2011年9月15日木曜日

皮膚を護り風を通す…衣服は人の生命線

今日も残暑厳しい一日だった。

講義。人前に出なくてはならないのできちんとした服装でいたい。でも高温多湿で身体が消耗することをできる限り避けたい。

そう考えた私の選択は、肌触りよく通気性のよい素材でつくられたブルーの長袖のチュニックスタイルカーディガン。生地は腕には密着しているものの、ノーカラーで首周りは布が何層にも重なって皮膚を隠せるのみならず、空気を出入りさせやすい。Aラインの裾広がりで、ヒップの下までたっぷりと覆う。ウエストには両サイドからのギャザーを好きな緩さで絞れる。

強烈な紫外線から皮膚をまもるために長袖で覆いつつ、汗の発散で効率よく身体を冷やすために、通気性のよい繊維の素材と空気を含みやすいカッティングのものは有難い。

おかげで残暑の陽射しにもめげずなんとか涼やかに仕事を終えることができ、帰路に立ち寄ったのがこの展覧会。
ー暑さと衣服「民族衣装にみる涼しさの工夫」ー (文化学園服飾博物館)

できる限り皮膚を露出させて汗の発散によって体温を維持するべきアフリカの人ですら最低限保護しようとしたのはデリケートな皮膚をもつ生殖器周辺だった。印象的だったのは草でつくられたスカートのような腰に巻くもの。

ブルカの是非が欧州で問題になっているニュースを最近見たが、あの全身すっぽりと覆い隠す衣装は宗教上の意味以前に、強烈な紫外線、乾燥した空気、突風と砂埃から身を護るためのものだった。昼は灼熱、夜は急激に冷えるという乾燥地帯において、衣服は生命線。

空気を含ませるような構造で通気性をよくする工夫、山岳地帯ならではの下半身の動きの身軽さを考慮したタイツやスカート状の形態。どれも、気候風土の中で生き抜こうとした人間の科学的な要因に基づく知恵だった。9/24まで開催。










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