「考える葦もいいけど、香る葦を目指したい」(2011,9,15 中野香織さんブログ)を拝読。もうすぐ10月1日。この日が「香水の日」と日本フレグランス協会が定めて2年目。同時に2回目を迎える日本フレグランス大賞のノミネートのラインナップを知る。
香水というものの素晴らしさを実感しながら大人になった私にとっては、日本ではまだまだ香水文化の価値が広く理解されていないことを折にふれて痛感しており、昨年からの日本フレグランス協会のこのような試みを喜ばしく思っている。10月1日…秋から冬への日本の空気は確かに香水が綺麗に香るはず。
香りというものは好きだけれど香水は…と嫌悪感を示す人が少なくないこの国では、そもそも幼少期から生活の中で様々な香りを強く意識したりその恩恵を感じたりする体験自体の少ない人が多い。これは10年以上、香りを学ぶ若い学生に接してきて感じたことである。そもそも四季おりおりの自然の本物の香りも知られていない。さらに追い打ちをかけているのは、香りの使い方や着こなし方に配慮がないために、いかに芸術家たる調香師が素晴らしい香水をつくったとしてもただただ「キツイ」と敬遠されるようなまとい方をしている大人も多いという事実。どんなふうに着たら素敵に見えるか考える人がたくさんいるのだから、どんな風に香ったら素敵なのかも考えればいいのだ。想像力の問題。
香水は自分が好きな香りであることはもちろん、自分がまとったときのイメージを想像して違和感がないかを考えて選ぶ必要がある。服を選ぶときに自分の体型や肌色、印象、社会的役割、場面への適応をよく考えるように。
そういう意味では年に一度のこのフレグランス大賞にノミネートされてきたフレグランス各種は「今という時を知る」目安となり、新たなお気に入りの発掘となるかもしれない。一般投票もできるので是非ご参加を。
ちなみに私の香水デビューは6歳である。母のドレッサーで発見してこっそり使い始めた。このことは大人になるまで私だけの秘密だった。この秋も多くの魅力的な人たちが新たな香りと出会い、素敵にまとってほしいと思う。
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