本棚から手に取り
つい読み返してしまった
『小泉教授が選ぶ 食の世界遺産 日本編』小泉武夫著/講談社。
改めて発酵の遺産である甘酒その他もろもろの素晴らしさに感激した。
さらに…米を原料とする吟醸酒のフルーティーな香りが、ギリギリまで削がれた(精米された)米に飢餓状態に追い込まれた酵母の必死なエネルギー産生によって生まれるという話には驚愕。
人が自然の力を巧みに活かして生まれた香り。
そして今日。
郷里の母が送ってくれた北日本新聞社発行の雑誌
『まんまる』3月号の表紙に
上記の本でも紹介されていた「かんずり」の雪さらしの写真。
雪深い新潟県の伝統的な発酵食文化の賜物「かんずり」。
半年ほど塩漬けした唐辛子が雪原にさらされ
(このとき、独特の香りが辺りに漂うとのこと)
その上に雪が降るとサンドイッチ状になる。
3日ほど雪の中で寝かすことであくと塩分が抜け、まろやかに。
その後、粉砕してこうじやユズなどを加え、3年間発酵させる。
6年熟成の限定ものはより円熟味が増すのだとか。
かんずり を初めて食したのは10年以上前だった。
唐辛子の、辛いだけではない、繊細な香りの魅力が
ユズやこうじにひきたてられていて素晴らしかった。
鍋、汁もの、肉類などあらゆる料理を美味しくしてくれる。
雪国生まれを誇りに感じさせてくれる発酵香辛調味料である。
参考文献
『まんまる』 (2014,3月号) 編集・発行北日本新聞社
0 件のコメント:
コメントを投稿