に興味を寄せていたところでもあります。

新宿御苑。
四谷にある大学に四年間通った私は、何度この庭園に立ち寄り、心癒されたことでしょう。懐かしい場所です。

ヴェルサイユ宮殿。
大学4年になる直前の春。ちょうど今頃の時期にフランスに滞在していた私は、友人とこの宮殿を訪れ、一日かけて鑑賞しました。フランス語やフランス文化について学んでいた私にとって、その庭園を含む建築は改めて「フランス」というリアリティを感じさせたものとして記憶に残っています。最近の、ヴェルサイユ宮殿と日本とのコラボレーション事例として思い起こす記事は、こちら、ヴェルサイユ宮殿に村上隆が連れてこられた

明日11日。14時46分。イベントの中において黙祷が行われます。
私も多くの方々のご冥福とともに復興を祈りたいと思います。


洋服を長く、綺麗に着るために

今朝の日経新聞オリコミ、『NIKKEIプラス1』のタイトルは
「ピシッと決まる、3万円未満スーツ」。

新たに初めてスーツを選び、着る生活を始める人のために、その選び方、お手入れ方法とともに、若い人が買いやすいリーズナブルなお勧めブランドが紹介されている。体型に合わせての選び方など、イラストとともにかなりわかりやすく解説されているので、これから購入を考えている若い人にはもちろん、これまでよくわからずに買っていた大人にとっても役立ちそう。

洋服。自分のサイズにぴったりでよく似合うお気に入りのものは、できる限り良い状態で長く着たいもの。肌に直接着るものではない、上着やスカート、パンツ等について、私の経験から学んだことをいくつか列記。

1, 動きも見込んだ上で自分のサイズにちゃんと合ったものを選ぶ。試着必須。
2, 型崩れしないよう、肩幅に合っており尖っていないハンガーにかける。
3, クリーニングや洗濯は回数が多いほど生地を傷めて型崩れを招くので最小に。
4, 3のためにもできるだけ汚さない。お気に入りといって二日以上続けて着ない。
5, 帰宅後は即着替え。表面の埃をとり2のハンガーにかけて湿気をにがす。
6, 汚れがついたら即クリーニング。後になるほどとれなくなる。
7, 当分着ないという時期の直前にクリーニング。防虫カバーで収納。

1の身体のサイズに合ったもの、というのは洋服では特に大切。
動いたときに窮屈でないか、見苦しくないか、座ったときに短かすぎないか、なんていうことは試着しないとわからない。スカート丈、パンツ丈は靴の高さにあわせて最も脚のラインが綺麗に見えるようこだわりたい。あらゆる動き、ポーズで綺麗なシルエットとなるものを選ぶには時間をかけるべき。着ていることを忘れるほどにフィットし、なおかつ自分に似合うものを選んだ時点で、「長く大切に着よう」と思うはず。同時に体型自体も保とうと思うもの。

4についても汚す頻度が洗う頻度になるので、一年のうち、ある気候のあるシチュエーションの時限定で着る、と決めておく。そうすると傷まない。素敵な服との出逢いは一期一会。もう二度と会えないかもしれないデザイン、着心地を大切に。

皮膚に直接触れることになるシャツ、ブラウスに関しては私は手洗いすることが多い。コチラにてご紹介のとおり。

肌の上に第一に着る「見えない衣服」、フレグランスについては…香料の変質、劣化を防ぐために一年で使いきれる量を冷暗所に保管して使用することをお勧めしておきます。

2012年3月9日金曜日

日本絵画が表現した「香り」

3月7日。国際香りと文化の会 講演会にて、お二人の専門家のお話を聴講。

・「源氏絵にみる香りの描写」稲本万里子氏(恵泉女学園大学人文学部教授)
・「香る日本絵画」古田亮氏(東京藝術大学大学美術館准教授)

『源氏物語』という作品は、紫式部による、文章のみの表現である物語であった。これを絵画化するいとなみは物語の成立直後から行われていたと考えられているらしい。文章→絵画という過程ですでに、イメージをビジュアライズしやすい場面、ビジュアライズしたいと強く渇望された場面がセレクトされていたのだろうと私は思った。

源氏物語とは深い関わりのある香(こう)、薫物。登場する姫君それぞれの香を思い浮かべる人も多いことだろう。そうした雰囲気が絵画からも感じられるのだろうかと思いながら稲本万里子先生のお話をきく。

絵には香炉や書きつけられたものは見えていても、肝心の女性の姿が見えないものもある。たとえば明石の姫君。見えないことは想像力を刺激する。
入内を控えた明石の姫君にふさわしい香りは、源氏と蛍兵部卿宮によって一方的に選ばれ押し付けられたということから察するに、源氏が選ぶ香りによって姫君に理想的なふるまいを求め、分相応な役割を演じることを求めた、との解釈を聴く。さらに、高貴であることの権威付けの象徴として描かれているものも多いという。

…ということは。私はこんなふうに思う。当時の貴族社会の中で言語化されてはいないものの、非常に重要なサインが香りに求められており、それを無意識のうちにかもしれないが感受した絵師がそうした雰囲気を絵で描いたのではないかと。

パリ、ベルギー、アメリカ等海外にも源氏絵の愛好者は多くいるようだが、彼等は絵からこうした香りの存在を感じとることができただろうか。香道具が描かれていれば痕跡は想像できるとは思うけれど。

二人目の古田亮先生は、私がちょうど7か月前に鑑賞した展覧会の企画者。
昨春開催の『香り かぐわしき名宝 展 (Fragranceーthe aroma of the masterpieces)』において、企画者として実際に香りを感じさせる絵画を選出し、図録の中でも「香りと日本文化」と題した文章を寄せられている。

古田先生によると、香りとは、「想像力」と「記憶」とを結びつける魅力的な美の世界であるという。香りを感じさせる絵画を探していくと、大正~ 昭和初期の日本画の中に多かった、というお言葉も興味深い。

上記で紹介した私のブログにも写真を載せたが、実際に展覧会のポスターにも使用された『夜梅』(速水御舟)も昭和5年の作品であった。ではこうした作品を、日本とは異なる文化背景をもつ外国人が見たとき、果たして香りを感じるだろうか。ぜひきいてみたいと思い、その感じ方の違いを意識化すると、おのずと各文化が香りに求めてきた役割が見えてくるようにも思う。

2012年3月8日木曜日

フレグランスの名前・"Signorina"・"…Mademoiselle"・"Miss…"

明日3月9日に発売されるというフレグランスの名前は
「シニョリーナ」(サルヴァトーレ・フェラガモ)

イタリア語、シニョリーナ(Signorina)とは
フランス語のマドモアゼル(Mademoiselle)、
英語のミス(Miss)に相当する。

こんな言葉、考えてみたら日本語にはない。
未婚女性か既婚女性かを区別するために姓の前に加えるなんて。

最近では、既婚かどうかということよりも
「お嬢さん」「既婚かどうかにかかわらず若々しくて素敵な女性」を表すために使われる場合もあるようで…一方既婚女性を示すシニョーラ、マダム、ミセス等は、キャリアを積んだ社会的地位の高い女性に敬意をもって付けられる場合もある。
英語でどちらも兼ねるミズ(Ms.)が使われるように最近はフランス語でもマドモアゼルを廃止しては?などの議論が起こったりしているようだが、この言葉への根強い愛着もあるらしく、そう簡単に決着がつきそうではない。

ともかく。
こんな名前がつけられたフレグランスは責任重大。

広い意味での「初々しいながらそれゆえに生意気で(だからこそ愛らしくもあり…)ロマンティックな気分を忘れない女性」をイメージさせなくてはならない。

それだけにイメージアイコンにはこれぞという女性を掲げる。
サルヴァトーレ・フェラガモの場合は、イタリアのトップモデル、ビアンカ・バルティ起用。

同時に「マドモアゼル」が名前となったフレグランス、
「ココ・マドモアゼル」については、女優キーラ・ナイトレイがイメージモデルになっているこちらのニュースをご覧いただければ、マドモアゼル・シャネルの、若々しく魅力的でありながら強く軽やかで自立した女性が垣間見える。

そして、英語の「ミス」。
1947年デビューの名香、「ミス・ディオール」。
この香りには次々と進化系というか現代版が登場し、昨春からは女優ナタリー・ポートマンがアイコンとなっている。ちょうど昨春こちらのブログで詳しく説明。

どの女性を想像しても、そこには
初々しさと
強気な美しさと
ロマンティックな想像力を刺激する魅力を備えている。

春になれば咲く花のように…
いかに冬が厳しかろうと夏が厳しかろうと
女性は生きている限りこうありたい。



2012年3月6日火曜日

虫除けスプレーにおもう・嗅覚コミュニケーション

春に虫を二つあわせて書いた文字が示すのは
「蠢く」(うごめく)。

気温の上昇とともに、そろそろ蚊やその他…近づいてほしくない虫対策が考えられる季節にこのニュース

ファッション関連のサイトから発信されていることに二つの背景を想像。

・ファッションに敏感な人は使う香りにも敏感。用途によってはできるだけナチュラルなものをと願う人が多いだろうこと。
・ファッショナブルであるためにはいつも綺麗な肌でいることが欠かせない。蚊にさされて掻きむしったりしようものなら皮膚の外観台無し。

私自身も自分のため、息子のために何度こうしたスプレーを精油とエタノールと精製水とで手作りしたことか。今でも用途にあわせてすぐに携帯アロマスプレーが作れるように10mLサイズのガラスボトルのストックがある。

蚊除けといえば、イネ科のシトロネラ、レモングラスが筆頭。蚊が嫌がる成分が含まれているらしい。さらにゼラニウムやユーカリシトリオドラも。これらを程よくブレンドしてよく夏のキャンプや合宿時に持たせた。

自分に香りがつくのは嫌という人は空間にスプレーすればよい。窓際や足元。

ある生物に近づいてほしくなければ、戦わずして避けるために「におい」を使う。たとえば小動物に畑を荒らされて困っている人たちのために、その動物たちが天敵として恐れる肉食獣の尿など排泄物のにおいでシャットアウト。そのような考え方が商品になったものもついこの間、3/2の日経新聞8面「悠遊ショップ」通販の広告で見た。


「オオカミの尿で、犬・猫・猿・鹿が退散 ! 」
《手を汚さないパック型!動物を傷つけずに、害獣被害から守る!》
(ウルフピー・ハンギングパック12袋)
成分表示を見ると、天然狼尿100% とある。


人間も自分が好きで心地良いと思うにおいをまとっていれば、同じくそのにおいが好きな人が近づいてきてくれるはず。嫌いな人は遠ざかるでしょう。においには正直に生きたいもの。案外、親しい人とはそんな嗅覚コミュニケーションでつながっていることが多いのかもしれません。


花びらは菊のごとく・新種の桜は突然変異

静岡での今期最終講義を終え、帰宅。
新聞を開いてビックリ。

「自然林に新品種サクラ 」(日経新聞朝刊38面)に目が留まる。
なんだかフサフサと華やかな花びらの写真が
モノクロながら目を引く。
「富山、100枚以上の花弁」…

なんと私の生まれ故郷の富山県(入善町)で
静岡県(富士宮市)の富士菊桜に次いで2例目に
自主の菊咲き性サクラが確認されたとのニュース。
新品種と確認されたのは「入善乙女キクザクラ」。

さっそくネットでカラーの画像つき記事を探す。
見つけたのはコチラ
花びら100余枚 入善で新種のキクザクラ

突然変異とは素晴らしい。
変化する環境に適合しながら
したたかに生き抜こうとする植物の艶やかな姿に
私たちも、この春を生き抜いて生き延びる元気をもらおう。
桜はバラ科の植物。
多様化が生き延びる道であることを
またもや思い知らされた気がする。


2012年3月5日月曜日

「感覚」に正直に「食べる」

最近つくづく思うのは、そんなにたくさんのものを食べたり飲んだりしなくても生きていけそうであり、しかも元気でいられそうだということ。

我慢しているわけではないし、ダイエットというものも試みたことはない。
ただ、妊娠中は通常より5~6キロ増え、それによって膝や足が痛くなるなと感じたので体重を増やしたくないなと感じた記憶はある。

今朝も5時台に起きて6時台に家を出たが、その間に食べたものは

・グリーンジュース(大麦若葉原料の生きた酵素豊富)を冷水に溶いたもの
・バナナ1本生のまま
・ナチュラルチーズ(今朝はカマンベール)25g
・ミックスナッツ(アーモンド、クルミ、カシュー総計6粒程度)

以上であり、これで満足。
グリーンジュースがトマトジュースになったり、バナナがリンゴになったり、チーズがヨーグルトになったりするなど日によって違う。
今日はバナナに糖分があるせいか、これ以上ご飯とかパンをたべたいとは感じなかった。これで十分気分よく元気に新幹線に乗り、午前中の講義を終えられた。
昼食にはパンも頂いたが、やはりたくさんは不要だった。

私が食べているものには特有の香りがあり、噛みごたえがある。
感覚をフルに使っていると、感覚というか本能が教えてくれるかのよう。
「もうこれ以上食べるとあとで辛くなりそうだからこれで満足。」

もちろん成長期の10代の頃であるとか、身体をフルに使うアロマトリートメント施術を毎日頻繁に行っている場合などは明らかに通常よりもお腹が空くしもっとたく食べたと思う。とはいえ、必要と感じる量だけだった。現にサッカー部活一筋だった18才の息子がここ数ヶ月受験勉強のためサッカーをお休みしている間、前のようには沢山食べられない、とちゃんと意思表示をしてくれる。

お酒も20代のころは量が飲めることを競わされるような風潮もあり、かなり飲んでいたかもしれないが、あるときから少量でもゆっくり美味しく香りを楽しんでいただければいいじゃない、と感じるようになった。

料理をするときもなるべく素材の香りや風味がわかるように楽しみたいので私が煮物を作るとかなり一般的なレヴェルよりも薄味になるかもしれない。塩辛さや甘さはそんなに沢山要らない。

フレンチのコースなどはトータルではたくさんあるように見えるが、一品ずつ香りと味を楽しみながら食べる人のペースで進むし、そのペースもゆっくり。何品も一度に並んだりしない。私はよくデザート前のチーズだけで満足することもあった。

こんなふうな食生活の傾向はアロマテラピーを楽しむようになってから加速したと思う。自分の身体が欲する以上のものは食べない、自分に必要なものを食べて、要らないものは食べない。…こういう感覚は、嗅覚を意識的に使っていると鍛えられるなあと確信する今日この頃です。


2012年3月4日日曜日

ピアノが奏でる春の香り~ アキコ・グレースさんの世界

雛祭りの続き…
ということで本日も素敵な女性ピアニストをご紹介。

数ある素晴らしいCDより、特にこの季節におすすめの2枚を。
アキコ・グレースさんの魅力と私とのご縁については
コチラ のブログで綴っています。



上の『グレースフル ヴィジョン』トップの曲、
" Evanescence of Sakura " は
下の『ピアノリウム』のラストにも収録されています。
この曲は私の大好きな曲の一つ。
邦題で『桜は夢』とも添えられています。
2010年春に、薔薇の香りをピアノで即興表現していただいた
ライヴコンサートでも披露してくださいました。

どちらも聴いているだけで
どこからともなく香ってくる花の気配のような優雅さ、
春を予感させる希望の光、フレッシュな空気のリズム…
ゆるやかな時間の流れを感じさせてくれます。

そんなグレースさんの次なるチャレンジは

4/7(土)〜「幻想ジャズ」春の舞、雅 〜

鼓童出身、名太鼓奏者のヒダノ修一さんとの初共演。女形・花柳榮輔さんをゲストに迎えてのスペシャル公演とのこと。桜満開のもと、「夢」「幻想」「雅」の世界観を堪能できそうです。


2012年3月3日土曜日

桃の節句にピーチの香り

今日は桃の節句。
ピーチの香りを思い浮かべてみる。

フレッシュな桃を剥いてすぐに食べるとき
優しくつつみこまれるような香りで気分が落ち着く。

本物ではないけれど
ピーチの香りがトップノートに活かされたフレグランスを
仕事部屋に一拭き。
優しい空気につつまれる。
寛いだ気分を感じると
またひと仕事、という元気が出てきた。

思い起こしたのは
コチラ で記録していたワークショップでの杏林大学の古賀教授のコメント。

「ピーチの香りを嗅ぐと、脳の前頭葉の血流量が増加、脳の働きが活性化され、気持ちを高めてくれる…」

香りを嗅ぐことによって脳の各部位でどのように血流量が変化するかを研究されている第一人者のコメントは、そう簡単には忘れない。

活性化。
ということはポジティブな考え方になるということ。
「私には土日も休みがない」
ではなく、
「土日なんて既成概念を忘れるくらい没頭できる仕事があるなんて有難い」
という気分になってくるから不思議。

というわけで、お雛様を飾らなくても
フレッシュで元気で愛らしい女の子たちに囲まれているような気分にさせてくれた
ピーチの香りに感謝。

ちなみにその香りはバレンタインデイに発売されたコチラのフレグランス。大人の女性への第一歩を歩み始めたばかりの初々しい女性には特に似合うかも。



ZAZ・『モンマルトルからのラブレター』

ジャジーでハスキーで。
変幻自在なヴィブラート。
トランペット?彼女が指と息で創った音。
声を自在に操り、その場の空気感を音に刻々と変えていく。


昨年、このジャケットに目が留まり購入。
眼差しから感じる雰囲気に魅かれた。
今にもこの路上で歌い出しそうな姿。

聴いてみると…
懐かしいシャンソンの香りはもちろん、ジャズのスウィング感、たたみかけるようなギターのイントロで始まるカントリー調、揺れるピアノの響き、ヴァイオリンのように流れる音で聴かせるバラード…この音の多彩ぶりがまさに「今」を象徴しているように感じる。

フランス本国でのアルバムタイトルは、アーティスト名の"ZAZ"のみ。
日本では『モンマルトルからのラブレター』と名付けられた。
実際、ZAZはモンマルトルの路上でも歌っていた。

このアルバムは、「1粒で2度美味しい」。
まず、音だけでも十分楽しめる。フランス語がわからなくても。
ZAZは楽器のような女性だから。
そして、フランス語がわかる人、もしくは歌詞の意味を味わいたい人には
深い哲学的な余韻を残してくれる。
ZAZは詩人だから。

実はつい先月、初の来日公演があったらしい。このニュースをもっと早く知っていたら…と思った。

アルバムの詳細についてはコチラ を。


2012年3月2日金曜日

イメージトリップ・嗅覚と触覚を満たして

弥生二日、とはいえ冷たい雨。

膨らみはじめた桃の花から見える鮮やかな桃色に、あたたかな春の陽光やほんのりとフローラルな薫風を想像。

先月の VOTRE BEAUTÉのコチラの記事を思い起こす。パリを離れずしてタヒチへの旅を…。

零下6℃のパリ。極寒のパリにいながらにして2時間のメニューの中で体験する化粧品の香り、空間の香り、優しいハンドタッチによるトリートメントによって、白い花を耳元に飾られた女性が、心地よく青い海とあたたかなそよ風の中へとイメージトリップしている様子を想像できると思う。

日常生活、仕事において現代人の情報源は圧倒的に視覚。対して生き物にとって原始的かつ本能に直結する嗅覚や、なんとなくなおざりにされている触覚を心地良さで満たすことにより、気分はたちまち非日常に飛ぶ。

アロマテラピートリートメントの醍醐味もここにある。

数時間で心地良い体験によって気分が満たされること。最初から美顔とか痩身とか、そんな目的はなくても、まずはこんなに気持ちのよいことがあったのかという感動。人に大切にされるという安心感。楽になるとはこういうことかという実感。素敵な体感覚。その素晴らしさは香り本来の魅力を伝える格好の手段でもある。その提供実現のためには精油、香りと人体についての深い知識が必須。

かつてアロマセラピスト教育を行い監修していたサロンでも、この醍醐味をお客様にお伝えすることの大切さをよく語っていたと思う。このサロンについては、先日パレチカのこちらのブログ でも書いていた。