2012年11月19日月曜日

香を聞く・心も身体も穏やかになれるひととき

香は、心を無にし、自らの嗅覚に「聞きにいく」もの。

最初の一回は軽く聞き、
二度目は少し長く、
三度目は確認する。

微細な違いを感じ取る風雅な時間。

その静寂の中で繊細な香りの美しさに触れると
凝り固まっていた神経がほぐれ
深いリラックスを得られます。

本日は、香水評論家の平田幸子さんによるによる香りスクール開講日。

こちらでもご紹介の3回目のレッスンは、香道の専門家の先生をゲストにお迎えした「香道入門」。

あたたかい香炉を上から眺めます。


灰の盛られ方にも流派による違いがあるとか。
雲母の上にちいさな香木がひとかけら。
沈香の中でも伽羅(きゃら)は最上級の香りといわれ
高い稀少価値があります。

どことなく、いにしえの記憶を呼び起こす懐かしさ。
上品にたなびく残香が心にゆらめく
まさしく最上級の香です。

こちらの香炉は、かつてNHK大河ドラマ「篤姫」で使用されたものだとか。


道具の風情も雅やかです。
香道具の鮮やかさを楽しみにしていた私は
あえて本日の自分の服装を無彩色にして良かったと思いました。

「伽羅」とよばれる沈香。


そのたたずまいは
木が自然の中でゆっくりと変化、熟成した
静かな年月の重み、深さを語っています。
香を聞く、とは
こうした存在の語りかける声に耳をすますことでもあります。

「見えないものこそが大切」とは
フランスの作家、サン・テグジュペリの物語の一節でもありますが
こうした奥深い世界を体感できる香道が
いまやフランスなどヨーロッパの方々にも大変な人気であることも
よくわかるようにおもいます。

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