最初の一回は軽く聞き、
二度目は少し長く、
三度目は確認する。
微細な違いを感じ取る風雅な時間。
その静寂の中で繊細な香りの美しさに触れると
凝り固まっていた神経がほぐれ
深いリラックスを得られます。
本日は、香水評論家の平田幸子さんによるによる香りスクール開講日。
こちらでもご紹介の3回目のレッスンは、香道の専門家の先生をゲストにお迎えした「香道入門」。
あたたかい香炉を上から眺めます。
灰の盛られ方にも流派による違いがあるとか。
雲母の上にちいさな香木がひとかけら。
沈香の中でも伽羅(きゃら)は最上級の香りといわれ
高い稀少価値があります。
どことなく、いにしえの記憶を呼び起こす懐かしさ。
上品にたなびく残香が心にゆらめく
まさしく最上級の香です。
こちらの香炉は、かつてNHK大河ドラマ「篤姫」で使用されたものだとか。
道具の風情も雅やかです。
香道具の鮮やかさを楽しみにしていた私は
あえて本日の自分の服装を無彩色にして良かったと思いました。
「伽羅」とよばれる沈香。
そのたたずまいは
木が自然の中でゆっくりと変化、熟成した
静かな年月の重み、深さを語っています。
香を聞く、とは
こうした存在の語りかける声に耳をすますことでもあります。
「見えないものこそが大切」とは
フランスの作家、サン・テグジュペリの物語の一節でもありますが
こうした奥深い世界を体感できる香道が
いまやフランスなどヨーロッパの方々にも大変な人気であることも
よくわかるようにおもいます。
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