寒い季節になると思い起こすフレグランス。ラストノートがほのかにふんわりと甘く温かいイメージをもつもの。フレグランスは香りの揮発の順に伴って、最初の香り立ちのトップノート、落ち着いてきたころのミドルノート、数時間経っても余韻のように残っているラストノート…この全過程をすべて「聴いて」から選ばれるべきと思います。
たとえばトップからミドルにかけての印象よりもラストの印象が好きな場合、時間差を考慮して、香りを身につけると良いと思います。出掛ける直前に衣服を着用した上に最後の仕上げとばかりに鼻に近い上半身に一拭き、というのは最も失敗しやすい例です。プンプン香って辛くなってしまうかもしれません。こういうことをしてもOKであるとしたら、会う人のほとんどがドレスアップして華やかな香りを纏っているような場所以外は…なかなか考えられません。
それでも出掛けるまでにそんな時間などない!というとき、大丈夫。アナタの体温でゆっくり温められた香りを衣服の間からゆっくりとこぼれるように香らせるとよいのです。フレグランスは最初に肌に身につける衣服だと思って、素肌のウエストまわり、膝の裏あたり、足首まわりなどにつけるのです。各場所にワンプッシュずつでは多いかもしれませんので、一箇所ウエストだけにする、あるいはスカートの場合は膝だけにするなどポイントを絞ってもよいでしょう。または予めコットンに一拭きしたものを各場所に少しずつつけるという方法でもよいと思います。そのコットンは腰の位置に内ポケットがあれば入れておくのも良いでしょう。肌が弱い人にはこの方法もおすすめです。
寒い冬の朝、私は前夜に膝下に纏ったフレグランスの甘い温もりで心穏やかに目が覚めたことを思い起こします。体温で柔らかくなった香りはまさにラストノート。音楽と同じように、香りもラストまで聴いて。
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