2010年12月11日土曜日

プロコフィエフの曲

今日、NHKテレビ「坂の上の雲」を視聴していたら、20世紀初頭のロシアの風景と、そこで交わされるロシア語の響きがまるでピアノ音楽のように印象に残り、連想が記憶を駆け巡りました。たどりついたのがロシアの作曲家、セルゲイ・プロコフィエフによるピアノ協奏曲第3番。10代で初めてこの曲を聴いたとき、非常に強いインパクトを受けたことを思い起こしたのです。秘められた激しい感情の響き、ともいうような旋律でした。

それまで、プロコフィエフという名前すら知らなかったと思います。コンサートで聴いたわけではありません。当時1人で映画館で映画をみることが好きだった私が「コンペティション」という映画の中で耳にしたものです。この映画は、アメリカのサンフランシスコにおけるピアノ・コンクールを舞台にしています。登場人物が様々なピアノ曲を披露するのです。そのうちの1曲がプロコフィエフのピアノ協奏曲第3番でした。

約30年前の映画ですが、先日NHKのBS放送でピアノをテーマにした映画の一つとして放映されたようです。ピアノ演奏のシーンが印象的です。映画自体のテーマ曲もこのプロコフィエフの音と共に私の記憶に残っています。

私はロシア語にもロシア音楽にも詳しいわけではありませんが、両者の関係性を、今日あらためて感じています。心の中に生まれる感情を表現する手段が、結果的にピアノ曲となった作曲家の存在を想像して。昨日もある舞台でラフマニノフのピアノ曲を聴いたことを回想します。演技のバックにオーケストラの生演奏が流れると一気にシーンごとの立体的な雰囲気を感じられます。まるで香りが流れるように。そういえばシャネルNo.5の調香師、エルネスト・ボーもロシアの生まれとのことです。

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