2011年4月26日火曜日

光の軌跡を香る空気の中で… "as it should be" RITSUE MISHIMA

知人である調香師の女性より、その方が空間演出に携わられたという展覧会をご案内いただいた。場所は日本最古のギャラリーといわれる資生堂ギャラリー。
「あるべきようわ 三嶋りつ惠展」"as it should be" RITSUE MISHIMA は、まさに新緑の季節にふさわしい。

光も風も、水の流れも速すぎて、実は輝くような一瞬一瞬のかたちをあるがままに見つめることは難しい。その「あるべき」かたちを透明なガラスの曲面で見つめることができた。

薄暗い階段を降りていく。どこか清々しい空気が漂う。神聖な場所に降りたと感じたとたん出会うかたち。うっすらと射し込む光が柔らかくかたちを映し出す。歩くたびに穏やかに流れる風とともに感じる気配。静かにゆっくりと知覚される、様々な動きの一瞬。

ある場所でふと、私がかつて「透明感」というイメージの形容詞がわりに用いた天然香料の香りに出会う。ああやはり。名前はあえて書かない。ギャラリーを訪れた人のお楽しみのために。

私に見えた輪郭は、私の目がとらえた光の軌跡。
深く、ゆっくりと呼吸したくなるような空気の中で。




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