2013年12月4日水曜日

空気に拡散する2%と皮膚に塗布する0.25%

一昨日は医療系専門学校での実習として、精油濃度2%のエアフレッシュナー(ルームフレグランス)をグループで制作。2種の精油を好みのバランスでブレンドし、無水エタノールに溶かし、精製水で薄める。

かなり広い実習室ではあったけれど、8種類のエアフレッシュナーが試しにスプレーされると廊下にもうっすら拡がる香り。2%なのでスプレーして香りがすぐにはなくならないものの、しばらくすると柔らかくフェイドアウトしていった。1%ではかなりすぐに消えてしまい、周囲にもっと強い香りがある場合などはわかりづらいこともある。一瞬空気がリフレッシュされる程度。それではちょっと物足りないという学生からの要望もあり、2%にした。

一方昨日は、ファッションを専攻する学生にアロマトリートメントで皮膚に塗布してリラックスできる香りの楽しみ方を指導。

初めての学生も多いため、精油濃度は0.25%ホホバオイル。過去15年、学生にこのようなオイルを試させてきて、1%でも0.5%でも香りが強いとか、皮膚が痒くなったなどの反応を示された経験もあり、さらにその半分である0.25%で1種精油のみの希釈。パッチテストも兼ねている。

皮膚はデリケート、しかも自分の皮膚に塗布するのだからほのかに香ってリラックスできればあとは静かに香りがフェイドアウトしてくれたらそれでよいはず。そしてそんなところが、持続性を求められる、身に纏う香水フレグランス類とは違うところ。
ある学生が、自分がつけている香水のほうが強くて、制作したアロマトリートメントオイルの香りがわからないと訴えてきた。今はわからなくても、自宅で今夜お風呂あがり、就寝前に手などにうっすら拡げと使ってみてはとアドバイス。

皮膚はデリケート。そして人の嗅覚は本来敏感。そもそも呼吸の入り口にある感覚受容なのだから。

現代という時代はあまりに身の回りに香りのノイズが多いだけに、そしてそれでも生きていられるだけに、最初はわかりにくいかもしれない。

しかし、本来の目的に応じた適度な香りの強さというものはある。

センサーを研ぎ澄まし、嗅覚を鋭敏に磨くことは、嗅覚を含めた感覚全体にとっても極めて重要。これまでに見過ごしてきたかもしれない大切な情報に気づけるようになるということが、生物にとってアドバンテージ以外のなにものでもないはず。

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