2011年5月12日木曜日

見えない安らぎ・快適性…小田急線10年の試み

一昨日は珍しく体調を崩した。喉の痛みと微熱。自宅で仕事をしながらも頻繁にベッドに横になったり塩水うがいを繰り返すなどの静養でなんとか回復したが、この日特に気をつけたのが室内の換気とその空気の清浄感。

自宅で発生する様々なにおいはこもってしまうと不快なものになるので換気が必要。さらに外気といえども必ずしも心地よい薫風ではないので、軽く天然精油をブレンドしたエアフレッシュナーを各部屋にひと拭きずつして清浄感を保つようにした。香り自体は強く残らないが何か空気が綺麗になったような気がする。それでようやく安心してリラックスし仮眠をとることができた。

におい物質は鼻で呼吸をするとともに否応なく体内に入ってくる。良好な状態であれば清々しく感じられ、そうでなければそういう環境下に長くいると体調に影響を与えることは避けられないと思う。東京で混雑する車内にいてそうした危険を感じたことはよくあった。

私の利用する小田急線では、2001年から、梅雨時の車内環境リフレッシュのためにと天然精油をブレンドした香りを微量、車内に流すという試みをしている。当時の新聞でこの試みについて読んだ記憶では、様々な人へのテスト、精油選択、香り濃度の検討によって実施されたそうだ。全車両で流したいところを、たとえ微量でも体調によっては気になるという人への考慮もあり偶数車両のみに実施されている。好評により6~9月の期間に行われているとのこと。

この時期にならないと小田急側からも目に付くようなPRはあまりされていないようだが、よく調べてみるとこの香りの供給元の会社が見つかった。日本デオドール株式会社のページに小田急電鉄へ2001年より供給と記されている。

私の周囲には、よく小田急線を利用しながらもこのことに気付いていない人は多い。それ位、香りの流し方は微量であるともいえるし、混雑による不快臭が香りと相殺されて感じにくくなっているせいとも想像できる。しかし、気付かないとしても殺菌効果を有するといわれる天然精油の香り物質が多少なりとも人の身体への負荷を軽減してくれているとしたら、それは有難い試みと思う。

あからさまににおいを強調するのではなく、車内を少しでも快適な空気にという小田急線の試みには感謝している。このようにさりげなくお客様の健康を気遣う気持ち、見えない安らぎの提供こそホスピタリティの大前提ではないかと改めて思う。かつて疲労困憊した時に利用した、山の上ホテルの館内の空気と水に深い安らぎを感じて癒されたことを思い返している。



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