2014年3月19日水曜日

『サイレント・ニーズ ありふれた日常に潜む巨大なビジネスチャンスを探る』by Jan Chipehase with Simon Steinhardt を読む


3月。
外的な変化を受け入れながら
ここ数年間の自分の行動を記憶のあるうちに振り返り
これからという新しい時間のために新しい行動を模索していた。

まさにそのようなタイミングで出逢った一冊。


サイレント・ニーズ
ありふれた日常に潜む巨大なビジネスチャンスを探る
Hidden in Plain Sight: How to Create Extraordinary Products for Tomorrow's Customers
著者 : ヤン・チップチェイス
著者 : サイモン・スタインハルト
訳者 : 福田篤人
発行 : 英治出版株式会社


「サイレント・ニーズ」。
このフレーズが私に響いた。

観察。
自宅を中心に半径1kmという範囲ですら
24時間ずっと見ているわけではなく
全てを見ているわけではない。
ちょうど昨日。
最寄駅付近にある某パン屋が
朝の開店時刻を1時間早くしたという掲示を見たが
(変更は少なくとも2度目)
朝の駅へ向う人とその行動観察の賜物かもしれないと
思った。
なぜそう感じたか。
このパン屋が
新規店舗として選んだ場所、
段階的に変更した開店時刻に
「この地に住む人のサイレント・ニーズ」を
読んだかもしれないという
これまでの予測に響いたから。

観察から得られた情報には鮮度があり
素早く洞察に結びつけるには
複数の角度からの切り込みが要る。

時には観察者自体がいつもとは全く異なる行動をとり
その実体験から得られる新鮮な感触を
ひらめきにつなげる必要がある…
まさにそんなことを考えて
ささやかながらの勇気をもち
自分のテーマに切り込もうとしていた矢先ゆえ
この本は私の追い風となった。

本文中
zeitgeist(ツァイトガイスト、著者いわく、直訳すれば「時代精神」)
platzgeist(プラッツガイスト、著者いわく、いわば「空間精神」)
といった、あえてドイツ語のことばを紹介する部分があり
あらためて
著者Jan Chipchase氏はどこの国に生まれた人だろう、
と氏名を英語のまま検索したところ、
英語Wikipediaでわかったことは
彼の母はドイツ人、父はイギリス人、妻は日本人。
ロンドンで生まれ育ち、
日本に10年間住んだことがあり
現在はアメリカ在住。
彼はすでに、少なくとも3言語の間を生きている人だった。

ドイツ語のことばの紹介があった章の中で
何度も読み返して深く記憶に響かせた部分があるので
*以下に引用する。


「無音」が本当にいっさい音の無い状態であることはめったにない。私たちの耳が
周辺の雑音を無視できるように鍛えられてきたというだけだ。…
〈本文p173より〉


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