2012年3月25日日曜日

チュベローズ(月下香)と "Valentina"(Valentino)

昨日午後。
2010年秋にコチラ
でもご紹介の日本調香技術普及協会主催のフレグランスセミナーに参加。

新作フレグランスの香りと、それぞれに特徴的に使用された香料とを嗅ぎくらべながらベテラン調香師の先生方のお話を聴く。

単なる香料という素材が、調香技術によって、こうも豊かにイメージを拡げるフレグランスに生まれ変わるものだと、改めて感心する。

調香師とは…
自然界から香りの原石ともいうような香料を探り出し
その香りが発するメッセージを理解し、役割を生かし、
さらに自然素材からヒントを得て創り出した合成香料とともに
繊細な表現を補いながら普遍的な美のイメージを追求する。
… "ARTIST" そのもの。

日本では3月14日に発売されたフレグランス "Valentina"に感じられる、クラシックかつ多面的魅力を秘めた女性像は、ミドルノートに使用されているチュベローズ(月下香)の余韻効果も大きいとみた。香料原液は、パウダリーで妖しい。媚薬的。ミステリアスな香気を放ち、一度嗅ぐと何度も嗅ぎたくなってしまう。

チュベローズ。
薔薇ではない。メキシコが原産であるという説が有力。
学名は、Polianthes tuberosa Linne。
単子葉綱ユリ目のリュウゼツラン科、月下香属に分類される半耐寒性の多年生球根植物で、かつてはスイセンやハマユウなどと同じヒガンバナ科に分類されていたという。
花は特有の甘美な芳香を発し、その強い香気は日没とともに一段と高まる。
バラやオレンジの花のように花弁の中に香気成分がすでに存在しているのではなく、ジャスミンと同じく開花しながら徐々に香りを発するため、水蒸気蒸留法では本来の匂いを抽出できず、アンフルラージュと呼ばれる吸着法で長年製産されてきたという…
(以上は
国際香りと文化の会・会報誌 "VENUS" Vol.17 中「神秘的な香料素材 チュベローズ」の文章を参考にまとめた。この冊子表紙はチュベローズの写真。)


0 件のコメント:

コメントを投稿