2011年11月1日火曜日

秋の夕刻、「アール・デコの館」(東京都庭園美術館)にて

東京都庭園美術館は、朝香宮邸(あさかのみやてい)として今から78年前の昭和8年に建てられたアール・デコ様式の建物です。



朝香宮家は第二次世界大戦後までこの地を住居とされました。その後は外務大臣・首相公邸、国の迎賓館として使われ、昭和58年10月に美術館として生まれ変わりました。


1920年代から1930年代にかけてヨーロッパの装飾美術を席巻したアール・デコ様式。1925年にパリで開催された現代装飾美術・産業美術国際博覧会(通称アール・デコ博覧会)を見学された朝香宮ご夫妻はその様式美に魅せられたそうです。


アール・デコの精華ともいわれる朝香宮邸の建築は、日仏のデザイナー、技師が総力をあげて建築材料を厳選し、当時の最高級の技術が駆使されたものです。その内装は、朝香宮自身が依頼したフランス人芸術家、デザイナーのアンリ・ラパン、宝飾デザイナーのルネ・ラリックらによるものでした。

…以上の文章は東京都庭園美術館でいただいた資料の記述の抜粋です。11月1日より改築工事が始まり平成26年のリニューアルオープンまで休館となります。

2011年10月31日、この姿のままで鑑賞できる最後の日の夕刻、多くの来館者が名残惜しそうに撮影を楽しんでいました。私も魅かれたビジュアルを記録にと撮影し、こちらのブログに掲載しています。上下左右どちらを向いても重厚ながら控えめな美が漂うアール・デコの魅力を満喫できたと思います。



1F 次室(つぎのま)・香水塔。照明と香りの提供を兼ねた存在。客人へのおもてなしの象徴。



鮮やかなターコイズブルーの置物の背景にはレリーフの壁。



パリに滞在中によく見かけた風景を思い起こした、館内から眺めた中庭。




夕方17:00頃。薄暗くなってくるとともにライトアップされた玄関の曲線美。

人間はいつの時代においても「美」を求め、その心は滅びない。
そんなことをなんとなく感じた秋の夕刻。三日月が綺麗でした。

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