前回のブログ の中で、調香師ジャン=クロード・エレナの言葉を引用し、「香りは言葉」であるという考え方を記した。その素材としての意味を理解して表現に生かすものという考え方。
今年後半、そんな考え方を改めて強く思い起こすフレグランスに遭遇した。
ゲランのイディール・サブリーム。
フレグランスとしては初めて、天然ローズを蒸留して得られるローズの精油と、同じく蒸留によって同時に得られるローズウォーターを合わせて使用されているという。非常にフレッシュで繊細なフローラルの香りが実現したであろうことは海外のこちらのサイト文章やCM画像からもよく伝わってくる。
Idylle Eau sublime(Guelain)-new perfume review-1000 fragrances
私にとって、ブルガリアのダマスクローズの香りはさまざまな意味を持つ。
精油であるローズオットーは、「花を必死で守る緑の苦味」「蜂蜜様の甘さ」「ベリー系フルーツの甘さ」「複雑な陰影」「花を育てた土のあたたかみ」…
とにかく辞書をひくとたくさんの意味が並ぶ単語のごとく、その言葉の意味はひとことでは言えない。
ローズウォーター。この香りの言葉もたくさん挙げられるが筆頭は「フレッシュグリーン」。そして、ローズオットーとローズウォーターが組み合わせられると、青空にきらめくように咲くダマスクローズの一瞬の香りがよりリアルに想像できる気がする。
そんなことを考えていた矢先、来春デビューのフレグランスにもローズウォーターが使用されたとのニュース。
クロエ(CHLOÉ)より、春のそよ風のようにさわやかな新フレグランスが2012年3月に登場/ Fashion Press
ボトルはフレッシュグリーン。
春のそよ風。ローズウォーターの音色から、どんな風が流れるのか。
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