2012年8月30日木曜日

月の綺麗な夜に…グレイシャス・チュベローズ

満月に向かって、三日月が膨らんできた頃。
夜景の綺麗な場所で人に会う時があった。

晩夏の穏やかな月明かりを想像し
ひそやかに、あたたかく、なめらかな香りを放つチュベローズの花を想い描いた私は、グレイシャス・チュベローズと名付けられたコチラの香りを選ぶ。

白いノースリーブのブラウス。
月の光のような控えめな淡黄色のスカート。

とても穏やかな気分で過ごせた。
人の優しさを敏感に感じ、自分も優しくなれたと思う。
話したい人達ときちんと話すこともできた。

香料チュベローズの香りについてはコチラでも書いたように、何度も嗅ぎたくなってしまう魅惑的な印象だった。まさしく何度も確認したくなるロマンティックな優美さを、このフレグランスからも感じていて、翌朝もその余韻に浸る。

これからは
三日月から満月に向かう時期
夜空を見上げたら
この香りを思い起こすかもしれない。



2012年8月28日火曜日

The blue and The green…at Shizuoka

8月最終週。
静岡に一泊出張。
印象的な"ブルー"と"グリーン"を見た。

まずはこちら。
晩夏の夕刻の空と海。
遠くに見えるのは駿河湾。



2010年にできた、静岡市内で最も高い葵タワー25階からの眺め。

翌朝。
静岡駅の地下街を歩いていて見つけたこの看板。


6月にオープンしたらしい。
ひんやり美味しそうなグリーン。
お店は満席。

さすがお茶どころ静岡!と
静岡発祥のお店かと思っていたらナント
nana's green tea は本社が東京の世田谷区にあった。
Japaneseな飲み物の色、グリーン。
東京では目に入らなかったのに。

夏の終わりに
目も心も癒される
ブルーとグリーンに出逢えただけで
なんだか嬉しい。


2012年8月24日金曜日

万年筆で「人生と美」を描くモンブランの香水

昨日のニュース。

MONTBLANC│モンブラン
91年の生涯にちなみ、世界で91本のみ製作
偉大な芸術ピカソの人生と美を封じ込めた万年筆


ピカソといえばその生涯の中で何度も作風を変えながら美を追求したアーティストであり、私自身もパリのピカソ美術館で観て忘れられなくなった作品がある。

万年筆、という名のとおり、これは幸運な出逢いに恵まれたとしたら、一生ものになるかもしれない、大切な道具である。さらに、これが自分の身体の一部でもあり、使用している姿が絵になることを想像すると、腕時計などと同様、どうしてもその存在にはこだわりが生じるものであると私は思う。

2000年代に入って間もなくの頃だった。
モンブランはブランド初のメンズフレグランスを発売した。
名前は、確か、"PRESENCE" 。
その後まもなく、同名の女性用が発売。(日本では2002年秋)
"PRESENCE D'UNE FEMME"




写真は、香りの専門誌"PARFUM"2002年秋号より。
そして私も実際にこのEAU DE TOILETTEを使用した。愛用した記念に、空ボトルとパッケージも保管していた。温かみのあるシックな香りで、私にとって秋冬の空気にはピッタリだった。ラストノートでエレガントに響くヴァニラや樹木の官能的な余韻も魅力的で、女性に限らず繊細な美を大切に考える男性にも似合うかもしれない。

さて、アメリカのフレグランスサイト"FRAGRANTICA"で調べてみたらコチラに健在。今となっては稀少なローズウッドも使用されていたのかと思うと、またひとつ好きになった理由を発見。

そして、このサイトの最新ニュースでは、モンブランからこの秋、コチラもデビューするという。クラシックなエレガンス、ナチュラルな上品さを体感できるというこの香りが日本でも発売されるかどうかは知らないが、海外で出逢えたら試してみたいと思う。

2012年8月22日水曜日

「幸のこわけ」・記憶に残っていた彼女から。

…去るものは追わず、記憶に残るものは大切にする。第六感とも第七感ともいうべきメッセージを信じてみる。

そんなことをTwitterやFacebookでつぶやいた矢先。
小学校1〜4年生まで同じクラスメイトだった旧友と久しぶりに会う。

彼女とは小・中・高校と同じ学校にいたにもかかわらず、共にクラスメイトとして過ごしたのは6〜10才の4年間のみ。しかし、小学校時代の忘れられない友の名として、私の記憶の筆頭に挙がるのは彼女の名前だった。

そんな彼女のことを人づてに知り、私から連絡をとって再会したのは4年前。
今年7月、今度は彼女から連絡がきて昨夜会う。

颯爽としたすがすがしさは小学校時代となんら変わりない。
少なくとも、その声、笑顔の表情、誠意のこもった話し方は当時のまま。
そんな彼女に再会できただけでも幸せだと思っていたのに
渡されたお土産に再び感激。

彼女のおかげで、私は18年近く生活していた郷里、富山の素敵さを改めて実感。
そう、私の母も父も祖母も…
美味しいもの、楽しいことはいつも周囲におすそわけし、分かち合うことで笑顔を増やしていた人たちだった。

幸のこわけ

彼女から控えめに渡されたおみやげは、「幸のこわけ」と銘打たれたシリーズの中の「素干し 糸するめ」「ほたるいか燻製」。どちらも私の大好きなもの。するめは神社に嫁いだ叔母から毎年初詣のたびに持たされていた懐かしの美味。ほたるいかは富山県滑川の誇る珍・美味。豊かな郷里の美をこんなにコンパクトな「おすそ分け」にしてくれたデザインにも感激ですが、これを選んでくれた彼女の感覚にも感謝。アパレル企業に長らく勤務する彼女のこれからがさらに幸あふれますように、と祈ります。

「幸のこわけ」で思い起こしたのは香りのこと。
香りというものは、その心地よい伝わり方さえわきまえていれば、自分ばかりか周囲の人たちも幸せにできる素晴らしいものなのです。


2012年8月20日月曜日

懐かしい香りの美に浸る・香水評論家による香りスクール

本日午後。
好きな世界に浸る時間を満喫。

"PARFUM" 162号(夏号)発刊 の中でもご紹介していた、香水評論家の平田幸子さんによる香りスクールに出席。

薬や健康のためとしてではなく、人(特に女性)のさまざまな美を香りで芸術的に表現したフレグランス。それが王侯貴族のためだけではなく、広く「美を求める人々」のために創られ売られるようになったその歴史的背景は、社会の変遷に応じて移り変わるその時代毎のモード(様式)、ファッションやアートとともにありました。

そんなお話を聴きながら、香水史上初のオーデコロンを踏襲して生まれた"4711"に始まり、特に1900年代から現代のフレグランスを、ナルシス・ノワール(キャロン)からフェイム(レディ・ガガ)まで、約10種。ゆっくりと鑑賞しながらかつての懐かしい香りに浸ります。

幼少期~10代のころから、フレグランスの香りにしっかりと美の世界を感じていた私には、香りを通してその背景のアートやファッションが見えていたように思います。ピアノを通してクラシック音楽に親しんだり、外国の物語をたくさん読み、いつも空想にふけっていたからかもしれません。

懐かしい香りその1



おなじみの"4711"ですが、ナポレオンがブーツにさしこんで携帯できるように創らせたという細長いボトルの復刻版だそうです。爽やかな柑橘系のオーデコロン。

懐かしい香りその2


ミニチュアボトルコレクションを見せて頂きました。20世紀の香りたち。私の大好きだったサムサラ(ゲラン)や、イタリアで買ったアマリージュ(ジバンシィ)もありました。世界的恐慌ムードの中1930年に発売されたジョイ(ジャン・パトゥ)はローズ・ド・メ、ジャスミンなど最高級の天然香料がふんだんに使用された高価なもの。戦時下のフランスで平和を求めて生まれたのは1942年発売のラリックによる鳩のキャップが目印のレール・デュタン(ニナ・リッチ)…その他ボトルを見ただけで何のフレグランスかすぐにわかるものばかりです。

懐かしい香り その3


1947年発売、シプレタイプの代表的フレグランスの一つ、ミス・ディオール(クリスチャン・ディオール)。後ろの黒い楕円形のバロック調ボトルは、2004年に発売されたシプレフローラルタイプの重ね香(メナード)。

最後に日本で先行発売されたレディ・ガガのフェイムを鑑賞。ボトルではなく液体そのものが黒いフレグランスは独特のインパクトを持った香り。時間が経つほどにやわらかな曲線が流れているようなふくらみを感じました。…清濁併せ受け入れ生きる現代にあって、それでもなお激しく美を求める心を忘れずにいたい、という情熱の一端を感じています。

こんなふうに、美術品を鑑賞するように自由に香りを鑑賞するひとときは楽しいものです。次回11月19日は香道の体験もあるとか。香料と人の関わりは奥深いものです。

詳しくはもうすぐリニューアルオープンのコチラサイトをご覧ください。スクールの会場となるメナード・ビレック表参道サロンフロントもリラックスできる素敵な空間です。



2012年8月18日土曜日

タイ発日本・THANN SANCTUARY 今秋オープン

私と日本での出逢いは2004年秋でした。
そのコンテンポラリーなビジュアルデザインとシンプルで洗練された香りに魅かれ、ずっと応援してきたコスメブランド"THANN" が、9月1日に日本初のオリジナルスパをオープン。

THANN SANCTUARY
場所は汐留のパークホテル東京26F。

THANNサイトの最新インフォメーションによると
THANN SANCTUARY オープンのニュースは「GINZA」 9号(8.10発売-マガジンハウス)にて告知されたとか。
施術から空間づくりにおけるすべてにTHANNのプロダクツを使用、THANN独自のコンセプトに基づいたTHANNサンクチュアリーのナチュラルでエキゾチックな空間美がついに日本でも実現とのこと。

アロマトリートメント〜リラクセーションスパ産業も発展〜成熟期に入ろうかという日本で、このスパがオープンすることに、私は二つの重要な意義を見ています。

ひとつは…アジアの素材の豊かさとそれを洗練させた現代アートさながらの美を、リラクセーションを通して体感できること。
もうひとつは…女性の領域というイメージが強かったアロマテラピーリラクセーション、美容がジェンダーフリーの環境でより多くの男性にも提供可能なこと。

アジアの人が昔から食べてきたコメやシソの恵みも改めて感じられそうな化粧品ラインがそろい、施術を通してこれらを体感できます。メニューを見ると、施術には東西さまざまな世界の技術がもりこまれているようす。

私がこのブランドに最初に魅かれたいきさつはコチラでも書いていました。このブログに貼り付けた記事は今は読めませんが、創業者へのインタビュー記事としてより新しい「タイから世界へ挑む自然派コスメブランド…」を代わりにご紹介しておきます。

これまで私自身のブログでもTHANNのプロダクツをいくつか紹介してきましたが、その中でも、いまも私の日常の一部となっているものについて書いた3本を改めて記しておこうと思います。

THANN ジャスミンシャワークリームRC &ボディクリームRC
甘く香る南果・BAEL FRUIT TEA
手軽な携帯香・ソリッドパフューム


2012年8月16日木曜日

ブランド名は調香師名…フランシス・クルジャン

かつて魅かれたフレグランス、調べなければわからないその創り主である調香師の名をあえて調べ記憶にとどめていた…その人にとっては、もはやこの時点でこの調香師の名前そのものが、得難いフレグランスブランドとなっているのかもしれません。

フランシス・クルジャン

彼は、音楽とバレエを学び15才で調香師を志して修行を重ねたそうです。最初に注目されたのはゴルチエブランドのフレグランス。以来組織に属しながら多くのフレグランスを世に送り出し、2005年にはマリー・アントワネットの愛した香りの再現も試みています。数々の功績が認められて2009年にはフランス芸術文化勲章を受賞。同年自らの名前を掲げたフレグランス・メゾンを創立しました。

これまで海外でしか入手できなかったと思われるこのメゾンのフレグランスが遂に日本初上陸とのニュース。またしても時期は9月。秋の入口。

若きスター調香師フランシス・クルジャンのフレグランスが日本初上陸!伊勢丹新宿店で9月先行発売

たしか先月、フランスの美容雑誌の記事(夏に着替える香り)を紹介するブログを書きましたが、この記事で紹介されていた3人目のマダムが、まさにフランシス・クルジャンのフレグランスを使用しているとコメントしていました。

私はといえば、このフレグランスの香りを造った人物として、確かに記憶にありました。深く、柔らかく、記憶に響き渡る独特の音楽のような印象でした。今でも秋から冬にこの香りと過ごす日々を大切にしています。


2012年8月14日火曜日

「黒」の秘密を先入観なしで楽しみたい・ "Coco Noir" と"Dahlia Noir"

海外のサイトや雑誌でしか見られなかった新しいフレグランスの情報が少しずつ日本にも届いている。今日、そのヴィジュアルからずっと気になっていた二つが同時に日本語サイトの記事となってアップされていた。いずれも名前の一部が "Noir"(黒)。

ひとつは
先日コチラ でご紹介のシャネルの "Coco Noir"

シャネルが黒に美を見出した軌跡がゆっくりと感じられる香りになるかもしれない。黒につつまれてこそ現れる女性の美しさの秘密。

もうひとつは、昨年末にパリの美容雑誌 "VOTRE BEAUTÉ"誌上見開きのミステリアスな広告ビジュアルが印象的だったジバンシィの "Dahlia Noir"

香りのない花ダリアにインスパイアされて行き着いたイメージは黒。そこには、ありそうでなさそうな、優雅で危ない未知の迷路のような魅力。

秋の夜は長い。
囁くように香りながら長くあたたかく肌にとどまり、変化しながら見えない魅力を見える人のみに発信するフレグランスが似合うとき。
この二種の新しいフレグランスは背景も香りも全く違うはずだが、シャネルは9月、ジバンシィは10月に日本でこれらをデビューさせるその意味を素直に受けいれ、先入観なく感じるイメージを楽しみたいと思う。





2012年8月13日月曜日

ピアノ(アキコ・グレース) &太鼓(ヒダノ修一)のジャパネスクな音

相模原へ。
メイプルホールにて、この夏一番楽しみにしていたライヴ。

6月にコチラ でもご紹介していたアキコ・グレースさんお勧めのライヴです。
国内及び世界27か国でなんと約2300回もの公演を行ってきたという太鼓ドラマーのヒダノ修一さんとの初コラボレーションライヴ。

改めてお二人のオフィシャルサイトをご紹介。
アキコ・グレース
ヒダノ修一

真夏の空気にピッタリの熱い音。
…波のような冷たくも激しいうねり、一秒一秒を無駄にしない生き物のきらめくような息遣い…稲妻のような閃光、花火よりも華やかな音の花が何度も打ち上げられたような素晴らしい時間だった。

ピアノと太鼓。この異質な音がこうも互いに「打てば響く」の心地よい一体感となるとは…太鼓の深いところから響く迫力と、華やかな光を思わせる高音はもちろん、力強い低音を伸びやかに奏でるピアノとが見事に調和。

それぞれのソロも一曲ずつ堪能。
ヒダノさんがソロで使った太鼓。波のように速くうねる両手の動きに目を奪われる。左右全く異なるリズムが夢のように共鳴。




ヒダノさんは、いつもならこの太鼓を自ら持って演奏…とおっしゃった。8キロもあるとのこと。あまりに素晴らしい音だったのでライヴ終了後、パチリ。
ホント、素敵な音だった。忘れない。

2012年8月11日土曜日

視覚から嗅覚への再構築・革新的デザイナーブランドの新香水

9月デビューの新作ニュースより。

アクティブに、もっと自由に「エレガンス」を着ることの楽しさを世界中に伝えたイッセイ・ミヤケの代表的なブランドがそのまま名前になった新作 Issey Miyake Pleats Please Eau de Parfum

上記ページの動画をチェックすると、このフレグランスのイメージが見事に視覚化されているように感じる。カラフルなプリーツをまとったリズミカルな視覚美は、いかにして香りを通して嗅覚に訴えかけるだろうか。

もう一つ。約1世紀前、現代にも生き続けるスタイルを構築した革新者ガブリエル・シャネルの新作 Coco Noir

リンク先から知ったが、シャネルの言葉には次のようなものがあったという。

"Before me, no one would have dared dress in black."

ブラックドレスの美。深くミステリアスな想いが秘められた黒。それらがどのような形で香りに再構築されているのか、楽しみである。

晩夏の緑陰

立秋を過ぎれば
残暑はあっても、どこかちがう。
一週間前までとは、光も、空気の匂いもちがう。


8月10日午後3時。
世田谷区の遊歩道にて。


高くそびえるユリの木。
生い茂った葉の色は少しずつ変わり始めている。



奥へすすむとこんな緑陰に出会う。
緑のカーテンの中では
体感で5℃以上はちがうような気がする。

鳥たちもわかっているとみえて
この中で涼んでいた。

何も余計なことを考えず
ただこうした緑につつまれて歩いていると
かけがえのない時間を過ごせたように感じた。





2012年8月9日木曜日

パリに学んだ二人の日本人画家

昨夕のこと。
コチラ にてご紹介の展覧会へ。

ついうっかり、出口から逆に作品を見る。歴代の東京美術学校卒業生による自画像から鑑賞してしまった。自画像は深い。たたみかけてくるように響くものが多く感じられ、このフロアだけでかなり長い時間過ごし、一巡したあとに再び見入ってしまった。特に印象に残ったのが、下のチラシ写真向かって右側の、青みがかった服を着た自画像を描いた佐伯祐三である。


この人の自画像は実際にはもう一点展示されている。どちらにもしばらく足を停められた。隣に彼が描いた雪景色にも。複雑な線と色との繋がりが、生きることの厳しさを象徴するかのような空や土、建物の表情となって映る。20世紀前半のフランスの空気が静かに伝わってくるようでしばらく耳をすませた。パリの街、パリの人、画家たちから様々な影響を受けながら描き続けたと想像。
彼は30才の若さでパリで亡くなっていた。

もう一人、その色彩のタッチで印象に残ったのは、下の絵葉書にもなっている作品「カンヌ」の梅原龍三郎。パリでルノワールに指導を受けたということを知り、その影響を感じるとともに、この人の自由な筆致に魅かれた。


東京藝術大学の前身は、東京美術学校であった。1887年設立、1889年開校、1949年に東京音楽学校と合併して東京藝術大学として再発足。今回の展覧会場となったホテルオークラ東京は今年開業50周年。ー(展覧会チラシより)

美術史には詳しくはないが、この二名の画家の名前と印象は私の記憶に刻まれたと思う。人生は長いようで短い。できるものならば、限られた時間はこのような出逢いで満たしたい。

2012年8月7日火曜日

Okra green

鹿児島産オクラ。
しっかりとしたカタチにうぶ毛ぴんぴん。

生の色はいまひとつ淡いみどりでした。

湯を沸かし、ひとつまみの塩とほんの少しの植物油を混ぜます。
その中に洗ったまるごとのオクラを。

茹でること数分。
鮮やかなグリーンに。




あまりにイキイキつやつやなので撮影。

まるごと…何もつけなくても美味しいくらいです。

夏に疲れた目にも身体にもやさしい
Okra green。

刻まずにまるごとシャキシャキ…が好きです。
ネバリの成分のがさずに。

2012年8月4日土曜日

五感に響いてこその新香水・「FAME」と「DOT MARK JAVOBS」

秋の新香水より。
まずは強烈なビジュアルインパクトで五感に響いた二つをfashion-pressの記事からご紹介。

レディー・ガガ初プロデュース香水「FAME」全世界に先駆けて原宿で発売、漆黒が空気に触れると透明に

この、横たわる女性の写真。遠目に見るとかろうじて大切な部分が黒で覆われている。近づくと…何やら生き物のようなものが這っている。これぞ目には見えなくとも確かに存在するという、香りの本質の一つを視覚化している…さすがアーティスト、レディー・ガガ。このひとの表現に妥協はない。

さっそく原宿での発表会に出向いた方から情報を得た。
香り方も並ではないらしい。ブラックトゥクリアーという視覚的にもミステリアスなのに加え、香料素材どうしが引き立て合って肌の上で独特の変化をとげるという。まるで触覚音楽ではないか。使用香料の一部にハニー、サフラン、アプリコットの花蜜…ときけば夢のような味覚のイメージすら拡がる。
香りに触れる前にそこまで五感に響いてしまうインパクト。しかもその名はレディー・ガガのデビューアルバムのタイトル。香りとともに音楽が聴こえてきそう。

そしてもう一つ。
マーク ジェイコブスから水玉模様の新香水「DOT MARK JAVOBS」が登場

ドット・インパクト全開。
マーク ジェイコブスはこれまでもフレグランスビジュアルに独特のインパクトを与えてきた。ペッパーの香りが潔く小気味良く弾けていた2010年の「BANG!」では自らフレグランスボトルで身を隠すセミヌードを披露していたし、昨年発売された「OH, LOLA!」でもまるで花器?といわんばかりの華やかなボトルで10代後半から20代前半の女の子の気持ちを掴んでいたと思う。

今回のドット全開のビジュアルから私は、これが発売される11月初冬の寒さに負けない陽気でハッピーな空気感を届けようとする彼のユーモラスな優しさを感じた。


2012年8月3日金曜日

Texture of flowers …こんな感触を着たい

強い陽射しながら、柔らかな風がそよぐ夏の午後。リネンのブラウスを着て歩く。



こんな繊細なテクスチュアのブラウスが着たい。




風に揺れ空気との境界線が和らいで、濡れたようなブルーが見えた。こんなふうなしっとりとした感触のワンピースに包まれたい。

風の動きは、普段は見えないテクスチュアも見せてくれる。

2012年8月2日木曜日

バニラ・媚薬的な香りの秘密はキュアリング

先日、ベンゾイン(安息香)という香料の話をしていたら、テキストに「バニラのような香り」と記載されていたので学生が聞いてきた。

「バニラ?全然違う気がする。アイスクリームに使われたりする?本物のバニラってどんな香り?先生、持っていますか?」

今も私はバニラの天然香料をわずかながら自宅に保管している。かつて自作ブレンドの香りでアロマキャンドルを制作していた時期があり、2008年までの活動を記したサイト上コチラ にて紹介の「温」の香りの素材の一つとして使用していた。高価なバニラ(アブソリュート)やローズアブソリュートを使ったこのキャンドルは制作労力ともに表示価格ではとても割に合わないので現在は制作していないが、数個私の手元に残した「温」はあたたかくも優しい香りを持続させている。この余韻こそがバニラの魅力。

バニラはラン科の植物であり、花ではなく、バニラビーンズと呼ばれる果実の独特の発酵過程によってこの香りと出会うことができるらしい。この発酵過程をキュアリングと呼ぶらしく、全く…こうまでしてこの香りを欲した人間の飽くなき美意識というか欲望には敬服する。

植物としてのバニラ、貴重な香料としてのバニラ、キュアリングという過程については詳しく説明されていた二つのサイトページをご紹介。

日本新薬 植物の話あれこれ バニラ

洋酒のドーバー 世界最高品質のヴァニラは一人の奴隷の知恵から生まれた

今、バニラアブソリュートを一滴コットンに。
濃い褐色の液体。ほんのわずかで複雑で力強い温かみが周囲に拡がる。
時間の経過とともに、高級なバニラアイスクリームの後味に来るような甘い柔らかさがふっと鼻に届く。もうそれだけで、アイスクリームを実際に食べなくても満足できてしまいそうなこの香りのインパクト。そういえば私が昔好きだったオリエンタル調のシャリマーというフレグランスにもこのバニラの香りが漂っていた。




2012年8月1日水曜日

盛夏に必須な10のこと

こんなに猛暑でも元気でいる私が、
「このおかげかもしれない…」
と思うこと10をメモ。

もっとあるかもしれないけれど、憶えているうちに。


1,トマト
朝冷やした小ぶりのトマトを洗って皮ごと。これで目がさめて身体が動き出す。トマトは野菜の中でも特に好きだが、旬の夏が最高。

2,麦茶
特に暑い日々は水よりも麦茶。香ばしくて嬉しい。いつ飲んでもOKなカフェインレス。江戸時代にも飲まれていたらしいとどこかできいた。

3,発酵食品
ヨーグルト、納豆、味噌…日々欠かせない。なぜか夏はいつもより頻繁に食べたくなる。塩分強めのチーズも夏は有難い。

4,スパイシーカレー
夏野菜ゴロゴロ、油分少なめのさらさらタイプは冷やしてスープみたいに食べると美味しい。

5,バナナアイス
市販のアイスクリームが甘すぎて辛い私には、皮に緑が残るくらいのバナナを1センチ位ずつカットして冷凍庫に入れ翌朝食べるのが好き。程よく甘い。

6,ローズオットー
この精油のクールダウン効果、抗・皮脂酸化臭効果には毎夏驚く。疲れた心身が優雅に癒される。

7,ラヴェンダー
この精油のクールダウン効果、雰囲気リセット力には毎夏涼をもらっている。これなしでは夏は越せないと豪語する一名と同居。

8,ブルー系統の色の服
着るだけで何℃か体感温度が下がる錯覚をおぼえる。我が家はキッチンのカーテンもブルー。

9,頭蓋骨ピッタリのまとめ髪
長い髪もきゅうう…とピッタリ一つまとめで不快指数一気に低下。

10,グリーンを眺める
緑は見るだけで眼はもちろん疲れた気分も和む。身近にグリーンを。私の場合はデスクにシェフレラ。気がつくとブログ背景もグリーン。



「屋根裏部屋のマリアたち」で観たいもの・聴きたいもの

もう8月。
今月は映画を観る時間が取れるかな、と探してみる。

「屋根裏部屋のマリアたち」

裕福ながら単調そうな、気難し気な顔つきのフランスおじさまと
メイドでありながらも多様で明るく陽気なスペイン女たち。

この絶妙の取り合わせがコメディタッチで面白そう。

クラシックな'60年代ファッションも見応えあり。
フランス語の音の世界とスペイン語の音の世界の対比もさることながら、1960年代のパリのクラシックなインテリア&ファッションに対する屋根裏部屋の別世界も興味深い。フラメンコも流れてきそうなムード満点で…。
予告編だけでも魅力的。

こんな映画は
できれば混雑していない映画館で
ひとりでゆっくり鑑賞したいなと思う。