2014年2月18日火曜日

薔薇香る美味しさ・バラ科のフルーツと共に

"A quel parfum?"
パリのカフェで、マカロンやアイスクリームなどのフレーバーは
このように尋ねられるそうです。

parfum、といえば日本では主に香水を示す言葉として認識されて
いますが、フランス語ではもっと広く「良い香り」を示す意味で
使われています。食べ物の良い香りとしてももちろん、aromaと
同じく広く、肯定的に匂いを表現するために使われています。

「良い香り」というものは香水やアロマテラピーの世界の話だけ
ではなく…。むしろ、様々なものの良い香りを衣食住を通して
体験し、匂いに繊細な美を感じとってきた人の感性が
香料を素材として香水を創造し得たと私は考えています。

アイスクリームのハーゲンダッツ30周年を記念して
生まれた新製品のフレーバーは「サクラ」と「ローズ」。
日本人にとっては眺めるだけでも匂い立つような桜(バラ科)と
「花の女王」「香りの女王」とよばれる薔薇の香り。

さっそく「ローズ」をいただきました。
プラム香る鮮やかなラズベリーカラーのソースと
ストロベリーアイスクリームベースのグラデーションが華やか。




ラズベリーもプラムもストロベリーも全てバラ科の植物。
このフルーティーな甘酸っぱい香りの母ともいえる
香料バラのダマスクローズやターキッシュローズの優雅な香りが
甘さを上品に感じさせてくれました。




このアイスクリームを芳香剤のニオイ!と評されている記事をいくつか見つけました。薔薇の香りはそれこそ「香りの女王」ですから、あるものを良い香りにしたいと願えば高い確率で使用される香料でもあります。ですが薔薇はあくまでも薔薇であり、芳香剤ではない!その甘美で優雅な香りに感動したことのある人であれば
単にフレグランス(身につけたり空間を香らせる)としてだけでなく、このハチミツを思わせる甘く華やかなフレーバーとしての魅力も笑顔で感じられるのではないでしょうか。

海外では薔薇のフレーバーはお菓子、紅茶にもよく利用されていますし
芳香蒸留水であるローズウォーターはカクテルや料理に使われることも
あります。慣れていない方にとっては違和感があるのかもしれませんが
たとえば…
THÈ ALLA ROSA / SANTA MARIA NOVELLA ・安らぐひとときでご紹介のローズ紅茶は、試飲いただいた日本人老若男女の多くの方に喜ばれていました。

アイスクリームに使用された薔薇の香りの一つ、
ダマスクローズについては
これがいかに素晴らしいものであるかを讃えて
かつて書いた記事 花のパワー・ダマスクローズ があります。

花は植物にとって命の再生の象徴。
早春の桃の節句(桃もバラ科)に
改めて花のパワーを感じたいものです。

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