痩せ過ぎず太り過ぎず、均整のとれた筋肉量の身体でいつも柔軟な動きができること。これは良く生きるために極めて大切なことと私は思い、「筋肉の使い方」と「腹式呼吸」の大切さを意識した日常生活を送るようにしています。
私がこのようなことを意識したきっかけは3回ありました。
1,10代でソプラノパートを歌うために腹式呼吸を訓練し、全身をつかって高音を発声する心地良さを体感できたこと。
2,20代で出産時の陣痛に備えて呼吸とともに筋肉をリラックスさせる練習を行ったことで安産となり、産後の回復も早かったこと。
3,30代でアロマトリートメント&リフレクソロジー施術を頻繁に行う仕事の中で、仲間が次々に腰や手を故障し辞めていくのを憂い、回避策として、部分でなく全身の筋肉を連動させるイメージで身体を使う工夫を実践。結果として施術者が無駄のない心地良い動きをするというリズムが施術される側にも心地良いものとして伝わることを実感。
日常生活の中で心がけていることを列記してみます。
1,あらゆる動作に筋肉の収縮と拡張を意識し、なるべくゆっくりと大きく動く。
2,同じ姿勢をなるべく長時間続けないようにし、右を使ったら左をつかう、下げていたら上げる動作を入れる。
3,最も重力のかかる脚は必ず毎日90度以上、上げて筋肉をのばすようにする。
"VOTRE BEAUTÉ" 2月号の冬ケア特集最後のページにも、硬くなりがちな冬のボディのために…と軽い有酸素運動やヨガの他、"la méthode Feldenkrais"(フェルデンクライス・メソッド)という初めて目にする名称の考え方が紹介されていました。自分の身体が心地良いように筋肉を意識して動かすようになれば、そうした動作が関節に働きかけほぐされるのだと。興味をもった私が「フェルデンクライス」という言葉で検索したところ…日本フェルデンクライス協会Webがみつかりました。これはモーシェ・フェルデンクライス博士が20世紀に研究、確立したもので、「心地良い体の動きが脳を刺激し、活性化させる…余分な力を使わずに効率よくらくに動かすかを学習…」といったものであると概要を記した文章に書かれています。そして、フェルデンクライス博士の残された言葉も幾つか列記されていましたが私が特に共感したものを一つご紹介します。
「動くことは生きることであり、動きがなければ生きることは不可能だ」
1904年、ロシア領ポーランドに生まれたフェルデンクライス博士はパリ・ソルボンヌ大学で工学、物理学の博士号を取得。柔道も愛好し、西欧人初の黒帯取得者の一人となってフランス柔道クラブも創立されたとのこと。その後サッカーで膝を故障したことをきっかけにさらに解剖生理学をはじめとする人体に関わる科学を広く学び、どうしたら再びスポーツができるようになるかを模索する中でこのメソッドを確立されたのだとか。
フランスと日本の接点をまた一つ、思いもよらぬところで知ってしまった驚きとともに、普段から私が何気なく考えていたことの意義を再確認できたようで嬉しい限り。こんな貴重な情報を得られるなんて、フランスの美容雑誌はさすがと感心。
参考情報:
日本フェルデンクライス協会Webサイト
参考文献:
"VOTRE BEAUTÉ" Février 2011,n°839"
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