美篶堂の店主、上島明子さんに会いに出かけたのは今週火曜日。新緑のまぶしい湯島聖堂の木々を眺めながら、約8年間和みの場として通った美篶堂ギャラリーで明子さんと珈琲をいただきました。
明子さんとの出逢いは2003年5月。リビングデザインセンターOZONEでの催事会場にて。ひときわ澄んだ優しい声で「これはみすずノート、こちらは…」と色とりどりの商品を前に説明されていました。
丁寧につくられたものというのは、その清々しい佇まいで静かに使い手との出逢いを待つのでしょう。私はひと目で魅かれて手にとりました。布張りの端正な本、新しい紙の匂い、整った小口にうっすらと流れる線。
たとえ走り書きのメモで自分にしか読めない文字であっても、このノートに綴っておけば一生私の宝物になる…そんな予感は的中。その後8年に渡り私は大切なことをメモするためのノートとして何冊も美篶堂のノートを入手しました。ゲランの調香師、ジャン=ポール・ゲラン氏、数々のフレグランスボトルをデザインしたピエール・ディナン氏等の来日講演でのメモにはじまり、アロマブレンド考案メモも美篶堂ノートにおさめられています。これからも愛用し続けるでしょう。
2003年秋に御茶ノ水のショップがオープンしたときのことを、当時の私のコラム「手製本」でも綴っています。
8年目の初夏、5月5日をもって御茶ノ水の美篶堂ギャラリー&ショップはクローズされます。美篶堂さんのサイト上で明子さんもご挨拶されていますが、あと1週間、多くの方が新緑の中に佇むこの一角に立ち寄られますように。
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