2020年12月27日日曜日

花びらフワリ、安らぐ香り・Blend-Rose-Pot par Shirakaba lab




2種の薔薇、ローズピンクとローズレッドの花びら、そしてレモンバーベナの葉がブレンドされた

Shirakaba labさんのBlend-Rose-Pot



Les ingrédients de cette tisane sont deux types de pétales de rose et de feuilles de verveine citronnée.



暮れゆく2020年。安らかに過ごそうと、香りのよいお茶や化粧品を求め、久しぶりに訪問したのは、

It’s so easyさん。カードの鮮やかな薔薇色の液体に目が留まり、このハーブティーに再会しました。


Shirakaba lab さんのハーブティーは、かつて安らぎの時間のためによく愛飲したものでした。いつしかギフトに選ぶことが多くなり、すっかり私自身がこの香りを楽しむことを忘れていました。



本当によく働いた2020年。

ブログ10年目を迎え、聴き、装い、味わう香りの厳選紹介。いつもの年よりもこのブログで書く記事数も抑えたのです。


生きている、限られた時間。

その中で本当に大切にしたい香りを厳選することを決めた2020年でした。


そんな気持ちの今、

この凛とした優雅さをもつ薔薇色のお茶を楽しめる時間を持てたことを幸せに思います。




…écrit par SAWAROMA




2020年12月20日日曜日

香るように記憶に刻まれたアートシーン・Des œuvres d'art que j'ai vues en 2020


2020年、私が鑑賞した現代アート作品の中で、その印象が今もなお記憶の中で香り続けている 3名のアーティストの作品。それぞれの展覧会シーンを改めて紹介したい。







名和晃平 Oracle Kohei Nawa Solo Exhibition
2020.10.23- 2021.1.31 

GYRE GALLERY









Artifact / MAKITA Ai 

牧田  

202091621

日本橋三越本展6

アートギャラリー

自然と人工の境界を表現する絵画。牧田愛の個展が日本橋三越で開催 | 美術手帖








菅原玄奨 

個展「anonym

Gensho Sugawara solo exhibition 

2020.11.6-11.29 at EUKARYOTE 

菅原玄奨 個展「anonym」| 美術手帖


これまでに菅原玄奨氏の作品を私が鑑賞して綴ったsawaroma 記事も添えておきたい。

瑞々しい視点・YOUNG ARTIST EXHIBITION 2018 at EUKARYOTE

現代陶芸と彫刻の二人展『The hidden God』/清アートスペースにて9/3まで・見えるのは記憶か未来か?


…écrit par SAWAROMA




2020年12月16日水曜日

スパイシーに甘く香る花・ストック




Fleurs parfumées épicées et douces.


クローブを思わせるスパイシー感と

ほのかにパウダリーな甘さを漂わせる香り。

部屋の中があたたかな香りで包まれました。

ストックという名のこの植物の花。

和名はアラセイトウだそうです。




最初はこの花のふわふわとした花びらの重なりや、密集する小さな蕾の勢いに魅かれて入手したのですが、水に挿してしばらくすると、部屋の中に華やかな香りがふんわり。





白と緑の清楚なコントラストと温かな香り。春の花だそうですが、クリスマス間近の寒い時期にも嬉しいスパイシーフローラル。香る花として記憶に留めたいと思います。




…écrit par SAWAROMA



2020年12月12日土曜日

立体感が生み出す華やかさ・ROUGE / COMME des GARÇONS




立体感が生み出す華やかさ。それは私が常に装いに求めるものでもある。エッジの効いたトップノートは辛口ながらもしなやかな香り。ユニークな香料達が見事に新しい香りへと変身している。いつしか肌からふわり、ふわりと漂ってくる華やかさ。私が想像する「ROUGE」そのものだ。


Splendeur créée par un effet tridimensionnel.  C'est aussi ce que je veux toujours dans ma tenue.  La note de tête énervée a un parfum sec mais souple. Des matériaux uniques sont transformés en un nouveau parfum. L’éclat qui flotte de la peau et dérive doucement.  C'est exactement "ROUGE" , ce que j'imagine.




今年10月に発売された、コムデギャルソンの新作フレグランス、「ROUGE」(フランス語で赤を意味する) 。海外の記事でも、香料素材ビーツが使用された特徴をはじめとする、そのユニークな香りの魅力が記されている。

ROUGE by Comme Des Garçons: Like The Boys, I Swear... or Viva Beetroot! | fragrantica


確かに、ビーツの感触も新しくて面白い。もっと驚いたのは、ジンジャー、ピンクペッパー、ミントなど、単独でも私が好む素材たちが、それらの生々しい片鱗を残さずに華やかな奥行きを構成している点である。


コムデギャルソンの香り。新作が発売されるたびに青山の本店に出向き、実際に試してきた。今回の新作は私が香りに求める赤のイメージにかなり近い。視覚的な赤を滅多に着ない私は、香りには積極的に赤を求める。




これまでに入手してきた赤のテーマの香りは、皆選んだ時点では、それなりに当時の赤のイメージだったのかもしれない。だが、今回はそれらを遥かに超えている。出逢えて嬉しい。


…écrit par SAWAROMA







2020年12月5日土曜日

メロディアスな香り・Rose Mojito / ĖDIT(h)




出逢いは名前の響きから。

ローズモヒート、

既知の単語の組合せが

一つの新しい言葉になっている。

新鮮なリズム。

知っているはずなのに

知らなかった何かに出逢えそうで

早速香りを試す。




懐かしいあの匂いかと思いきや

過去からの時間を駆け巡るような

優しい音楽が流れ始める。


Les nouveaux mots par ce parfum 

devient mélodieux dans mon coeur.

ローズでもモヒートでもない、

新しい言葉がメロディアスに。


子供のころ、

キュッと心に鳴り響いたあの感触。

ローズに冷たい透明感を感じた一瞬。

ライムとミントの解放的な調和。

甘いのか、

なめらかなのか。

いずれにせよ、心地良い。


日常、

1人で過ごす時間には

特別な自分と出逢い、

誰かに会うときは

相手に新たなオーラを見せる、

嬉しい意外性に溢れた香りです。




Rose Mojito / ĖDIT(h)

http://edithtokyo.com/fragrances/

https://edith.shop-pro.jp/?pid=137006873



ĖDIT(h) 公式サイト

http://edithtokyo.com




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2020年11月28日土曜日

潔さ香る、White Floral / LIBERTA PERFUME ・ミニマルな抽象化





白い花にはある種特別な印象を抱いてきた。大切な場面で私はよくこの色を装う。なぜなのだろうかと考えてみた。その凛とした佇まいに気分が一新され、自らの体内に潜む温かさや複雑な想いが新しい華やぎを持って香り出すからかもしれない。


花の匂いは必ずしも甘くはなく、多種多様。色々な植物の姿、花の表情を観察していると、いずれにもハッとさせられる強さがある。そうした佇まいが、人に装われることによって気品を醸し出すと想定された洗練を持つフレグランスは新鮮だ。






白い花にはことのほか、独特の潔さがある。

ホワイトフローラル。

この解釈を再考するきっかけとなった

フレグランスが、前回の記事

http://sawaroma.blogspot.com/2020/11/canomaliberta-perfume.html?m=0

でご紹介の《LIBERTA PERFUME》 

による《White Floral 》。





実にミニマルな抽象化であると思う。

白い花そのものの匂いなど超え、

その凛とした佇まいが香りとなっている。

第一印象の清々しい緑感から、透明感のある白い花の輪郭へと、静かに、密やかに香る。いつの間にか、纏う身体の体温と一体となった曲線的な余韻。この生きた纏う身体あってこそのまるみが、儚くも凛とした気品を醸し出す。


微細な一瞬。

白い花の凛としたきらめきはほんの一瞬。だからこそ麗しいのだろうし、余計なあれこれなど要らなかったのだ。フレグランスというものは、人が纏って初めて良い匂いの香りとなる。だからフレグランス自体はもっと洗練されたものであって欲しい、と改めておもう。



…écrit par SAWAROMA









2020年11月19日木曜日

香りで自由な装いを導く・ 《çanoma》と《LIBERTA PERFUME》





香水とは? 人が自らを香らせるとは?

これまでの歴史はさておき、これからの時代、「装う香り」はどう進化していくのだろう。そんなテーマに挑み、「今という時代の香り」を模索し、形にするチャレンジャーは、まさに現代アーティストそのものだとも思う。


昨日まで開催されていた

SIXIÈME (GINZA SIX 2F)での

La touche finale parfumée

(ラ・トゥーシュ・フィナル・パフュメ)貴女らしさを引き出す香りとの出会い -」。

https://sixieme.jp/news/2020/10/la-touche-finale-parfumee-pop-up-store.html

ニッチフレグランス・レアパフュームにフォーカスしたフレグランスイベントである。


こちらに参加されていた二つのブランドを紹介したい。いずれの代表者も「フレグランス」への自らの問題意識を具現化した日本人クリエイターである。




まずは幾重もの抽象化が新鮮な《çanoma》。

アルファベット文字、数字、源氏香記号という3段階のヴィジュアルから香りを提示する。

ストーリー性を匂わせるタイトルやヴィジュアルイメージはあえて最初に提示されないので、まずは純粋に自由な感じ方で香りに向き合える。




ブランド名サノマ、という音の響きから日本人は何を想像するだろうか。フランス語でCをサ行で読ませるための綴り字セディーユのついたÇの存在からフランスからの風を感じさせる。

現在4種の香りを提案中。

クリエイター自身による説明はこちらから。

https://note.com/yuta_watanabe/n/nde19695b62ab




もう一つは、《LIBERTA PERFUME》。

イタリア語で「自由」は、la libertà であるから、きっと「自由」の新たな解釈に出会えるのだろうと期待し、その明確なヴィジュアルメッセージを持つパッケージデザインの無駄のない洗練美にまずは魅了された。




他ならぬ自分のために香りを選べるように、香料や香調に詳しくない人でもわかりやすい具体的な写真と文での説明を提示。個々の私的な思い出や想像と結びつける自由な感受の邪魔にならない、必要最低限のガイドとなっている。




さまざまな香水を幼少期から嗜み、香りの魅力を伝える仕事にも30年近く関わってきた私が、自由な心で出会えたブランドであり、改めて香りを洗練させる大切さを考えるきっかけをいただいた。

ブランドサイトはこちらから。

https://liberta-perfume.com



…écrit par SAWAROMA




2020年11月11日水曜日

1月公開『パリの調香師 しあわせの香りを探して』/原題《Les Parfums 》にみる、出逢いという名の化学反応




『パリの調香師 しあわせの香りを探して』。

試写会にて鑑賞。日本では来年1月公開予定です。

https://parfums-movie.com/

ほんの少しの新しい要素が加わるだけで、香りも人生も生まれ変わる出逢いという化学反応。まずはそんな感想に暫し浸り、徐々にポジティブな気持ちに包まれました。


À l’avant première de

Les Parfums / réalisé par Grégory Magne.

Il sortira au Japon en janvier 2021.

“Avec juste quelques nouveaux éléments, le parfum et la vie aussi renaîtront...”

Tout d'abord, j'ai été plongé dans une telle impression pendant un moment, puis j'ai été progressivement enveloppé d'un sentiment positif.






香水が好きな人にはもちろんのこと、自分の人生はこんなものかなと漠然と感じつつもちょっと立ち止まって見方を変えたい、という人にもお勧めの作品です。


この物語の登場人物も、それぞれの人生のターニングポイントを迎えるタイミングで出逢い、まさに、立ち止まるのです。


現実の世の中もまさにそんなタイミングではないでしょうか。2020年が暮れようとしている今、昨年の今頃とは違う自分を見出している人はきっと多いはず。誰にとっても忘れることのできない事件が起きたからです。






さて、本作の原題は《Les Parfums 》。

フランス語では、数えられる名詞の総称には定冠詞複数形のles がつきますから、このタイトルから、様々な香水、香料、香りを想像させる物語であろうと期待できました。

『パリの調香師 しあわせの香りを探して』

という邦題はそんなニュアンスを絶妙に匂わせていますし、邦題に添えられた一行、

「人生を豊かにする調合は一つじゃない」

は、映画鑑賞後に改めて心に響きます。香りの調合も、人と人との組み合わせにも様々な可能性があっても良いのだと。






調香師を演じたエマニュエル・ドゥヴォスについて、私的な感想を最後に記しておきます。

遠くを見つめているような、その神秘的な眼差しは言葉よりも多くを語っています。繊細で柔らかな知性の中にどことなく無垢な可愛らしさを秘めた独特の魅力を持つ彼女には、調香師アンヌ・ヴァルベルグ役もぴったりでした。






今回の作品の中では、場面ごとの彼女の心情をよく表現した衣装にも感心。パリの風景にもよく溶け込んでいます。



…écrit par SAWAROMA





2020年11月7日土曜日

マジカルな7つの新たな香り・LOUBIWORLD FRAGRANCE COLLECTION/CHRISTIAN




ボトルキャップの地球儀。その上のハイヒールは、クリスチャン・ルブタンのお店があるパリの場所に乗っているそうです。香りは、まさにハイヒールで駆け抜けたい、グラマラスなパリの空気。





これはこのシリーズ7種の香りのうちの1つ、

ルビルージュ。


他に6種類もあるのです。

赤いボトル本体のキャップには

王冠あり、招き猫あり、スカルあり。

クロコダイルにパイナップル


さあどんな世界なのでしょうか。

ひとつひとつ、

ブランド専用のムエットに吹き付けていただき、

じっくりと時間経過による変化を観察。

どれもみな、上品に均整のとれた香り方に

なっています。






https://jp.christianlouboutin.com/jp_ja/shop-online-1/beauty/loubiworld.html


チュベローズの艶めかしさが優しく香るルビキス

紫色の装いを優雅に着こなした女性の靴音が聞こえてきそうです。

ストロベリーの愛らしくキュートな印象から始まるルビドゥーは、真っ白なブラウスに赤いヒールを輝かせた女性を想像させます。

ミルラの神秘的な奥深さとなめらかなウッディ感に満ちたルビクロックからは、眼差し麗しくエキゾティックな横顔を。


1111日の発売にさきがけて

11月4日から10日まで開催の

新宿伊勢丹のサロンドパルファン。

https://www.mistore.jp/shopping/feature/women_f2/cosme_sdp_w.html

本館1階にて

LOUBIWORLD 

展示販売中です。



…écrit par sawaroma






2020年11月5日木曜日

肌を潤し、絶妙バランスで香る・Body Butter/ THANN





この「ボディバター」。肌にやさしく潤いを与え、バニラやココアを思わせる甘い香りがする、秋冬必需品のひとつです。


Ce “Body Butter” , c’est l'un de mes articles incontournables de l'automne et de l'hiver, qui hydrate la peau en douceur et dégage un doux parfum rappelant la vanille ou le chocolat.





https://www.thann-natural.co.jp/product/detail/1752

https://www.thann.info/shiso



タイのブランド、THANN の製品が日本で販売されるようになったのはかれこれ15年前のこと。ちょうど私が南青山のとあるアロマトリートメントサロンの監修をつとめていた頃でした。サロンで使用する化粧品を探していて出逢ったのです。

当初より、そのジェンダーフリーのクールなパッケージデザイン、モダンな香り方、アジアの素材を活かした科学的なアプローチに注目し、様々なアイテムを愛用してきましたが、今でも一番のお気に入りはシソシリーズのボディバター。


このアロマは、香り方のバランスが絶妙なのです。


優しい甘さ、柔らかく。乾燥した肌が潤うのはもちろん、翌朝までほんのり残る香りは私の肌から漂っても、身近な人物からでも嬉しいものです。


なんだか最近一段と皮膚になじみやすくなって、さらに保湿される安心感が実感できるようになり、ますます気に入っています。

調べてみたら、やはり進化していましたね。

昨年リニューアルされていました。

https://www.google.co.jp/amp/s/prtimes.jp/main/html/rd/amp/p/000000011.000029563.html



この柔らかさの魅力は…。

例えるならば、あからさまに皮膚を露出せずとも、ふんわりとした装いがゆるやかに映し出す均整の取れたボディラインさながらに。

これ見よがしではない優雅な存在感。

そのような香り方は本当に貴重です。




…écrit par SAWAROMA




2020年10月31日土曜日

艶めく肌、香りも心地良い・espoir (エスポア)





エスポア、韓国のコスメブランド。

日本でも今春から販売開始。

espoir, c’est  une marque 

de cosmétiques coréenne.

En vente au Japon 

à partir de ce printemps.



10月、乾燥する空気に負けず、肌ツヤを保ちながら顔色を明るく見せられるメイクをと考えていたところ、エスポアに出会いました。いずれのアイテムも、肌に纏うたび、絶妙に程よく心地良い香りが楽しめるのも嬉しいです。





写真1枚目 

エスポア

ノーウェアモイストハグ

#サンリット

(リップスティック)

なめらかな感触。

サンリットの色は、

温かみのある明るいローズオレンジ。





写真2枚目

エスポア

プロテーラービーグロウクッション

#ペダル

(ファンデーション)

二重構造なコンパクト、上部にパフ、

仕切りの下にはウェットタイプの

クッキーファンデーション。

ポンポンのせられる

軽いつけ心地ながら

しっとりツヤ肌を持続させます。

毛穴、くすみもカバー。

ペダルの色味には繊細な透明感あり。





写真3枚目

エスポア

デューイフェイス

モーニング グロウ

(化粧下地)

肌にのせるとやわらかくなじみ、

光を浴びたような輝きのベースを作ります。

ほんのりローズの優しい香りも印象的。





写真4枚目

エスポア

リアルアイパレット

#ピーチライク

(アイシャドウ)

この7色のグラデーションがあれば

私にはアイラインも不要になる程

様々な立体感を演出できます。

濃いめの色は小指の先で、

肌の色に近い淡色は指の腹で。

いずれも指肌になじみやすく

デリケートな目元の皮膚に

キレイにのせられます。

ラメも上品な輝き。



明日から11月。

温かみのある色味を楽しみながら

笑顔で秋の時間を過ごしたいと思います。



エスポア。

Instagramアカウントは @espoir_jp。




…écrit par SAWAROMA



2020年10月28日水曜日

一瞬漂う至福の香り・ANGELS’ SHARE & ROSES ON ICE by Kilian




“angels’ share”(天使の分け前)。

フランス語では “la part des anges”

熟成期間中に樽から蒸発する数パーセントの

コニャック(ブランデーの一種)のことを示す。


世界的なコニャック・メゾン、ヘネシー家に生まれ、コニャック セラーに漂う芳潤な香りに包まれて育ったキリアン・ヘネシー。2007年に彼が立ち上げたブランド「キリアン」の新作は、新カテゴリー、“THE  LIQUORS”のフレグランス2種。


日本では1016日に発売された。

https://www.takashimaya.co.jp/nihombashi/departmentstore/topics/1_2_20200923205616/?category=ladies



LIQUORSとは蒸留酒。

飲む香水ともいうべき蒸留酒の代表格とも呼びたいコニャックとジンをテーマにした香りである。





その一つがANGELS’ SHARE。まさにコニャックの芳潤な香りを彷彿とさせる。あたたかな琥珀色の液体に宿るのは、ブドウからワイン、ワインからブランデー、極上のコニャックへと磨きあげられた過程で生まれた芳潤な香り。


熟成された香りとは、複雑でありながらもまろやかなもの。柔らかくなめらかである。単純に、甘い、などとは表現できない。もちろん甘さもあるが、それは樽というウッディな存在が育てた温もりであり、ブドウから生まれた花や果実、スパイスやナッツなどを彷彿とさせるブーケの余韻でもある。


ムエットに染み込ませて4日も経つというのに、その優雅な温もりは消えていない。皮膚に乗せて衣服を重ね、体温であたためて柔らかな動作とともに一瞬香らせてみたいと思う。


一方の、ROSES ON ICE

このネーミングも、ジンの香りを愛する人間にはたまらないその魅力を思い起こさせる。

ジュニパーベリーから生み出される爽快な風味が極上のジンにライムを絞りひと口。ふわり薔薇のようなフローラルな香りを幻覚のように感じることが時折ある。まさにその至福の一瞬を再現したようなフレグランスである。



液体がきらびやかに反射するボトル。

まるで本物のリカーを楽しんでいるような

気分に満たされる。

琥珀色のあたたかな炎を眺めているような、

あるいは、

淡いブルーの静かな冷気でリフレッシュ

させるような存在感をもつボトル。


香りも眺めも見事な今年の逸品と言いたい。




…écrit par SAWAROMA