2010年秋に発足、コチラ においても触れた、日本調香技術普及協会主催の講演会で懐かしい方に再会。
講師のヴァルチャン・ヴァルチャノフ氏(ブルガリア共和国大使館商務参事官)は3年前、私がブルガリアに行く前にお会いし取材させていただいた方。
当時も、ブルガリアにとってローズ精油は国にとっての重要な産業であり、その栽培に適した気候条件と土壌に恵まれた上に350年にわたる栽培、抽出、蒸留への開発努力の賜物であるということ、ローズ天然香料輸出国の筆頭であるフランスからはその品質で圧倒的に高い評価を得ていることをうかがっていました。
ちょうど2009年といえば、日本ブルガリア外交復興50周年の年であり、この年にスタートしたブランド「パレチカ」は今も健在。
本日のご講演テーマは
Bulgalia's Essential Oil Industry (ブルガリアの精油産業)。
有名なダマスクローズのみならず、ラヴェンダー、ディル、マツ、クラリセージ、ペパーミント、カモミール、…などの精油生産でも有名なブルガリア。そうです。ちょうど私がブルガリアを訪れたのは7月初旬でしたからラヴェンダーの最盛期で、素晴らしい香りに包まれたことをおぼえています。そのときの様子は、コチラの旅行記
でもご覧いただけます。
現在もローズ精油輸出相手国の筆頭はフランス、次に日本、ドイツ、アメリカ、スイス、中東…とのこと。オーガニックローズ精油はほとんどがアメリカ向け、というのもなかなか興味深いところ。
農業としての栽培のプロ、蒸留技術のプロ、複数の蒸留所から集められてきた抽出したての精油を熟練技術でブレンディングするプロ、品質チェックのプロ、管理のプロ…とこの産業に関わる人材そのものがまさに宝であり、その高品質への真摯な姿勢ゆえに他国からも支持を得ているとの話、聴いているだけでもすがすがしくなります。
1キロのローズ精油を得るために、3トンの花が必要。
1滴0.05mL中に約100個分の薔薇の花の香り。
濃厚かつ、ほどよく高い持続性。
素晴らしい自然の恵みを受けた薔薇の花は、いかに人間の手によってもそんなに急激に大量生産はできないのです。だからこそ貴重。
農業国の誇りを持つ国は、香りにも妥協しない。
そんなことを、かつて訪れたブルガリア
でいただいた食事を思い起こしながらも感じたひとときでした。
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