〈…生まれたのはローズから…〉
〈…このフレグランスのシンプルな特徴は、ブラックチェリー、パチュリ、そして大胆に使われたあふれんばかりのローズといった格別な香料を際立たせ…〉
これは昨年日本でも発売された
La Petite Robe Noire Guerlain for women
の日本語リリース資料からのフレーズ。
資料に挟んであった一年前に吹きつけたこの香りの試香紙。
いまもふんわりチェリー。そして奥には滑らかに幾重にも重なるローズや
バニラやパチュリの余韻も。
発売当時、日本の調香師の方が、この香りには抽出後何年か寝かせたローズやパチュリの香料も使われているかもしれない、天然原料にこだわる老舗ゲランならあり得ること…と仰っていたことを回想。
さて
La Petite Robe Noire(リトルブラックドレス)
という名前に使われているフランス語の"Petite"には
単に「ちいさな、ミニサイズ、ミニ丈の」という意味だけではなく、
最近日本でよく用いられる「ちょっとした」という意味だけでもなく、
「(親しみを込めて)かわいい、愛しい」という意味があり…
私はこのフレグランスには特にこの最後の意味を感じます。
このシリーズの最新作
Guerlain La Petite Robe Noire Couture
12/19/13 10:23:04
By: Sanja Pekic
は、"Petite"はそのまま、"Couture"も加えられ
さらに高級仕立てのドレッシーな装いという含みを感じさせています。
今回のボトルに描かれたシルエットはロングドレス。
レッドカーペットによく映える
より洗練された、よりシプレな香り。
「シプレ」。
改めてこの言葉の意味を
パリ在住日本人調香師、新間美也さんの著書
『香水のゴールデンルール』p45から一部引用して〈〉に記します。
〈…シプレという言葉は、1917年にコティ社がつくった「ル シープル」という香水に由来します。ル シープルとは日本語でキプロス島の意味。当時はバカンス先として大変人気のある場所でした。そんなことから、この香水が発表された当時は、
瞬く間に大流行し、街のどこでもこの香りであふれかえっていたと聞きます。
ベルガモット、ローズ、ジャスミン、オークモス、パチュリ、ラブダナムを組み合わせたこの香りは斬新で、それ以降につくられたル シープル似の香水は、シプレ調の香水と呼ばれるようになりました。…〉
個人的に私にとって今回の新作はまさに
"Petite"「(親しみを込めて)かわいい、愛しい」。
何故ならば…私がかつて
初めて自分が好きで選び購入したフレグランスが
シプレタイプだったから。
時を超えて今の私が
そんな気分に再会できるか楽しみです。
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