表紙の絵はポール・セリュジエ『ブルターニュのアンヌ女公への礼賛』1922年(ヤマザキマザック美術館蔵)。…ブルターニュ公国のアンヌ女公がブルターニュ地方の聖なる木オークの葉の茂る森の中で、蘇生と成長の象徴でもある若木に手をかざして祝福する姿。…VENUS Vol.23目次の説明文より。
東京都庭園美術館において、大震災後まもない2011年4月16日から7月3日まで開催された「森と芸術 私たちの中にひそむ森の記憶をたどってみよう」のポスターに使用されたのもこの絵。
1922年といえば、フランスが第一次大戦下の空爆でダメージを受けたころでもある。生きものの姿、生きる原点へ思いを馳せる復興への願いも感じ取れる表紙の絵を、2011年の春を回想しながら私は見つめた。
本誌は、東京都庭園美術館「森と芸術…」展の監修者であり、フランス文学者、美術評論家である巌谷國士(いわや くにお)氏と、国際香りと文化の会会長の中村祥二氏との対談から始まる。この24ページに渡る対談が興味深く、昨夜一気に読んでしまった。「森と芸術…」の展覧会を見逃したのは残念であったが、この対談を読み、鑑賞して得られたであろう好奇心の幾ばくかは取り戻せたように思う。本誌目次については、国際香りと文化の会ホームページ にも記載。
今回のVENUS Vol.23を一通り読み、改めて観てみたいと思ったフランス映画が二つある。巌谷國士氏ご紹介の「シベールの日曜日」(1964)と、植物生態学者である宮脇昭氏ご紹介の「木を植えた男」(ジャン・ジヨノ原作の本が1953年に書かれ、フレデリック・バックがアニメーション映画として映像化)。
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