2012年1月3日火曜日

ジャン=クロード・エレナ著調香師日記(原書房)を読む

先月コチラ にてご紹介の本。年明けとともに一通り読む。



2009年秋から翌年秋までのほぼ1年間。南仏、パリ、イタリア、ベルギー、香港、東京、京都、金沢…調香師を職業とする一人のフランス人の日記を読みながら、私も旅をしているような気持ちになった。そして想像の中で様々な匂いや香りを嗅いだ。実に楽しい読書であり、またひとつ宝物を得たと思った。

これから何度でも読み返すだろう。読む時期によって違うものが感じられそうなところはまさに香りのようだ。

本文より一箇所、著者が「声を大にして言いたい。」と書き始める文章の一部を紹介したいと思う。2010年6月30日の日記より。

声を大にして言いたい。私は、香水のために凛とした簡潔なかたちを追求しているのである。私にとって香水とは、鼻にささやきかけるもの、心のなかに訴えかけてくるもの、思考に結びつくものである。…

「凛とした簡潔なかたち」。
私も、表現において常に目指したいと思う。

0 件のコメント:

コメントを投稿