2019年10月30日水曜日

蘭と薔薇と果実たち…Merci pour la plante!





今月私の目を楽しませてくれた花、果実。

Des fleurs et des fruits qui ont ravi mon cœur ce mois-ci.






モカラチャクワンオレンジ(une sorte d’orchidée





洋梨と柿(poire et kaki)







プラヴィータ!(une sorte de rose





薔薇の実(fruit de la rose)



このあたたかな色彩の植物たちのおかげで、日々の疲れも軽くなりました。感謝。

Ma fatigue quotidienne a réduite grâce aux plantes aux couleurs chaudes.

Merci beaucoup !




écrit par SAWAROMA



2019年10月29日火曜日

濃密な潤いと優雅な香りで冬のスキンケア・MAISON LEXIA L’ORACLE Clarifying Toner / Capsule





もうすぐ11月。乾いた風をひんやりと感じる季節になりました。いつも外気にさらされている顔面の皮膚も冷えています。


Soin de la peau d’hiver 

à la riche humidité et au parfum élégant.


ついこの間よりも潤いが少し足りなくなったようなと感じていた矢先、出会ったのがこちら。落ち着いた深緑に優雅な曲線が描かれたボトル。




香りはレギュラーのオラクル化粧水とほぼ同じくローズを基調とした優雅なみずみずしさですが、手に触れたときの柔らかさ、皮膚への浸透感に確かな違いを感じました。その秘密はブランドのこちらのページに詳しく説明されています。


メゾンレクシア オラクル 

2019年 秋冬限定化粧水

クラリファイング トナー カプセル 150mL

1016日発売

https://www.loracle.jp/ctc/



私は、特に秋から冬にかけては、日々微妙に異なる皮膚の状態に数種類のスキンケアで対応しています。今のところ、この秋冬限定トナーを美容液の前後二回、ダブル使いすることで心地よい状態を保てており、数時間経ってもかさつくことは無いようです。


今はおもにゆっくりとスキンケアに時間が取れる週末にたっぷりと愛用中。読書しながら手元において時々香りを楽しみながら手のひらになじませたり。この深緑のボトルも眺めのよい風景の一部になっています。




…écrit par SAWAROMA




2019年10月26日土曜日

所作で生まれる風の音・KIMONO KAZE Eau de Parfum / Miya Shinma





清々しく荘厳な気配に包まれて…

心静かに今を感じたくなりました。呼吸の音が聞こえてくると、そのままゆっくりと身を起こし歩いてみます。その動作から生まれる静かな風の気配をかすかにそよぐ香りと共に感じます。何も無いとおもっていた透明な空気の中に、命のきらめきがゆっくりと漂うことに気付くのです。


パリ在住の調香師、新間美也さんの最新作、

『きもの かぜ オードパルファン』を数日まとい、静かに豊かな時間を過ごした私の印象です。






きもの かぜ オードパルファン

55ml 1020日伊勢丹新宿店先行発売

¥24.200(税込)

https://ja.miyashinma.fr/pages/nouveau-parfum-kimono-kaze



香調は

リファインド・アロマティック・ベチバー。


トップノートでゆずや緑茶とともに清々しい風を感じさせるのは松の葉です。ハートノートでは華やかなジャスミンに加えて心を落ちつかせるオリバナム(乳香)やサイプレス。ベースノートの一つ、ベチバーのなめらかな存在感がこの香り全体を、静かで洗練された佇まいへと導いているようです。


こぼれる光のようにきらめく果実や花のささやきの背後には、清々しい緑の葉、温もりをたたえた木の深淵さ。そして、地中深く湿った土のなめらかな余韻。一瞬一瞬の呼吸から、ふとした動作の折々に、耳をすませたくなる香りです。


「きものエディション」の新作ですから、和服に合わせて楽しめるのはもちろんですが、所作が生む風の微細な優雅さを感じたくなる装いであれば、この香りの魅力を堪能できることでしょう。







10月20日〜23日に開催された伊勢丹新宿店でのサロンドパルファンのために、パリから来日された新間美也さん。会場に同行いただいたフレグランススペシャリストの地引由美さんに撮影いただきました。





新間美也さんは香りの専門誌『PARFUMNo.186よりエッセイ「香水・パリ・エレガンス」を連載されています。写真右側の新間さんと、『PARFUM』誌の平田幸子編集長とご一緒のお写真も撮影させていただきました。


香りの専門誌『PARFUM

http://parfum-specialist.com


フレグランススペシャリスト、地引由美さんのブログにも、新間さんとの写真とともにサロンドパルファンをレポートされた記事が掲載されています。

https://www.styleetparfum.com/blog/isetan-salon-de-parfum-2




écrit par SAWAROMA



2019年10月22日火曜日

40作品の文章から匂いを再現・『匂いと香りの文学誌』/真銅正宏





目には透明な空気の中、脳内で鮮やかに複雑な匂いが視覚化するような一瞬を感じることがある。それは、私の記憶が鮮明に残り始める6歳のとき、世界名作全集を読み始めた頃からであったと思う。ちょうど同時期に香水も嗜むようになる。以来、匂いをとらえようとする感覚は、世界を知るための重要なファクターとなる。


一週間程前、この本に出逢った。混沌として複雑、かつ魅力的な匂いの一瞬を視覚化したようなヴィジュアルの表紙。タイトルと表紙だけで魅かれたのだった。(装画:田辺耕世『DER6』2019 部分)




https://www.shunyodo.co.jp/shopdetail/000000000675/




日本近現代文学の研究者による、

香り立つ文学の楽しみ方

順不同にぱらぱらとページを開いてみた。夏目漱石の文章、香水の名前、小泉武夫の著書名、森茉莉や北原白秋の言葉に再会する。改めて目次をじっくり眺めてみると約40の文学作品の名前が並ぶ。そしてコラム「香水の名前」をはじめとして数カ所で引用されているのが、平田幸子監修、ワールド・フレグランス・コレクション編『香水の本』(新潮社、昭和616月)である。



著者いわく、「香りがわかる人間には、よけいに文学がわかるということが起こり得る」(311p)。

読者の記憶の中の様々な場面がいかなる匂いや香りとともに在ったのかが重要であろうし、その積み重ねから生まれる想像力を文学が引き出してくれるのだろう。読書とは五感の再現の楽しみでもある。



今回一読してみて、初めてその名を知った文学作品もあり、さっそく興味を抱いたものの一つが、第2章 香水と花の文化 で紹介されている赤江瀑の『オイディプスの刃』(1974年 角川小説賞受賞、86年映画化)。ちょうどこの秋に新装された文庫本が発売されていた。





日本刀に魅せられた男性とラベンダーの香りを愛好する調香師の女性。かれらを両親とする三人の兄弟に起こったミステリーである。



40以上もの文学作品の新たな魅力を発見できる『匂いと香りの文学誌』。香り好きな人たちの愛読書になるに違いない。




…écrit par SAWAROMA






2019年10月19日土曜日

LALIQUE x Damien Hirst / DESIGNART TOKYO 2019 ・ラリック銀座にて《エターナル》を鑑賞





思わず触れてみたくなるような有機的かつ繊細なテクスチュア。大胆なフォルムとの絶妙なバランス。ずっと眺めていたい衝動に駆られます。それはきっと、私が生きた人間だからなのだと深く実感。








20世紀前半にガラスで革新的な造形を次々に展開したルネ・ラリックの職人技が、今世紀最も注目されている現代美術家の筆頭であるダミアン・ハーストとのコラボレーション作品《エターナル》コレクションへ見事に活かされています。







18日からの展覧会開催に先駆けて17日夕刻の内覧会を拝見しました。乱反射する光を浴びたテクスチュアの繊細さは、一度見たら忘れられないインパクトを持つシルエットとのコントラストが本当に魅力的。


4月にラリック銀座店がリニューアルオープンした時にも感じましたが、こちらはまさに美術館。2017年から始まった日本最大級のデザイン&アートフェスティバル「デザイナート・トーキョー2019」に今秋初参加での展示を嬉しく思います。





I saw in the preview.  The contrast between the delicate texture and bold shape is attractive.


LALIQUE x Damien Hirst 

20191018日(金)~ 27日(日)

 11:3020:30

ラリック銀座本店

(東京都中央区銀座5-6-13 0120-505-220


LALIQUE x Damien Hirst」特別展示 

ラリック銀座本店にて開催!

https://lalique.jp/lalique-news/006/



関連記事:

「フレグランスも充実・

ラリック銀座店 リニューアル オープン4/26

http://sawaroma.blogspot.com/2019/04/426.html




écrit par SAWAROMA





2019年10月16日水曜日

《Rolling in Love by Kilian》・赤いボトルの中身は陶酔的かつ深遠な香り





世界的コニャックメゾンとして名高いヘネシー家に生まれたキリアン・ヘネシーが2007年に創設した香りのブランド、〈キリアン〉。芳醇なコニャック・セラーの香りに包まれて育ったキリアンが目指したのは、究極のラグジュアリーを体現するパルファムの世界。約一年前に日本でも店頭販売されるようになり、私が最初に入手したのは青のボトル、《Moonlight in Heaven》のグルマン フルーティー ハーモニーの清らかな中に夢のような官能性を秘めた香りでした。

http://sawaroma.blogspot.com/2018/10/moonlight-in-heaven-by-kilian.html?m=0






そして今秋はブランド初の赤いボトルがデビュー。1011日(金)日本発売です。9月末に発刊した香りの専門誌『PARFUM191号でも掲載、106日のラコゼットパフュメに於いてもこの秋注目のフレグランスの一つとして紹介されていたのでした。

http://sawaroma.blogspot.com/2019/10/parfum27.html?m=1





まさに情熱の赤です。眺めるだけでも心躍りますが最大の魅力はその香り。言葉にできないときめきや陶酔が感情を起伏させていくイメージへと一瞬にして誘います。アーモンドミルクのなめらかさ、アイリスにフリージアのぬくもり、バニラ、チュベローズ、ムスクのうっとりするような面影へと。官能的かつ深遠なその余韻はどこまでもクールなきらめきを失わず、女性のみならず、男性の魅力をもおおいに引き立てることでしょう。




私の手元に10日前にこの香りを吹き付けたムエットがあります。未だその芳しき香りの余韻は紙片から失われてはいません。《Rolling in Love by Kilian》の香調はグルマン フローラル ハーモニー。香りと共にあたたかな愛に包まれますように。



販売店舗情報:

日本橋三越本店 本館1

日本橋高島屋 本館1

大阪高島屋 1

ジェイアール名古屋タカシマヤ 4

伊勢丹新宿店 メンズ館 1

阪急メンズ東京 1


お問合せ:

キリアン お客様相談室

Tel : 0570-003-770



…écrit par SAWAROMA





欲望という本能の行方・『ゴールデン・リバー』 /原題 "THE SISTERS BROTHERS"





原題は『シスターズ兄弟』を意味する英語なのですが、映画のタイトルとして『ゴールデン・リバー』もそう悪くはない気がします。


Le titre original est "THE SISTERS BROTHERS", et comme le titre du film, "Golden River" n'est pas si mal.


フランス映画祭2019で見逃していましたが、ようやく下高井戸シネマにて鑑賞。フランス人監督による英語の映画です。原作のパトリック・デウィットによる2011年発表の小説『シスターズ・ブラザーズ』は、カナダの総督文学賞をはじめとした複数の賞を受賞、日本でも各種の年末ミステリーベスト10入りを果たしていました。



思いもよらない展開とは?

欲望という本能が生み出すものとは?


これから見る人のために、タイトルと

イントロとキャストだけを、パンフレットより。


https://gaga.ne.jp/goldenriver/












ジャック・オーディアール監督作品には、生きた人間のにおいと感情がリアルに感じられます。今回もまるで眠っていた本能を衝かれるようでした。


少なくとも私がこれまでに観たオーディアール監督作品(今回の『ゴールデン・リバー』、『君と歩く世界』、『ディーパンの闘い』)には、かならず、人が人のにおいを、絶妙なタイミングではっきりと言葉にするシーンがあるのです。また、忘れられない映画が一つ増えました。


『君と歩く世界』

鑑賞時のsawaroma 記事↓


http://sawaroma.blogspot.com/2013/08/de-rouille-et-d.html?m=0


映画.com 2013.4.6の記事↓


https://eiga.com/movie/77842/special/




今回、圧巻のキャスティングです。一言も話さないルドガー・ハウワー(提督役)の存在感や最新作『ジョーカー』主演のホワキン・フェニックス(チャーリー・シスターズ役)も勿論素晴らしいのですが、なんといっても印象深いのはジョン・C・ライリー(イーライ・シスターズ役)。彼自身が原作小説に惚れ込み、映画化権を獲得したというのですから、その情熱は相当なものだったのでしょう。

彼は2012年のトロント国際映画祭で上映されていた『君と歩く世界』の監督、ジャック・オーディアールに本作の監督を依頼。「…彼(ジャック)ならこの題材を人間味溢れる物語にすることが可能だと確信していた」とのこと。




écrit par SAWAROMA





2019年10月13日日曜日

金木犀の花、香り始める・Après des typhons




ようやく金木犀が香るのを感じました。

昨年より約半月遅れです。


J’ai senti l’odeur de fleus d'osmanthus enfin. C'est environ un demi-mois plus tard que l'an dernier.


http://sawaroma.blogspot.com/2018/10/parfum-d.html?m=0




9月中旬、そして昨日1012日の激しい台風が過ぎ去るのを待っていたかのごとく。気圧と気温を読めるセンサーを持っているのでしょうか。生きるために。命を繋ぐために。もう今年は大きな台風は来ないですね、金木犀さん。私たち人間も命を繋ぎたいのです。




écrit par SAWAROMA






2019年10月7日月曜日

香りの専門誌『PARFUM』編集長と語る秋の注目フレグランス・『ラ コゼット パフュメ』第27回





新作含むフレグランス6点、この秋おすすめのヴァリエーション豊かな香りをご紹介しながら自由に語り合うひととき…フレグランススペシャリスト、地引由美氏主催による香りのおしゃべり会『ラ コゼット パフュメ』

http://lacausetteparfumee.com/kaori/?id=list 27回(2019.10.6)では、

香りの専門誌『PARFUM』秋号をテーマに平田幸子編集長と私が講師をつとめました。


La causette parfumée  

http://lacausetteparfumee.com

a eu lieu hier à Maison franco - japonaise.

https://www.mfjtokyo.or.jp

Madame Sachiko HIRATA ,chef du magazine de parfum «PARFUM»

http://parfum-specialist.com

 et moi parlaient sur des parfums pour cet automne inclus les nouveaux produits.




まずは前半の4種を。



瑞々しいせせらぎを眺めているような寛ぎを感じさせる『台湾茶香水』(写真右端)。最初の香りは地引氏よりご紹介されました。先月末にオープンしたコレド室町にて販売されているそうです。

https://www.panseven.com/?locale=zh-hant



続いて2番目は、『パルファン  サトリ ブラックピオニー  オードパルファン』https://parfum-satori.com/?pid=16754498 。二十代前半の男性参加者にも好評でした。PARFUM』秋号誌上「ドラマな香りと生きる!」の7種の一つとして掲載されています。



3番目は、暗号コードのようにロゴが見え隠れするヴィジュアルが印象的な『ヨウジヤマモト  ディーエヌエーコレクション  MODE ZERO モードゼロ オードパルファム』

https://theshopyohjiyamamoto.jp/shop/g/gHA-R26-934-1-02/ 。

香水通の方々や調香のプロの方も独特な世界観を感じられたようです。


そして写真左端の4番目は『グタール エトワール ドゥヌ ニュイ オードパルファム』(2019,10,30 数量限定発売)。ボトルに添えられたスカーフさながらに柔らかな温もり、優美な笑顔を想起させます。ドゥヌ ニュイ(dune nuit)とは、(of a night)、すなわち「ある(特別な)夜の」。ある男性参加者は、彼女に纏って欲しい香り、とのご感想。




後半の2種はこちら。




右端の赤いボトル『キリアン  ローリング イン ラブ オードパルファム』(2019,10,11 発売)

https://meeco.mistore.jp/meeco/product/7780900000000000000001181488.html

が5番目の香り。その華やかな香り立ち、官能的な深い奥行きを描きながらも上品な余韻は、性別問わず参加者の纏ってみたくなる気持ちを掻き立てていたようです。



中央にあるのは、同じくキリアンから2012年デビューの『グッド ガール ゴーン バット オード パルファム』ボトルとそのケースであるクラッチのようなコフレボックスです。



6番目の香りとして、左端の『ヴァルモン  ストーリエヴェネツィアン  ブルーコバルト Ⅰ  パルファン

https://www.lamaisonvalmont.com/jp/jp/blu-cobalto-i-2624.html

が紹介されました。そのユニークな香料の組み合わせとハーモニーはかなりのインパクトを持って受け入れられた様子。50mL容量の革張りのボトルは、大学でインダストリアルデザインを専攻されている参加者に好評でした。



いずれも、まずは参加者が香りのみをブラインドで観賞し印象をメモする時間を経て編集長が解説。名前やブランド名、ボトルデザインといった情報の影響を受けない感じ方に向き合うと新鮮な発見があるようです。




香りの専門誌『PARFUM』秋号

http://sawaroma.blogspot.com/2019/09/parfumno191.html




最後に参加者みなさまそれぞれの感じ方を拝聴しながら、こうしたそれぞれ自由な感覚の世界にゆったりと浸る時間の大切さと有難さを再認識しました。見えないものを見えるように、言葉で表現する面白さ、楽しさを通じて、その時ごとに自身に似合う香りを見つけていただけたら幸いです。



ラ コゼット パフュメのウェブサイトに

当日のレポートが公開されています。

http://lacausetteparfumee.com/kaori/la-causette-parfumee-vol-25-2.html



écrit par SAWAROMA