2011年6月11日土曜日

スイートマージョラム・スパイシーな葉と可憐な花

マージョラム、英名Marjoram と呼ばれるこのシソ科植物は、スイート(Sweet) がつけられてスイートマージョラムと呼ばれることもあり、そのスパイシーでほのかに甘く香るハーブの特徴を想像させます。鑑賞用にも愛らしく、その上品なスパイシーな香りは料理にも使われます。










葉から水蒸気蒸留法で抽出された精油も、独特の深みの中に軽やかな甘さがあり趣きのある香りなのですが、今も多くの日本の人にはあまり知られていないハーブでもあるせいか、不慣れな違和感とともに警戒心ゆえに苦手感を示す人も少なくありませんでした。

そこで、私はこの植物に関しては精油の香りをいきなり鑑賞してもらうのではなく、まずはマージョラムの本物の生葉を見せて、その愛らしい卵形の小さな葉やいずれ多数の花をつける緑の蕾のような形をじっくり観察してもらう機会を設けるようにしています。見るだけでなく、葉をこすって自然の清々しい香りも体感してもらうのです。たったこれだけのことで、マージョラムが大好きになり自分で育て始めた学生もいました。彼はその後精油販売の仕事に就いたときいています。

私もスイートマージョラムの植物としての姿には毎回心を動かされます。一見動かないように見える華奢な植物が、光と水と空気の中で、確実にユックリと動き始めます。料理に使った残りのひょろっとした茎を水にさしておくと、日々少しずつ艶やかな緑となり、日のあたる方向を向いて、小さな小さな花を少しずつつけていくのです。









古代より料理に医療にと用いられてきたこのハーブ。私もこの精油を、疲労困憊したときの熟睡のために、または疲労と緊張でこわばった身体をゆるめ、温められる癒しを求めて用いることがよくあります。

1990年代後半、フランスの "JEAN COUTURIER"から発売された"MARJOLAINE"
というフレグランスに出会ったことを回想しています。トップノートにマージョラムの香料が使われていました。ピンクのパッケージに緑の文字というシンプルなパッケージそのままに、素朴なハーブの一面を生かした落ち着いたフローラルの香りでした。


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