波多野光さんの描く植物。その妖しくも流麗な曲線の中に、生きものがただ生きるためにひたすら生きている軌跡を感じ、痕跡としての香りを想像しました。
西荻窪駅北口バス通りを青梅街道の方に向って直進。左手にデニーズが見えた所から二つ目の曲がり角を左折すると、「ギャラリーみずのそら」の案内板が見えます。カフェが併設されたこのギャラリーの窓際には浅い水盤がありました。
晴れているときは周囲の木漏れ日を集めて輝くことでしょう。私が訪れた雨の日は、その雫が一つひとつまあるい波紋を綺麗に描いていました。
ギャラリーに入ってすぐ、正面に梅の力強い枝が伸びる曲線が見えます。線のその先に見えない香りを想像。芳しい梅の花。もうそれだけで胸がいっぱいになってしまい、カフェでひと休みすることにしました。
フルタヨウコさんお手製のお料理をいただきます。さつまいもにほのかな柚子の香り、蕪に桜の塩漬け、イワシの梅煮。春の「気配」を味わいました。デザートのチョコレートムースにも赤いピンクペッパーと桜の塩漬け。きりりと甘みが引き締まって美味しい。ハーブティーはフルタさんのパリ土産。
気分をリセットしてから、再び作品を鑑賞。先ほどいただいたばかりの野菜、花、多肉植物、葉などさまざまな植物の軌跡。特にほのぼのとしたのは、5月頃に見かける紫陽花の芽。それぞれの季節を回想しながら、色々な香りを頭に描いて…気がつくと夕暮れに。私の作った春の香りを移らせるために…と小箱を予約してギャラリーを後にしました。
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