皮膚は人体内部から作り出される外部環境への防御システム。
体内の水分の蒸発を最大限に食い止めつつ、外部から菌やウイルス等の侵入を防ぐ。皮膚の役割とはまさにこの2点。以前皮膚科医の著書から学んだことを、今回アフリカ系女性の事例を読んで再認識しました。
灼熱の陽射しと乾燥は皮膚の色を濃く深く黒に近い色にし、水分を逃すまいと皮脂腺を活発化させて皮脂分泌をさかんにします。結果、推奨されるゴマージュ(皮膚の古い角質除去)の頻度は、前回のフランス人の月1回に対し週1回。ただし洗いすぎもNG。ゴマージュに使用されるのも酵素系を、と皮膚をいためないようなタイプが挙げられています。新陳代謝に合わせて清潔を保ちつつも皮膚の保湿を常に心掛け、クリームによる補充ケアで硬化しがちな皮膚を柔らかく見違えるような状態にすることもできるとのこと。今年の猛暑を思い起こすとその時期のスキンケアにとって大切だったことが脳裏に浮かびます。
すでに深く濃い色の皮膚。メイクはこの色をより輝かせ、艶を出すために行うことがすすめられています。Tゾーンと頬に使用する"black Up" という名称のスティックタイプファンデーションの写真が印象的。
ヘアケアにも多くの記述がありました。皮膚と同様に丁寧なケア、補い護ることの大切さ、特にリンスの適用がすすめられていました。日本製のリンスもすすめられていたことにはちょっと驚きでした。幼少期からヘビーな三つ編みなどでダメージも受けている髪の復活と再生のために、この雑誌からシャンプーやシャインスプレーも具体的に提示。こうした髪のケアについては、専門家の意見を尊重し、信頼できる情報に基づいて化粧品を選ぶことの重要性も力説しています。
外部環境に対抗した結果の皮膚の状態といえば…。
たとえば私たちの場合でも、足裏にできるタコなどは、ハイヒールで体重のかかる部分にできやすいもの。硬く層を厚くして内部をまもろうとするのです。その外部刺激が避けられないならば、皮膚をやわらかく艶のある状態にするために保湿とクリームによるケアを丁寧に行うしかありません。
厳しい環境下で生き抜いた人の状態は、人類がより良い状態で生きていくための有益な知恵を示唆しています。アフリカ系米国人女性の均整のとれた抜群のプロポーションを写真で見て、小さな頭部と長い脚が、過酷な環境下で機敏に走り回り弱肉強食を生き抜くための必然であったような気がしています。
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