朝7時台。満員の車中にて。
かるくスパイシーにシトラスが香る。上品な余韻はごく淡いフローラル。
いつか私が持っていた香水に近いながらもちょっと違う。これは若い男性?
顔は見えないけれど、近くにいた白っぽいコートとゆるいウェーブの男性かな。たたずまいが香りから想像した雰囲気そのまま。見えなくてもきっと素敵な人。彼が今日一日ハッピーでありますように。
正午近く。講義中の教室へ撮影のためカメラマン入室。
「いい香りですね~」と、笑顔とともに。
ブルガリア産ダマスクローズとモロッコ産ビターオレンジの香りを鑑賞していたからだろうか。本日は、ローズとビターオレンジの芳香蒸留水、そして二種の花精油を鑑賞していたのでいつしか空間が春のあたたかな花畑のような世界になっていた。私も学生も皆笑顔。自然な授業風景を撮影するというので、少なくとも私は一切カメラを意識しなかった。自分や学生といったヒトが撮影されるというより、このフラワリーで楽しい空気感そのものが撮影されると感じたから。絵を描くのはカメラマンの仕事。
夕刻。パーティー会場にて。
すれ違う着飾った多くの女性の中からふっと懐かしい香り。もしやあの、50年以上も前に発売された歴史的な香水?様々な食べ物の美味しそうな匂いに消されぬ強い存在感。一瞬のタイムスリップ。新しい、と言われているものばかりが魅力的なのではなく、忘れた頃に出会う古いものこそ新解釈のチャンス。好きなものは流行に関係なく大切にする心。ぶれない女性がいた。
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