2011年7月29日金曜日

不思議な夢と香りのインパクトは関係があるのか?

人生において何種類くらいの香りを体験できるのかわからないが、私にとって数ある香りの中でも特に忘れられないものの一つが薔薇の香り。忘れもしない2000年。この区切りのよい年に抽出されたダマスクローズの香りにうっとりしながら眠りについた夜、不思議な夢を見た。ネガティブな内容でなかったことは確か。11年後の今となってはもはや内容は憶えていないが、翌朝非日常的な目覚めを感じて驚いたことも記憶している。以後も薔薇の香りで入眠後、同じような体験が何度かあった。

そんなこともあってなのか縁あって仕事でもダマスクローズの香りに深く関わることになるのだが、その過程でローズに関わる文献にいくつか触れるうちに忘れられない記述に出会った。

2005年に刊行された書籍「香り高きオールドローズの世界 ブルガリアンローズ」(佐々木薫著/BABジャパン出版局)p42中に紹介された、T.Tachev とその研究チームによる論文(1964~69)中の記述である。記された実験とは、被験者(女性)の寝室に香らせたローズ精油の香りが脳の生体電気作用における変化、夢を見る頻度に与える影響を調べたもので、この結果と思われる記述の中に、以下の一文があったのだ。

…ローズ精油を用いた場合、何ヶ月も夢を見なかった人が、人に話したくなるような夢を見た。…

もちろん、全ての人に対して実施された実験でない限り絶対的なことは言えないが、自分の体験との合致に、こんなこともあるのかと思い、嗅覚刺激が脳に与える影響というものにますます興味を深めていった。

さて、こんなエピソードを今日急に思い起こしたのは、文筆家、写真家、デザインプロデューサーとして感覚のアンテナを幅広く張り巡らせているジョー・スズキさんのTwitter上での呟きを目にしたから。


RT @sawaroma: 想像するに、独特のフレーバー(香り)が脳に強い印象となって伝わりますよね…RT @joesuzuki5: 英国チーズ委員会による2005年の実験から、眠りにつく30分前にブルーチーズの一種「スティルトンチーズ」の小片20gを食べると、奇怪で鮮明な夢を経験する人が多いことが…

上の引用は、ジョーさんの呟きに対し私がリツイートした内容。140文字という制限上ジョーさんのツイートが途中で切れているが、この続きの説明によると、なんとこのチーズを食べた男性の75%と女性の85%がそうした夢をみたとのこと。実に興味深い話。チーズ独特の香りを含む風味のせいなのか、栄養成分ゆえなのかはわからないが、夢を見たという意識をもたらすのは脳なので、脳になんらかの影響が与えられた可能性も推測できそう。ともかく、このチーズを食べてみたいという好奇心は増したと思う。



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