サラ・ローズはシカゴ出身のジャーナリスト。彼いわく、ロバート・フォーチュンの物語を知ってから苦闘が始まった。ロバート・フォーチュンの4冊の旅行記、東インド会社宛の彼の手紙、英国図書館に所蔵されている東インド会社の報告書…その他中国、植物学などの壮大な専門分野にも関わるテーマのために500冊以上の本と文書にあたったという。
ここ数日飲んでいた紅茶のブランドはWEDGWOOD。なんと本には、茶のための陶器製造技術進歩を利用した初期の陶器職人がジョサイア・ウェッジウッドと記されている。
英国人ロバート・フォーチュンが見た中国人、中国の風景、中国の文化芸術に関する記述も興味深い。中でも、彼の使用人の一人の実家を訪れたときの観察記録。中国では書は芸術とみなされ、崇高なものとされるというくだり。漢字は字であると同時に絵画でもあり、美の追求にも通じ…書を書くのに使う筆、墨、硯、紙は「文房四宝」と呼ばれた…この一説が忘れられない。このような精神が茶の香りを愛好することにもつながるのだろうか。
中国の最高級の紅茶の産地、武夷山脈。インドのダージリンを抱くヒマラヤ山脈。本にも記されているようにまさに茶は「山の精髄」。
大航海時代の香辛料に続き、茶の香りも世界史を動かした。
イギリスと中国。ますます興味深い。
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