好きな世界に浸る時間を満喫。
"PARFUM" 162号(夏号)発刊 の中でもご紹介していた、香水評論家の平田幸子さんによる香りスクールに出席。
薬や健康のためとしてではなく、人(特に女性)のさまざまな美を香りで芸術的に表現したフレグランス。それが王侯貴族のためだけではなく、広く「美を求める人々」のために創られ売られるようになったその歴史的背景は、社会の変遷に応じて移り変わるその時代毎のモード(様式)、ファッションやアートとともにありました。
そんなお話を聴きながら、香水史上初のオーデコロンを踏襲して生まれた"4711"に始まり、特に1900年代から現代のフレグランスを、ナルシス・ノワール(キャロン)からフェイム(レディ・ガガ)まで、約10種。ゆっくりと鑑賞しながらかつての懐かしい香りに浸ります。
幼少期~10代のころから、フレグランスの香りにしっかりと美の世界を感じていた私には、香りを通してその背景のアートやファッションが見えていたように思います。ピアノを通してクラシック音楽に親しんだり、外国の物語をたくさん読み、いつも空想にふけっていたからかもしれません。
懐かしい香りその1
おなじみの"4711"ですが、ナポレオンがブーツにさしこんで携帯できるように創らせたという細長いボトルの復刻版だそうです。爽やかな柑橘系のオーデコロン。
懐かしい香りその2
ミニチュアボトルコレクションを見せて頂きました。20世紀の香りたち。私の大好きだったサムサラ(ゲラン)や、イタリアで買ったアマリージュ(ジバンシィ)もありました。世界的恐慌ムードの中1930年に発売されたジョイ(ジャン・パトゥ)はローズ・ド・メ、ジャスミンなど最高級の天然香料がふんだんに使用された高価なもの。戦時下のフランスで平和を求めて生まれたのは1942年発売のラリックによる鳩のキャップが目印のレール・デュタン(ニナ・リッチ)…その他ボトルを見ただけで何のフレグランスかすぐにわかるものばかりです。
懐かしい香り その3
1947年発売、シプレタイプの代表的フレグランスの一つ、ミス・ディオール(クリスチャン・ディオール)。後ろの黒い楕円形のバロック調ボトルは、2004年に発売されたシプレフローラルタイプの重ね香(メナード)。
最後に日本で先行発売されたレディ・ガガのフェイムを鑑賞。ボトルではなく液体そのものが黒いフレグランスは独特のインパクトを持った香り。時間が経つほどにやわらかな曲線が流れているようなふくらみを感じました。…清濁併せ受け入れ生きる現代にあって、それでもなお激しく美を求める心を忘れずにいたい、という情熱の一端を感じています。
こんなふうに、美術品を鑑賞するように自由に香りを鑑賞するひとときは楽しいものです。次回11月19日は香道の体験もあるとか。香料と人の関わりは奥深いものです。
詳しくはもうすぐリニューアルオープンのコチラサイトをご覧ください。スクールの会場となるメナード・ビレック表参道サロンフロントもリラックスできる素敵な空間です。
前にツィターから訪問しました。
返信削除香学の専門家のsawaroma様のブログ記事は、
博学への道でもあります。
tai mai さま
削除私のブログ記事をお読みいただき、有難うございます。