2011年7月3日日曜日

トリオの響きは説明の要らない喜び

ピアニスト/コンポーザー・アキコ・グレースのオフィシャルブログAKIKO GRACE VOICE 2011,6,30 にてご紹介のトリオ公演を鑑賞。

光の中を駆け巡るようなピアノの音に、身体の奥底から共鳴するようなベースの響き、風のように空気を斬るドラムスが調和するトリオは、何度聴いても快感。ただ一期一会を楽しむだけ。脳が喜んでいる深い実感が残る。大好きな香りに浸っているときのように。

これまでのライヴやCDで何度も聴いたことがあるはずなのに、あえてそれらの旋律を思い返さずにまっさらな感覚で聴く。その方が楽しい。余計なことを考えないという、フラットな状態からこそ感じられるものがある。

説明の要らない喜び。多くは芸術が与えてくれる。それなくしてこの生きにくい日々をいかに笑顔で生きられるだろうか。ふと、夏目漱石の「草枕」冒頭を思い起こす。

今回の公演にゲストとして出演された立花裕人さん(キャスター・作詞家)のトークそのものもまるで音楽のように耳に届き、その延長上での「ひまわりのワルツ」の詩の朗読には涙がこぼれそうになった。

笑いながらクルクル踊るひまわりが想像できた「ひまわりのワルツ」(アルバム"Pianorium" 収録曲)。グレースさんによるこの素敵なメロディーに立花さんによる詩が加わり、ソプラノ歌手の方や子供達の合唱団とともにこの夏、演奏・録音されるという。大きな震災によって被災された方へのあたたかい応援メッセージとなることを願う。



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