2011年1月30日日曜日

読み直しという娯楽・シャーロック・ホームズ

気分転換に本の読み直し。束の間のタイムスリップ。

今日本棚で目を留めたのは、シャーロック・ ホームズの全10冊の文庫本。最初に読んだのは私が小学1年時から数年の間です。挿絵入りの子供向け全集で、毎月配本を楽しみにしていたものでした。当時面白かったのはホームズの謎解きそのものだったり、見たことも聞いたこともないイギリスの風景、人の生活様式でした。子供心に怖いなと思ったアヘン「唇の捩れた男」、秘密結社K・K・K「オレンジの種五つ」等があった一方で、ホームズが暗号を解読する「踊る人形」の中で言った言葉、「人間の発明したものなら、人間に解けないはずはありません。」に励まされたりと深く記憶に焼きついたものもあります。

そして昨秋改めて文庫本全10冊をそろえて完読。かつて読んだ物語はほぼ筋書きを憶えていたけれど、背景となる当時のイギリス社会、周辺の世界情勢への共感は大人になってから。そして少なからず自分が S.H氏に影響を受けていると感じました。「何かに取り組むとき、真っ先に考えなくてはならない問題は何か、その解決に必要なことは?をまず考える」このような自分の思考プロセスをふりかえります。

当時と今とでは、自分の知識量も体験量も違います。文章からぼんやりとした絵しか描けず、挿絵に助けられていたイメージが、今では文章のみから結構繊細な人の表情まで描けるのが実に楽しいし面白いのです。そして、改めてふふふんと思って目を留めたのは、ホームズの嗅覚や匂いに対する記述。☆間は「バスカヴィル家の犬」中のホームズの言葉の一部です。


「…あれを眼のそばへもってきてよく調べていると、白ジャスミンという香水のにおいがかすかにするのに気がついた。いやしくも探偵だというからには、かならず鑑別できなければならない香料が七十五種ある。…」


ジャスミンの香りは確かにヨーロッパの人達に愛されてきた歴史がありますし、ローズと並んで花香料の双璧を成すものですからホームズが知らないわけはないですね。75種類が何であったのかは興味深いところです。






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