2012年9月24日月曜日

香りの記憶がくれた贈り物

医療資格を目指す専門学校で、一年生に「自然科学概論」という名の講義を担当して三年目。

内容は、天然植物精油の香りを扱うもの。アロマテラピーの考え方と活用を実習を通して学び、嗅覚を通し対象の植物だけではなく、自分という人間の感覚と身体、他人の感覚と身体という「自然」を体感する機会を提供する。

半期20回の講義。体感と知識の提供に全力を注いできた。医療に携わる人がまず興味をもつべきは人間という複雑な自然。その入り口に立った学生たちのガイドが私の役割でもある。

毎年アロマテラピー検定受験を目指し、幅広く医療の可能性を考えたいという探究心旺盛な学生がいると思えば、勉強することそのものに意欲を見出せていない学生もいる。どちらも私にとっては大切な対象。レベルは出来るだけ高みを目指しながらも、感受性の異なる一人ひとりの学生の感じ方を真摯に受け止める。

今日は今年度前期最後の講義。一年生がいなくなった教室にひとり残り仕事をしていると、昨年、一昨年の教え子たちが次々と立ち寄り、笑顔で近況を話してくれる。講義で好きだった香りのことも。

そんな彼らの笑顔は、香りを媒介に彼らと共に過ごした時間からの贈り物。






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